浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

クーセヴィツキのグリーグ「最後の春」

2007年06月23日 | 指揮者
黄金期を築きつつあるボストン響の1940年3月20日、ボストン、シンフォニーホールでの録音で、グリーグの名旋律を聴いてゐる。指揮はクーセヴィツキだ。

悲しき旋律から「最後の春」を弦楽合奏用に編曲したものを演奏してゐるが、クーセヴィツキ自身が名コントラバス奏者であることから、弦楽の歌わせ方は他の追随を許さない。

クーセヴィツキのコントラバス独奏では、ポルタメントをたっぷりとかけた時代がかった浪漫的な演奏を聴くことができるが、タクトをとるとそういった面影は消え、どちらかと言ふと淡々と音楽づくりをする。たっぷりと絃を鳴らせた後のスビートピアノやぐいぐいと突き進むアクセントなど、手兵ボストン響との自信に満ちた音楽づくりを堪能することができる。

香港Naxosのマーク・オバート=ソーンやマーストンによるリマスタリングは流石に素晴らしい。先ほど聴いた国内のどこやらの素人復刻の半額で入手できる。

盤は、香港NaxosによるSP復刻CD 8.110168。


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