浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ヤニナ・ファミリエル=ヘプネルによるショパンのワルツ

2009年11月02日 | 洋琴弾き
ヤニナ・ファミリエル=ヘプネルといふ素敵な洋琴家がゐた。彼女はワルシャワの星として20世紀前半に活躍したが、第2次大戦の犠牲になってしまった。ミハウォフスキの最高のお弟子さんで、2曲のワルツからその素晴らしさは十分に伝わって来る。

ホ短調(遺作)と作品34-3ヘ長調の2曲であるが、ホ短調の冒頭で聴かせてくれる独特の歌は少し時代がかってゐて嬉しい限りだ。しかも豪快な表現も愉しめる。ヘ長調では軽やかなタッチと素晴らしいテンポの揺り動かしを聴くことができる。いずれも天才の解釈だ。

それにしても、ミハウォフスキの弟子達の洋琴演奏はどうしてこうも美しいのだらうか。ファミリエル以外にも、このCDに収められたジュラブレフにしてもヨゼフ・ スミドヴィッツにしても、どれをとってもミファソラシだ。ファミリエルが若いミソラシドで大戦の犠牲になったことが残念でならない。

盤は、波蘭のSeleneによるSP復刻CD CD-s9806.42。


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