4月末に『制服の芽』CDを購入して、かなり聴き込んだ。
名古屋の公演はまだ見たことがなく、純粋に「音」だけで鑑賞している。
アイドルのアルバムを聴くとは、通常そういうものだ。特に地方在住なら。劇場公演を見て、それと同じものを(後から発売される)CDで聴くというのは、特殊な鑑賞方法であることに気づく。
私自身は、公演鑑賞は1か月か2か月に1回位の特別な贅沢でいいと考えているが、そのかわりCDはできるだけ早く発売してほしい。『RESET』や『シアターの女神』を、通勤中に聴きたい。
それから、版権の都合があるようだが、『パジャマドライブ』や、ひまわり組公演など、CD未発売の過去のセットリストも、改めて、CD発売を望む。
さて、『制服の芽』CDの感想だが、曲調も声も歌い方も若々しい。
それから、学校(もしくは塾)を歌った歌詞が多いような印象を受けた。
早速検証してみる。
『制服の芽』収録曲16曲(overture除く)のうち、学校(もしくは塾)が出てくる曲は5曲。
『恋を語る詩人になれなくて』『合格キッス』『制服の芽』『万華鏡』『水のないプール』。
(例えば『Doubt!』も、卒業して上京する幼なじみの歌と推察されるが、明示的に学校が出てこないのでカウントしていない。)
『手をつなぎながら』で数えてみると、6曲あった。
『手をつなぎながら』『チャイムはラブソング』『glory days』『ウィンブルドンに連れてって』『チョコの行方』『恋の傾向と対策』。
比較するために、AKBのセットリストも。
チームA『恋愛禁止条例』は4曲。
『JK眠り姫』『君に会うたび恋をする』『恋愛禁止条例』『あの頃のスニーカー』。
チームK『逆上がり』は3曲。
『逆上がり』『否定のレクイエム』『その汗は嘘をつかない』。
チームB『アイドルの夜明け』は4曲。
『春一番が吹く頃』『片思いの対角線』『女子高生はやめられない』『タンポポの決心』。
SKEの歌詞は「学園ソング比率」が高いことが実証できた。若いメンバーが多いので、当然と言えば当然か。
特筆すべきなのは、塾を歌った曲が2曲もあること。『恋の傾向と対策』と『合格キッス』だ。
『恋の傾向と対策』で出会った彼は、全国模試で3位の秀才。野暮ったい格好で、恋愛には興味なさそうだが、よく見ると格好いい。何とか近づけないかという、古典的なテーマを歌う。
そして、二人はめでたく付き合い出して、1年経過した時の歌が『合格キッス』とみた。
優秀だった彼は、今ではすっかり彼女の虜。成績も平凡になり、逆に彼女から「受験が近いのだから、恋は我慢しましょう」と釘を刺される始末。
そんなストーリーを妄想し、ニヤニヤしてしまった。
『恋を語る詩人になれなくて』は、歌詞もよくわからなかった去年、記事で論じたことがある。
「ときめきはときめきのまま とにかく離れられない」と思っていたが、実は、
「ときめきはときめきのまま 野に咲く花であればいい」だったのだ。
似ているがだいぶ違う。
ときめきを言葉で表現することなど不可能。野に咲く花のように、ただ見つめていればいいという歌詞。それはその通りと思う。一瞬で消えてしまう儚い感情を、無力な言葉ですくい取ることは至難の業だ。
しかし作詞家自身、無理だと言いながら、その無理なことに挑むために詞を書いているのではないか。
難しくてほとんど不可能、でも表現したい。この詞はそんな矛盾した心情を歌っているのだ。
ところでこの曲の舞台はどこで、視点はどこにあるのだろうか。
具体的に描写されるのは校庭の楡の木陰。それをそっと見守るのは、同級生ではなく、若い教師だと妄想した。一方で、観念的には『君のことが好きだから』などと同様、ファン視点でメンバーを見守る(応援する)歌として聴くこともできる。
そして更にもう一つ、表現者(作詞家)の矛盾した心情を歌った歌でもあるのだ。
タイトル曲の『制服の芽』は、「春」という単語こそ入らないが、『春一番』(キャンデーズ)を起源とする「春が来るだけでウキウキする歌」コレクションに入れるべき歌だ。
「重いコート」「つくし」という、『春一番』からのキーワードもしっかり使用している。
『Doubt!』は、素直に気持ちを伝えられないもどかしさを歌った名曲。麻田華子の『Doubt!』を意識していることは、以前の記事にも書いた。
この曲は、歌詞が早口で聴き取れない箇所が多いのが玉に疵だ。
「『悲しませたくなかった』ぼそっとつぶやかれても 薄っぺらなやさしさに私は傷ついた」
とても切ない歌詞で感動するが、『悲しませたくなかった』の部分は、何回聴いても聴き取れず、歌詞カードを見てようやく納得した。
歌詞が聴き取れないのは、聴き手の耳のせいや、発声が悪い歌い手のせいのこともあるが、ここの所だけは、明らかに歌詞の乗せ方に無理がある。
それから、これは注文だが、歌詞カードの文字が小さく、中高年のファンにとっては厳しすぎる。
一方、メンバー一人ひとりのアップの顔写真が1ページずつ載っているのは、まだW松井しか瞬間判別できないSKEビギナーにとって親切である。
名古屋の公演はまだ見たことがなく、純粋に「音」だけで鑑賞している。
アイドルのアルバムを聴くとは、通常そういうものだ。特に地方在住なら。劇場公演を見て、それと同じものを(後から発売される)CDで聴くというのは、特殊な鑑賞方法であることに気づく。
私自身は、公演鑑賞は1か月か2か月に1回位の特別な贅沢でいいと考えているが、そのかわりCDはできるだけ早く発売してほしい。『RESET』や『シアターの女神』を、通勤中に聴きたい。
それから、版権の都合があるようだが、『パジャマドライブ』や、ひまわり組公演など、CD未発売の過去のセットリストも、改めて、CD発売を望む。
さて、『制服の芽』CDの感想だが、曲調も声も歌い方も若々しい。
それから、学校(もしくは塾)を歌った歌詞が多いような印象を受けた。
早速検証してみる。
『制服の芽』収録曲16曲(overture除く)のうち、学校(もしくは塾)が出てくる曲は5曲。
『恋を語る詩人になれなくて』『合格キッス』『制服の芽』『万華鏡』『水のないプール』。
(例えば『Doubt!』も、卒業して上京する幼なじみの歌と推察されるが、明示的に学校が出てこないのでカウントしていない。)
『手をつなぎながら』で数えてみると、6曲あった。
『手をつなぎながら』『チャイムはラブソング』『glory days』『ウィンブルドンに連れてって』『チョコの行方』『恋の傾向と対策』。
比較するために、AKBのセットリストも。
チームA『恋愛禁止条例』は4曲。
『JK眠り姫』『君に会うたび恋をする』『恋愛禁止条例』『あの頃のスニーカー』。
チームK『逆上がり』は3曲。
『逆上がり』『否定のレクイエム』『その汗は嘘をつかない』。
チームB『アイドルの夜明け』は4曲。
『春一番が吹く頃』『片思いの対角線』『女子高生はやめられない』『タンポポの決心』。
SKEの歌詞は「学園ソング比率」が高いことが実証できた。若いメンバーが多いので、当然と言えば当然か。
特筆すべきなのは、塾を歌った曲が2曲もあること。『恋の傾向と対策』と『合格キッス』だ。
『恋の傾向と対策』で出会った彼は、全国模試で3位の秀才。野暮ったい格好で、恋愛には興味なさそうだが、よく見ると格好いい。何とか近づけないかという、古典的なテーマを歌う。
そして、二人はめでたく付き合い出して、1年経過した時の歌が『合格キッス』とみた。
優秀だった彼は、今ではすっかり彼女の虜。成績も平凡になり、逆に彼女から「受験が近いのだから、恋は我慢しましょう」と釘を刺される始末。
そんなストーリーを妄想し、ニヤニヤしてしまった。
『恋を語る詩人になれなくて』は、歌詞もよくわからなかった去年、記事で論じたことがある。
「ときめきはときめきのまま とにかく離れられない」と思っていたが、実は、
「ときめきはときめきのまま 野に咲く花であればいい」だったのだ。
似ているがだいぶ違う。
ときめきを言葉で表現することなど不可能。野に咲く花のように、ただ見つめていればいいという歌詞。それはその通りと思う。一瞬で消えてしまう儚い感情を、無力な言葉ですくい取ることは至難の業だ。
しかし作詞家自身、無理だと言いながら、その無理なことに挑むために詞を書いているのではないか。
難しくてほとんど不可能、でも表現したい。この詞はそんな矛盾した心情を歌っているのだ。
ところでこの曲の舞台はどこで、視点はどこにあるのだろうか。
具体的に描写されるのは校庭の楡の木陰。それをそっと見守るのは、同級生ではなく、若い教師だと妄想した。一方で、観念的には『君のことが好きだから』などと同様、ファン視点でメンバーを見守る(応援する)歌として聴くこともできる。
そして更にもう一つ、表現者(作詞家)の矛盾した心情を歌った歌でもあるのだ。
タイトル曲の『制服の芽』は、「春」という単語こそ入らないが、『春一番』(キャンデーズ)を起源とする「春が来るだけでウキウキする歌」コレクションに入れるべき歌だ。
「重いコート」「つくし」という、『春一番』からのキーワードもしっかり使用している。
『Doubt!』は、素直に気持ちを伝えられないもどかしさを歌った名曲。麻田華子の『Doubt!』を意識していることは、以前の記事にも書いた。
この曲は、歌詞が早口で聴き取れない箇所が多いのが玉に疵だ。
「『悲しませたくなかった』ぼそっとつぶやかれても 薄っぺらなやさしさに私は傷ついた」
とても切ない歌詞で感動するが、『悲しませたくなかった』の部分は、何回聴いても聴き取れず、歌詞カードを見てようやく納得した。
歌詞が聴き取れないのは、聴き手の耳のせいや、発声が悪い歌い手のせいのこともあるが、ここの所だけは、明らかに歌詞の乗せ方に無理がある。
それから、これは注文だが、歌詞カードの文字が小さく、中高年のファンにとっては厳しすぎる。
一方、メンバー一人ひとりのアップの顔写真が1ページずつ載っているのは、まだW松井しか瞬間判別できないSKEビギナーにとって親切である。