表記資料が文部科学省ウェブサイトに掲出された。2月18日付。
以下引用する。
【発表文】
公私立の大学の学部・学科の設置、大学院の研究科・専攻の設置及び課程の変更に当たって、学位の種類や分野を変更しない要件に該当すれば、あらかじめ文部科学大臣に届け出ることにより、認可を要せずに設置することができます。
これに該当し、設置届出を受理した大学の学部等(令和3年12月分)については以下のとおりです。
届出内容
令和4年度開設予定の設置届出を受理したもの(令和3年12月分)
〔内容〕
私立大学大学院の研究科の専攻の設置又は課程変更 1校
私立大学大学院の研究科等連係課程実施基本組織の設置 1校
僕が興味を感じたのは二つ目である。
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発表文のとおり 、学位の種類や分野を変更しない要件に該当すれば、認可申請が不要である。でも、「研究科等連携課程実施基本組織」は、勉強不足で初めて見るものなので、資料を読んでみた。
研究科の設置または変更は以下の通り。
麗澤大学大学院(千葉県柏市)
言語教育研究科
日本語教育学専攻(修士課程,募集定員6)
研究科等連係課程実施基本組織の設置は以下の通り。
帝京大学大学院(東京都八王子市)
総合データ応用プログラム(修士課程,募集定員7)
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帝京大学の大学院が設置するのは、既存の学部・研究科等の教育資源を活用して分野横断的な教育課程を編成し、その修了者に学位を授与することが可能な「組織」で、教育課程に基づく学習(学修)成果により学位(本件では「修士」)を授与する。学位の分野、「修士(〇〇)」は何になるのだろう。いろいろ興味がわいた。
同大ウェブサイトを調べてみたところ、2月18日付の「トピックス」に資料が出ていた。
2022年度帝京大学大学院 総合データ応用プログラム
修士課程・学生募集要項の「3.課程について」
本プログラムの修士課程では、データサイエンスの基礎知識とデータを利活用できる実践能力を身につけ、組織経営管理に関わる分野やデータを利活用するさまざまな分野において、データサイエンティストと協働して問題を解決することにより、組織改革、経営戦略立案や新製品、新サービス開拓などに貢献できる高度専門職業人の養成に重点を置いています。このため 2 つの履修コースを設置していますが、学生は入学後速やかに履修するコースを選択します。
『組織経営管理データ・コース』『データ応用基盤・コース』のいずれかのコースを修了した者には「修士(学術)」の学位を授与します。
学位は「学術」なのか。
連係協力研究科として、「医学」「薬学」「経済学」「法学」「文学」「外国語」「理工学」「医療技術学」「保健学」「公衆衛生学」と10大学院の研究科が名を連ねている。帝京大学の大学院研究科は11、そのうち「教職」研究科以外の研究科がこのプログラムにかかわる。
講義科目のうち「データサイエンス特定課題演習」「データサイエンス特定課題研究」以外はオンライン授業である。
「データサイエンス」はここ数年、理系学部学科のなかで、注目されている「情報分野」の一つ。大学レベルでは、学部学科名称にデータサイエンスが入るものも目立ってきている。大学院レベルとして帝京大学のこのプログラムも、どんなものになるか、注目すべきかもしれない。