浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

13歳のエリカ・モリーニ サラサーテの「アンダルシアのロマンス」聴き比べ

2007年06月30日 | 提琴弾き
エリカ・モリーニが13歳の1921年、サラサーテの「ロマンス・アンダルーサ」を録音してゐる。洋琴伴奏はアリス・モリーニ。ちなみにモリーニ3人姉妹はみな音楽家になり、ステラも提琴弾きだった。

13歳のモリーニの演奏を聴いてゐる。アリスの伴奏は少々もたもたした感じだが、機械吹込みのせいでそう聴こえるのかも知れない。エリカは13歳なのに、既にモリーニの優雅さは十分聴く事ができる。けだるい大人の雰囲気を持った演奏である。7年後に同じ曲を電気吹込みで入れ直してゐるが、テンポはこの7年間で大きく変化してゐて興味深い。

20歳のときの再録音では、テンポをぐっと速めており、アンダルシアの情熱的な面が印象に残る。洋琴伴奏も軽快で、全く別の曲にも聴こえる。好みは分かれるだらうが、僕は20歳の録音の方が好きだ。

盤は、加奈陀DoremiによるSP復刻CD DHR-7762。


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