梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

さて問題です

2006年07月08日 | 芝居
今日の昼の部をご観劇の学生さん、とっても熱心に観てくれました。役者の登場のたびごとに大きな拍手、おかしみの台詞には素直に笑って下さいました。素敵にダイレクトな反応を下さり、嬉しかったです!

今日の公演で計十二回の上演です。歌舞伎座は昨日初日があいたばかりだというのに…。普段の公演なら、折り返し地点なハズなんですが、こと今月に限っては、まだまだ序盤戦。あと三十四回残ってます。それだけ数をこなせるわけですから、自分が勤めるお役も、どんどん向上してゆかねばならないのですが、まだ無我夢中の段階です。それでも初日に比べれば、落ち着いてきたかなとも思います。先輩方のダメだしやアドバイスを消化しながら、一日二回の舞台を勤める。ぎゅっと詰まった濃い時間を過ごさせていただいております。

そろそろ小道具や舞台面など、写真入りでご紹介しようと思っていたのですが、デジカメを家に忘れてしまいなんとも残念です。そこで今日は私からクイズを出題いたします。もちろん『毛谷村』の舞台から…。
このお芝居の中盤、それまで敵だと思っていた六助が、自分の許嫁だということがわかったお園は、それまでの武道家ぶりをうって捨て、急にしおらしくなり、女房気取りでかまどの火をくべ飯炊きにとりかかりますが、慌てたものですから肝心のお釜は空っぽ、空焚きになってしまいます。それに気がついた六助は「アチ、アチ」と難儀をしながら釜を持ち上げ、舞台上手の手水鉢に浸けて熱を冷まします。

この場面で、六助が持ち上げたお釜の底は、熱をもっていることをあらわすため、赤く塗られているのですが、後になって、手水鉢から取り出したときは、その赤がなくなり、普通の黒色の釜底に戻っているのです。
さあこの釜底の変化、どのような仕掛けになっているのでしょうか? 演技の中で自然に行える、ごく単純なものなのですが…???

解答は、写真入りで、後日改めて…!