浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

クーベリック指揮維納フィルハーモニーによる英雄交響樂

2012年07月06日 | 指揮者
1971年のザルツブルグ音楽祭でのライブ音源を久々に聴いてゐる。このところ、時間に余裕ができ、学生時代にエアチェックしたオープンリールの整理をしてゐるが、いつの間にか40年といふ時間が経ってしまってゐることに恐ろしさを感じてゐる。これから40年先に僕は元気で音樂を愉しむことができるのだらうか?そんなことを考えると、人生なんて本当に短いと実感する。

モーツァルトのジュピター交響樂に続いて演奏されたのが此の英雄交響樂である。今の若い学生さんにとって1971年のザルツブルグ音楽祭の演奏などといふものはどのやうに映るのだらうか。僕が子供の頃にフルトヴェングラーのウラニア盤の英雄交響樂を聴いて夜も眠れなくなったことを思ひ出してゐるが、当時の僕にとっては30年前の大昔の録音だった。僕にとってのフルトヴェングラーの録音のやうな存在なのだらうか。

それにしても、いつの間にそのやうな時間が過ぎ去ってしまったのだらう。ときの経つのは本当に早いものだ。第弐樂章の行進曲が切なく聴こえる。

学生のころには淡泊に感じてゐたクーベリックの演奏だが、今聴いてみると縦の線の曖昧さなど、現代のサバサバした鋭角的な演奏とは一味違ふ重々しさがあり驚く。維納フィルとの1971年8月13日の実況録音。

盤は、私家版CD OR765-55。此の演奏が市販されてゐるかは不明。



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