TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」41

2015年06月19日 | 物語「夢幻章伝」

「砂漠ー!!」

アヅチとマツバ、へび呼ロイドは、砂漠に足を踏み入れる。

とにかく
砂一族はいろいろ恐ろしかったので、早急に次へと向かうことにした。

「すごい風だわ!!」

すっかり元の髪型に戻ったマツバは、ヘアスタイルを気にしている。

「砂まじりの風で、目がしょぼしょぼするよぅ」

へび呼ロイドは、高速キコキコで、砂を避けている。
(解説:へび部分が高速で首を振ること)

「・・・暑い」

すっかり同僚(一部)に懐かれているアヅチ。
体に同僚がまとわりつき、まるで、同僚使い(何それ)だ。

「海と云い、東と云い、割と順調に来ていたのに」
マツバは、きりっと云う。
「いつもうまくいくわけじゃないのね!」

「マツバ!」
高速キコキコで、へび呼ロイドが云う。
「だって、これ、冒険だから!」
「旅行の間違いでしょ!!」
「マツバぁあああ!」
「てか、へび呼ロイド、こいつら(同僚)どうにかしろ!!」
「仲間には優しく!!」

これから、また、砂漠旅がはじまるのである。

すごい音を立てて風が吹き、一面の砂が舞い上がる。

「これは・・・」
マツバは目を細める。
「東から砂に来た時より、荒れてるわね」

多少、砂風があったものの、それほど視界は悪くなかった。
天候にもよるのかもしれない。

「砂から谷にかけて、大きく風が吹く、て云ってたしな」

と、アヅチ。

・・・ドラゲナイあたり参照。

「とにかく、行こーう!」

目を瞑ったまま、へび呼ロイドが声を上げる。

ひゅおおおおおおおお(風の音)

とにかく、目が痛い!

(禁)コンタクトレンズ!

「くっ」
マツバは目をこする。
「谷にも温泉はあるのかしら!?」
「確かに、風呂に入りてぇ」
アヅチが云う。
「そして、うまいもんが食いてぇ!」
「おいしいものって、何があるのかしら」
「さあ?」

アヅチは思いつくまま、答える。

「ヘビとか、カエルとか、バッタとか」
「あんたバカでしょ!」

お腹がすきすぎて、今なら、きっと食べられる領域。

「私は、海鮮料理とか野菜料理が食べたいの!」
「お前、それはもう食べただろ!」

ひゅおおおおおおおお(風の音)

「ふたりとも急いでぇ」

視界が悪い中、どこからかへび呼ロイドの声。

「急がなきゃ、砂漠の中で夜を迎えることになるよぅ!」

砂漠の夜は、厳しい。

「くっ」

アヅチが云う。
「あったかい布団で休みてぇ!」

アヅチは、前日、宿の布団で寝られてない。

「ぴぎゃっぴぎゃっ」
「え? なんだってぇ!?」
「あんた、同僚布団で気持ちよく寝たんでしょう」
「ぴぎゃぴぎゃっ(正解っ)」
「あったかい布団より、自分らを求めてって」
「うぉおおおおなんだそれ!!」

マツバは、いつの間にか同僚の通訳が出来ておるよ。

ひゅおおおおおおおお(風の音)

日も落ちてきて、ますます視界は悪い。

「・・・ところで、」
砂まみれのマツバが云う。
「方向はこっちであってるのかしら」
「ざっくり、こっちじゃね?」
「ざっくりですって!?」
声はするものの、お互い目をつぶっているので、姿は見えない。
「ぴぎゃぴぎゃっ」
「なんだよ、お前ら」
「方向ざっくりOKと云っているわ!」
「やっぱり、ざっくりかよ!!」

ひゅおおおおおおおお(風の音)

「・・・・・・」
「・・・・・・」
「へび呼ロイド、どうした?」
「そうね・・・」
「ぴぎゃぴぎゃっ」

「へび、」
「呼ロイドー!」

どこ行った、へび呼ロイド!!



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