
乙訓地域では8月、最高気温が35度を超える日が19日間連続し、高齢者を中心に熱中症で病院に搬送される人が相次いだ。一方で、水遊びができる施設は家族連れでにぎわい、福祉施設などが設けたクールスポットでは高齢者らが交流を楽しんだ。涼を求めた催しも各地で繰り広げられた。
乙訓消防組合が本部のある長岡京市で計測している気象データによると、8月4日から22日まで最高気温が35度を超える猛暑日が続いた。11日午後2時43分には、今季最高となる39度を記録した。
最高湿度は65・4%だった1日を除いて74・4~94・1%で推移しており、気温に加えて蒸し暑さも加わった。
同消防組合によると、88人が熱中症の疑いで病院搬送され、そのうち昨年8月と比べて10人増の33人が医師に熱中症と判断された。
年齢別では65歳以上の高齢者が18人と大半を占め、18~64歳が9人、7~17歳が6人だった。場所は屋内14人と屋外19人で、発症の時間は気温が最も高くなる正午~午後6時に19人と集中した。
症状別では、短期の入院が必要な中等症者が12、軽症者は21人だった。死亡者や3週間以上の入院を要する重症者はなかった。
向日市鶏冠井町の市民温水プールは、1万4327人が来場した。7月も1万7092人が訪れており、いずれも昨年を上回る盛況ぶりだった。
長岡京市長法寺の西山公園内にある「ジャブジャブ池」やJR長岡京駅前のバンビオ広場公園の噴水では、子どもたちが元気に水遊びする姿が見られた。西山公園を管理する市緑の協会の担当者は「年々、訪れる人は増えているが、今年も暑かったので多かった。土日は駐車場もいっぱいだった」と振り返る。
特別養護老人ホームなど高齢者施設では、京都府の呼び掛けに応じて「涼やかスポット」として地域にスペースを開放した。くつろげるスペースや喫茶コーナーを設けたり、ゲームや映画鑑賞などを催し、熱中症対策だけではなく交流の場にもなっていた。
向日市向日町の向日神社では3日、流しそうめんを中心とした催しがあった。本殿から参道にかけて75メートルと15メートルの竹製の樋(とい)から流れるそうめんを約600人が味わった。大山崎町大山崎の観音寺では、かき氷を振る舞う「氷接待」が16日に開かれ、参拝者が冷たいかき氷で涼をとった。
【 2013年09月07日 09時13分 】