「・・・何、まじ泣きしてんのよ」
マツバは、ドン引きだ(笑)
「アヅチ、なかなか泣かないでぇええ!!」
へび呼ロイドは、もらい泣き。
「男が泣くなんて、うけるぅ!!」
「ばかやろ! 涙は男女共通だ!!」
アヅチの涙声にも、シマは爆笑する。
「本当に、もう。海一族の村では魔法も針も使えず、」
・・・・アヅチ、回想2周目。
「東一族の村では、旬の野菜なんちゃらを食べ逃すし、」
「あれは、おいしかったわよ!」
「おぉおおおいい、まだ云うか!」
ほろり。
「それに、アマキとタツキにまじって、活躍を、」
「おっ、ちょっと待って!」
フワは手を上げる。
「そういや、あなたたち、アマキに連れられてきたわよね」
「そうだけど」
マツバは首を傾げる。
「あなたたち、東一族の村では、アマキと一緒に行動してたってこと?」
なぬっ、と、シマも続く。
「何々ぃ? アマキくんは普段、何をやってるの?」
話題が変わった横で、アヅチはまだ、ほろりしている。
「お前ら、俺の話を!」
「「もういいわ!」」
「なっ!!」
アヅチは、・・・涙が止まらない。
けして、薬の効果ではないと云うのに!!
もはや、
フワとシマは、アヅチをアウト・オブ・眼中。
マツバに質問を浴びせる。
「アマキは、どんな魔法を使ってた?」
「家族構成はどうなっているのぉ??」
「いつ、砂漠当番が回ってくるの???」
「好きなものは何ぃ????」
「てか、本名は何だって?????」
「苦手なものは何ぃ??????」
「身体に入ってる刺青みたいなのは何よ?×7」
「役職は何なのぉ?×8」
ははーん
マツバは、何かがつながったように、ピンとくる。
フワとシマ
これだけ、込み入った質問をするとは
もしや
「あんたら、アマキのファンなのね!!?」
・・・・・・違います。
フワとシマは爆笑だ。
「あはは! そうそう! ファンなのよ」
「アマキくんとはお互いねぇ!!」
「アマキとは、行動してたってほどでもないけど」
どーーーん、と、マツバは云う。
「一緒に、飛び出せ小僧を探したぐらいよ!!」
「・・・飛び出せ?」
「小僧・・・??」
えー~~~
何それ~~~~
フワとシマは、さらに爆笑する。
「それって、東一族の、最重要機密なのかしら~」
「さあ? でも、秘密でもない、とも云ってたかしら」
「うけるぅ!!」
「こっちは、その飛び出せに相当踊らされたわよ!!」
うんうん、と、フワはニコニコする。
「あの子は、嘘が上手いからね♪」
フワは、がしっと、檻越しにマツバの手を掴む。
「ねぇ! また東に行ったら」
「さっきの私らの質問、アマキくんに訊いといてねぇ!」
シマが、フワに続く。
「あんたら・・・」
「アマキのファンの気持ち」
「判ってくれるぅ!?」
マツバは、息を吐く。
「判ったわ!!」
マツバさん、利用されています!
「それじゃあ」
フワとシマは、顔を見合わせて頷く。
「これ以上、情報もないみたいだし」
「あの、ふわふわしたのも、いなくなっているし」
「同僚ぉおおお!!」
勝手に脱出。
「この流れは、つまり!!」
まだ、涙していたアヅチが立ち上がり、マツバを見る。
「ええ」
マツバも、アヅチを見て、頷く。
「食べられずに、すみそうね!!」
「食べ!? え、ちょっ、お前それ何の話!?」
慌てふためくアヅチをよそに、マツバは続ける。
「さあ、私を解放しなさい!!」
「判ったわよ~♪」
マツバのセリフが、若干足りないような気もするが、
フワの合図で、シマは鍵を取り出す。
「さ。好きなだけ、観光して行ってね!」
「でも、さっきの質問は忘れないでねぇ!!」
牢の扉が開かれる。
「「久しぶりの外ー!!」」
アヅチとマツバは、よくある旅立ちのポーズをする!
(そういえば、まだ、頭ボーンのままですが)
「ウェルカム、砂一族♪」
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