イシドール・フィリップ、コルトー、コチャルスキ、ザウアーに学んだブルショルリが1966年に来朝した。その際にはサンサーンスの協奏曲を披露してくれたが、其の時の演奏はCD化されてゐるのだらうか。今宵は、同じ年の8カ月前にハンブルクで行われたコンサートの模様を聴いてゐる。
第一印象は「明るい響きのベートーヴェン」である。ふんわりとした管絃團のバックに支えられてブルショルリは時には強靭なタッチで男性顔負けの演奏を繰り広げるが、洗練された明るさがある。アルペジオや左手の和音伴奏など、軽快さが心地よい。リズム運びや拍節に合わせてアクセントを付けたトリルなど、爽快感を感じる部分もいい。仏蘭西の洋琴家がベートーヴェンを堂々と演奏するのは珍しいことではないが、仏蘭西ピアニズムとても云える洗練された音色と構成を強く感じる演奏だ。
洋琴にマイクが近いのか管絃とのバランスが微妙に気に入らない(特に3楽章のオーボエは聴こえない)が、ブルショルリのタッチがよく聴き取れてこれはこれでいいような気もする。ブルショルリは指揮者を煽るやうに前のめりになって加速することもたびたびである。ハンブルクの聴衆の興奮が伝わってくる素晴らしい演奏だが、独逸らしさ(何をもって其のやうに感じるのか不明だが)を好む方には少し傾向が違うのかも知れない。
盤は、国内DENONによるCD COCO-84275。
第一印象は「明るい響きのベートーヴェン」である。ふんわりとした管絃團のバックに支えられてブルショルリは時には強靭なタッチで男性顔負けの演奏を繰り広げるが、洗練された明るさがある。アルペジオや左手の和音伴奏など、軽快さが心地よい。リズム運びや拍節に合わせてアクセントを付けたトリルなど、爽快感を感じる部分もいい。仏蘭西の洋琴家がベートーヴェンを堂々と演奏するのは珍しいことではないが、仏蘭西ピアニズムとても云える洗練された音色と構成を強く感じる演奏だ。
洋琴にマイクが近いのか管絃とのバランスが微妙に気に入らない(特に3楽章のオーボエは聴こえない)が、ブルショルリのタッチがよく聴き取れてこれはこれでいいような気もする。ブルショルリは指揮者を煽るやうに前のめりになって加速することもたびたびである。ハンブルクの聴衆の興奮が伝わってくる素晴らしい演奏だが、独逸らしさ(何をもって其のやうに感じるのか不明だが)を好む方には少し傾向が違うのかも知れない。
盤は、国内DENONによるCD COCO-84275。