最近、脚光を浴びてゐるタシュナーとグルートのデュエットによるフランクの提琴奏鳴曲を入手した。以前から聴きたかった演奏だ。冒頭部分から今までに聴いたことのない表現がいきなり飛び込んできた。
遠慮がちな洋琴伴奏に乗って愛らしいフランクの登場だ。グルートの洋琴も個性的で、速いパッセージをマルカートでグールドのやうに弾く。タシュナーは前回のブラームス同様、線の細い印象も持つが、表現の幅は大変大きい。非常にゆっくりとした第3楽章などを聴いてゐるとフルトヴェングラーの指揮の下で演奏してゐるのではないかといふ妄想が広がる。この演奏は1943年2月のオデオンへの録音であるからタシュナーは若干20歳での正規レコーディングといふことになる。
オデオンのSP盤の状態があまりよろしくない。提琴の音は高域で歪み、とても一般の鑑賞に堪え得るものではないが、この演奏の持つ一種の熱気のやうなものが伝わってきて、音質の悪さはさほど問題にならない。先のソリアーノのフォーレとは大きな違いだ。
盤は、独逸Archiphonによる復刻CD ARC128。
遠慮がちな洋琴伴奏に乗って愛らしいフランクの登場だ。グルートの洋琴も個性的で、速いパッセージをマルカートでグールドのやうに弾く。タシュナーは前回のブラームス同様、線の細い印象も持つが、表現の幅は大変大きい。非常にゆっくりとした第3楽章などを聴いてゐるとフルトヴェングラーの指揮の下で演奏してゐるのではないかといふ妄想が広がる。この演奏は1943年2月のオデオンへの録音であるからタシュナーは若干20歳での正規レコーディングといふことになる。
オデオンのSP盤の状態があまりよろしくない。提琴の音は高域で歪み、とても一般の鑑賞に堪え得るものではないが、この演奏の持つ一種の熱気のやうなものが伝わってきて、音質の悪さはさほど問題にならない。先のソリアーノのフォーレとは大きな違いだ。
盤は、独逸Archiphonによる復刻CD ARC128。