梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

禊月稽古場便り・4

2009年03月01日 | 芝居
『仙石屋敷』の<初日通り舞台稽古>。

昨日の脳内シュミレーションがどこまで功を奏したかは別としても、この幕では裏方に徹する身として、まずは大過なく仕事を勤め上げられ安心しました。
経験のない芝居の舞台稽古ほど、不安になり、バタバタするものはありません。思わぬところで、稽古場では気がつかなかった用事があったりするものです。その場でどれだけ迅速に対応できるか。これも弟子の立場といたしましては、勉強せねばならないことかと存じます(一にも二にも経験、経験!)。

この後、『最後の大評定』『南部坂雪の別れ』『大石最後の一日』と舞台稽古が続きましたが、私の今日の仕事は『仙石屋敷』でおしまい。
昼過ぎには楽屋を出ました。せっかくなので、泉岳寺にお参りに行こうかとも思ったのですが、内匠頭を押しとどめて、吉良への意趣を晴らさぬままにしてしまった立場のお役を頂いておりますので、泉下で「おのれ憎き坊主」と思し召されるのも畏れ多く、ご遠慮申し上げました。

さあ、歌舞伎座では約20年ぶりの『通し狂言 元禄忠臣蔵』6部11幕、いよいよ始まります!
皆様のご来場を、心よりお待ち申し上げます。