NASAの火星探査機、Perseverance(パーシビアランス)が火星探査機(ローバー)を、火星に下ろす動画です。
以前「THE MARTIAN」の感想でも書いたことですが、火星の重力加速度は地球の37%、気圧は地球の0.74%です。それを前提に、このビデオを見て下さい。
13秒のところでパラシュートが開きます。映像は火星の大地を背に、火星の大気中で開いたパラシュートです。風、つまり大気を受けて、パラシュートのカサの部分の外側が波打つのが見えます。パラシュートと本体をつなぐサスペンションラインも、ピンとはっています。減速しているのがわかります。地球の気圧の1%にも満たない大気。それでもこれだけ抵抗があるのは、新鮮な驚きです。
34秒のところで本体下部ヒートシールド(耐熱装甲)切り離し。火星地表から9.5km、降下速度は秒速145㍍とアナウンスがあります。エベレスト山よりも高所からの、地表の様子が見えます。
2分50秒まで順調に速度を減速しつつ、火星地表に近づきます。ここでパラシュート部とローバーの切り離し。2台のカメラが双方を撮影、映像がきれいです。スカイクレーンが起動。ローバーが地表に下ろされます。着地寸前に制御用スラスター(かな)が起動、噴射。速度を落とします。地上20㍍から、ゆっくりローバーを着地させます。着地と同時にパラシュート部分は切り離され、ローバーとの接触を避けているのがわかります。
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パラシュート部分から撮影したローバーの映像が、きれいすぎてホンモノらしくないと思えるほどです。CGと言われれば信じるレベルだと感じました。不謹慎かも知れませんが、「カプリコン・1」(Capricorn One,1977年)を思い出しました。
僕は1960年代~’70年代のアメリカのアポロ計画を、ほぼリアルタイムで経験しています。技術進歩は素晴らしいこと、当然です。でも... ここまできれいに撮影できるなんて、想像していませんでした。
ローバー、インジェニュイティから得られる新知識が楽しみです。