6/10は選抜総選挙速報として、朝の情報バラエティ番組が一斉にその様子を報じていました。いくつかチェックしていたので、その概要(というか実態)を以下に記します。
AKBと親和性の高い日テレの「PON!」では概して好意的な報道がなされたものの、最後に司会者から感想を求められた曜日レギュラーの神戸蘭子はこう言い放ちました。「アタシ、絶対こんな中には入りたくない! 競争なんてしたくない!」
フジテレビの「めざにゅ~」では、各キャスターが「皆さん素晴らしいんですけどねぇ・・・」と、競争に晒されてお気の毒さま感がたっぷり込められた感想を漏らしていました。
「めざましテレビ」では軽部キャスターが「投票数は去年は5万、今年は33万。この数字こそが今のAKB人気を物語っているのでしょう」と、自身の感想を避けたコメントで締めました。軽部氏はプラス評価なら積極的に自分の感想を言う人です。でもフジの管理職なのでマイナスな発言はしづらい立場でもあります。その点、フリーの大塚キャスターは感じたことをズバズバ言っていました。「同じグループ内でこうやってランクづけをするなんてねぇ」「みんな辛いだろうに」「この後、融和してやっていくのはなかなか難しいんじゃないかなぁ」「過酷なイベント、亀裂が残らないのか」「自分だったらとても耐えられない」等々、言いたい放題でした。そう言えば軽部氏も「今がまさに人気のピーク!」と言っていました。何だか含みのある言い方でした。
「とくダネ!」では「もし自分達キャスターの間でランクづけなんてしたら大問題になる。でもそれをAKBはやったのです!」というセンセーショナルな口上から始まりました。メインキャスターの小倉氏だけは概して好意的なコメントが多かったのですが、最後は門外漢のコメンテーター(経済ジャーナリスト)に感想を振って、「AKBがこういう事をやっていたなんて初めて知りました」という、どうでもいいコメントで終わらせました。同じくコメンテーターとして同席していた眞鍋かをりには一切話題を振りませんでした。(眞鍋は何かとんでもないことを言いそうだと思って、小倉氏は敢えて彼女には振らなかったのでしょう。)
確かに今回の選抜総選挙は世間の注目を集めてきたけれど、フタを開けてみての思わぬ結果に一瞬凍りついた会場の様子や、結果を受けて発言する前田敦子の痛々しさ。その他諸々を総合して一般の人々が何を感じたのか。その答がこれら情報バラエティ番組のコメントに集約されているのだと感じました。
実は私も初回総選挙の時から同じことを感じ、「総選挙なんてくだらない」と思っていました。でもまあ、盛り上がっている人達に水を注してもしょうがないので、静観していました。
今回は社会現象と言われるまでに注目されたので、私も言わせていただきます。私のようにAKB好きでいながら総選挙に批判的な人は必ずいる。会場や中継映画館に集った人だけがAKBファンの全てではない。運営側はそのへんを見誤らないようにしていただきたいものです。
情報バラエティ番組で聞かれた少数の好意的コメントも、そのほとんどは「新しい」「今までにない」という観念的なもので、冷静に考えれば、そこに大した中味はない。そもそも、絶頂人気のAKBを敢えて今ここで批判するマスコミはいないでしょう。それよりも、ブームに乗っかり視聴者を巻き込んで一緒に騒いでいた方がマスコミも美味しいはず。そう考えるなら、それでも聞こえてくる微妙なコメントの数々は、実は大衆は今回のイベントを相当冷ややかに見ているのだと受け取るべきです。
私の場合、総選挙が嫌い、というよりも、何かにつけ競争させ対決させ序列をつけたがる今のAKBの運営方法そのものに嫌悪感を持っています。(各々の手法の中には問題点もある、などではなく、こういうことをやること自体への嫌悪感です。) 例えばセットリストベスト100もくだらない。メンバー各人に、楽曲各々に、序列をつける積極的意味を私は感じません。自分の推しメンは、自分の好きな楽曲は、自分にとってかけがえのない大切なもの。オリコンみたいな何処かの外部組織がするならともかく、運営自らがそれを相対化し序列をつけファンの前に晒す行為には怒りすら覚えます。そもそも、世界を見渡しても自らの手でメンバー間に序列をつけたり楽曲間に序列をつけたりするような馬鹿げた行為を行なう音楽グループは他に存在しない。これは前代未聞の珍事です。運営側はメンバーを、そしてファンを、こんな騒ぎに巻き込み不安に陥れて、何が楽しいのか。
メンバーは各々一生懸命頑張っているだけなのに、運営側はやたらと戦いのテーブルを用意しては競争・対決へ巻き込もうとする。そうやって競争させられ序列をつけられる彼女達が不憫でならないし、観る側だって心穏やかではいられない。世の中至るところ競争だらけなのだから、せめてアイドルを観る時ぐらい、いつだって安らいだ気持ちでいたい。
先日、まだ選抜総選挙の中間発表段階でのこと。やはりテレビのバラエティ番組でAKB総選挙の大特集をやっていて、そこでは上位メンバー・下位メンバーという表現が当たり前に使われていました。アイドルグループを語る上で、こんな言葉が中心概念として使われるなんて、とても悲しいことだと思いませんか。
番組では「こんなに人気に差が出ると、人気の無い子なんて辞めさせられたりしないの?」と前田敦子が質問され、笑顔でこう答えました。「辞めさせられるなんてこと、ありませんよー。」
それでもさらに食い下がる質問者に困った表情で答えた一言がこれ。
「その時は・・・、自分で辞めていくみたいです。」
この回答は私を打ちのめしました。まさにアイドル残酷物語です。
AKB運営陣はもっと違うAKBの見せ方を考えるべきだ。仲間内で誰が勝った誰が負けたなんていい加減止めてほしい。同じグループなんだから、みんなでひとつのAKB。みんなが同じ笑顔で輝いているAKBの方がもっとずっと素敵なはず。そんな笑顔に、きっと誰もが本当に癒される。そしたら私も今よりずっとAKBが好きになる。今のAKBは、観ていてつらい。
ししまる
AKBと親和性の高い日テレの「PON!」では概して好意的な報道がなされたものの、最後に司会者から感想を求められた曜日レギュラーの神戸蘭子はこう言い放ちました。「アタシ、絶対こんな中には入りたくない! 競争なんてしたくない!」
フジテレビの「めざにゅ~」では、各キャスターが「皆さん素晴らしいんですけどねぇ・・・」と、競争に晒されてお気の毒さま感がたっぷり込められた感想を漏らしていました。
「めざましテレビ」では軽部キャスターが「投票数は去年は5万、今年は33万。この数字こそが今のAKB人気を物語っているのでしょう」と、自身の感想を避けたコメントで締めました。軽部氏はプラス評価なら積極的に自分の感想を言う人です。でもフジの管理職なのでマイナスな発言はしづらい立場でもあります。その点、フリーの大塚キャスターは感じたことをズバズバ言っていました。「同じグループ内でこうやってランクづけをするなんてねぇ」「みんな辛いだろうに」「この後、融和してやっていくのはなかなか難しいんじゃないかなぁ」「過酷なイベント、亀裂が残らないのか」「自分だったらとても耐えられない」等々、言いたい放題でした。そう言えば軽部氏も「今がまさに人気のピーク!」と言っていました。何だか含みのある言い方でした。
「とくダネ!」では「もし自分達キャスターの間でランクづけなんてしたら大問題になる。でもそれをAKBはやったのです!」というセンセーショナルな口上から始まりました。メインキャスターの小倉氏だけは概して好意的なコメントが多かったのですが、最後は門外漢のコメンテーター(経済ジャーナリスト)に感想を振って、「AKBがこういう事をやっていたなんて初めて知りました」という、どうでもいいコメントで終わらせました。同じくコメンテーターとして同席していた眞鍋かをりには一切話題を振りませんでした。(眞鍋は何かとんでもないことを言いそうだと思って、小倉氏は敢えて彼女には振らなかったのでしょう。)
確かに今回の選抜総選挙は世間の注目を集めてきたけれど、フタを開けてみての思わぬ結果に一瞬凍りついた会場の様子や、結果を受けて発言する前田敦子の痛々しさ。その他諸々を総合して一般の人々が何を感じたのか。その答がこれら情報バラエティ番組のコメントに集約されているのだと感じました。
実は私も初回総選挙の時から同じことを感じ、「総選挙なんてくだらない」と思っていました。でもまあ、盛り上がっている人達に水を注してもしょうがないので、静観していました。
今回は社会現象と言われるまでに注目されたので、私も言わせていただきます。私のようにAKB好きでいながら総選挙に批判的な人は必ずいる。会場や中継映画館に集った人だけがAKBファンの全てではない。運営側はそのへんを見誤らないようにしていただきたいものです。
情報バラエティ番組で聞かれた少数の好意的コメントも、そのほとんどは「新しい」「今までにない」という観念的なもので、冷静に考えれば、そこに大した中味はない。そもそも、絶頂人気のAKBを敢えて今ここで批判するマスコミはいないでしょう。それよりも、ブームに乗っかり視聴者を巻き込んで一緒に騒いでいた方がマスコミも美味しいはず。そう考えるなら、それでも聞こえてくる微妙なコメントの数々は、実は大衆は今回のイベントを相当冷ややかに見ているのだと受け取るべきです。
私の場合、総選挙が嫌い、というよりも、何かにつけ競争させ対決させ序列をつけたがる今のAKBの運営方法そのものに嫌悪感を持っています。(各々の手法の中には問題点もある、などではなく、こういうことをやること自体への嫌悪感です。) 例えばセットリストベスト100もくだらない。メンバー各人に、楽曲各々に、序列をつける積極的意味を私は感じません。自分の推しメンは、自分の好きな楽曲は、自分にとってかけがえのない大切なもの。オリコンみたいな何処かの外部組織がするならともかく、運営自らがそれを相対化し序列をつけファンの前に晒す行為には怒りすら覚えます。そもそも、世界を見渡しても自らの手でメンバー間に序列をつけたり楽曲間に序列をつけたりするような馬鹿げた行為を行なう音楽グループは他に存在しない。これは前代未聞の珍事です。運営側はメンバーを、そしてファンを、こんな騒ぎに巻き込み不安に陥れて、何が楽しいのか。
メンバーは各々一生懸命頑張っているだけなのに、運営側はやたらと戦いのテーブルを用意しては競争・対決へ巻き込もうとする。そうやって競争させられ序列をつけられる彼女達が不憫でならないし、観る側だって心穏やかではいられない。世の中至るところ競争だらけなのだから、せめてアイドルを観る時ぐらい、いつだって安らいだ気持ちでいたい。
先日、まだ選抜総選挙の中間発表段階でのこと。やはりテレビのバラエティ番組でAKB総選挙の大特集をやっていて、そこでは上位メンバー・下位メンバーという表現が当たり前に使われていました。アイドルグループを語る上で、こんな言葉が中心概念として使われるなんて、とても悲しいことだと思いませんか。
番組では「こんなに人気に差が出ると、人気の無い子なんて辞めさせられたりしないの?」と前田敦子が質問され、笑顔でこう答えました。「辞めさせられるなんてこと、ありませんよー。」
それでもさらに食い下がる質問者に困った表情で答えた一言がこれ。
「その時は・・・、自分で辞めていくみたいです。」
この回答は私を打ちのめしました。まさにアイドル残酷物語です。
AKB運営陣はもっと違うAKBの見せ方を考えるべきだ。仲間内で誰が勝った誰が負けたなんていい加減止めてほしい。同じグループなんだから、みんなでひとつのAKB。みんなが同じ笑顔で輝いているAKBの方がもっとずっと素敵なはず。そんな笑顔に、きっと誰もが本当に癒される。そしたら私も今よりずっとAKBが好きになる。今のAKBは、観ていてつらい。
ししまる