「太陽にほえろ!」当直室 仮設日誌 PART2

6年半ご愛顧いただいた『太陽にほえろ!当直室』(since2002年5月)復活ブログ、引っ越しました。(2014年7月)

魅力的な上司、求む。

2011-06-28 19:58:51 | 「けぶの妄想」
『ハンチョウ4』の最終回を観て、
やっぱり観入ってしまいました。

うん、さすがにかつて太陽に関わっていた方々が携わっているだけあります。

あとは、役者さんがいかに緩さを上手に出すかだよな・・・。

多分、村雨は山さん、須田は長さん、水野はゴリさんを遠く継承しているような感じがします。
もうちょっと個人プレイしても良いような気がします、良い意味で。

ただ惜しいのが田山さん演じる金子課長。
原作があるのであまり変えられないとは思いますが、もっとカッコイイ所があっても良いと思います。
緩さを殆ど金子課長に委託している感じなのがちょっと残念です。

正直、最近の刑事モノの殆どが小役人的上司になっているのは、ちょっと残念ですね。
だからBOSSは結構受け入れられた感じがします。
(まあ、緩すぎかもしれませんが。。。)

昔はそんなに居なかったんですよね。
どんと任せなさいみたいな方々が多かった。
それをベースに余裕の緩さを見せていたというか。

七曲署の西山署長にしても、たしかにステレオタイプの上司でありながら、シメるところは締めるし、癖もありました。

石原プロ製作の課長や係長もステレオタイプが多いですが、やっぱり癖がありました。

港署の近藤課長は昔と今の「課長」の在り方のバランス的に言えば、一番良いかもしれません。
「大バカ者!!!!」と云われても、悪い気はしませんしね(^_^;)
尊敬できるし、マル暴出身だし。
中条さんは芸達者だったから・・・。

田山さんも芸に関しては達者な方だと思うので、もし続編があるのであれば、その辺りも期待したいなぁ・・・と。

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七曲署 刑事課 捜査一係 の 特殊性

2011-05-24 23:14:27 | 「けぶの妄想」
ちょっと妄想話を(^_^;)

七曲署・刑事課・捜査一係

って何だろう・・・と今更(^_^;)

一般的に所轄の係長職は警部補が勤めるのに、ボスが警部(但しジーパン編の#77、#86では警部補)。
これは、以前『七人の刑事』の赤城係長が警部だったということに端を発する説を書きました。
(『特別機動捜査隊』の西本係長も警部)

山さんは警部から警部補に降格。
スコッチは欠勤届の自ら警部補と書いたりしている・・・。

一般的でリアルな観点からするとあり得ない(^_^;)

さらに、ゴリさんや殿下は神奈川県警からの転入で、
以前の係長の小谷警部は「栄転」して故郷の鹿児島県警に居る。

益々ややこやしい。。。

更に、殺気をもって銃の引き金を引こうとした宗吉は辞職、汚職刑事の汚名を着せられて辞職した刑事もいる。

女性刑事の誕生(シンコ)は署長のツルの一声だし、人事異動も殉職がきっかけの場合がほとんど。

まあ・・・挙げりゃキリがないので止めますが。


そもそもボスやゴリさんも本庁に勤めていた形跡もあり、ダメ刑事の吹き溜まりという所は無い・・・というよりはわざわざ他の県警からの人事交流と思われる人材をなぜ所轄署でヘビの生殺しのように扱うのか・・・。

元々、小谷警部の時代から・・・七曲署の捜査一係はへそ曲がりというか変わり者というか、自己の信念の忠実な刑事の受け皿として機能していたのでは・・・と。

ボスにしても、本来はもっと出世すべき人なのに、エリートコースから外されている感じで、完璧に一係にベッタリの感じ。普通部下が殉職したら上司にも影響があるわけですが、逆に言うと本庁はその方が都合がよかったのかもしれません。

山さんにせよゴリさんにせよ自己の信念が警察組織の範疇から逸脱していますし。

殿下にしても本来の能力を他署で発揮できず誤解されて七曲署に移ってきたのでは。

マカロニにしてもジーパンにしても、他の上司では手に余るでしょうし・・・とは言いつつも、別に悪いことやった訳ではないので左遷するわけにもいかないでしょうし・・。

ジーパン編後期から本庁からの特別任務を度々受けるようになった藤堂一家は本庁では都合のいい「機動隊」だったとも言えます。
責任はボスが被るわけですから・・・(^_^;)

ただ、ボスにしても恐らく本庁に強力な支援者が居たからこそ、あのガンジガラメの組織の中で比較的自由に活躍出来たのだと思いますが。

そういうことを妄想すると、スコッチの欠勤届はちょっと現実味を帯びてきます。

そもそもスコッチはキャリアという妄想を前提として、所轄修業中に「倉田殉職事件」に遭遇。
ボスが引き取らなければ免職だったわけで。

そもそもスコッチは警部補まで登り詰めていて、結局は「免職」か「降格」かという危険水域まで到達していたと。
変な話、免職寸前の刑事がそのまま警察組織に残れるわけがないですからね。
しかし、巡査まで降格というのはまあ、凄い仕打ちです。
スコッチ本人は捜査を全うしただけなので、免職どころか降格だって受け入れないでしょうから、降格前の「警部補」という階級を敢えて書いたんだと思いますが・・・。

スコッチの件を皮切りに、ボスの変な奴を拾ってくる癖が始まります(^_^;)
ロッキーにしても拳銃恐怖症だし、スニは単独行動は結構へっちゃらだし、ドックは本庁から手をあげて一係を志願するし、ラガーは前署の元署長の「特に抜擢」で若くして刑事になって結局その署長が居なくなったことで弾かれた感じですし。

優秀だけど訳ありな人材をいかに生かすか・・・これが七曲署の捜査一係に課せられた使命だったのかもしれません。

なので、ボスの後を受けた篁係長は相当な器だったのでは・・・というよりは、あまりにも優秀すぎたのかもしれません。

このボスの設定は、『西部警察』の木暮警視(課長)にも伝染します。
本来、所轄課長は警部ですから・・・。


ところで、七曲署の刑事課長は誰だ?ということになりますが・・・。

初期は署長と共に何人か制服組がいましたが、その中に居るような・・・。
ただ、シリーズ通じて殆ど署長の下がすぐボスという感じなんですよね。
記者会見でもそのような感じですし・・・マカロニ編で「七曲署・部長」という人物が居ましたが。

ただ、1回だけ刑事課長の存在を匂わすシーンが。

#66「美しき白骨美人」にて
ゴリさんが記者たちに「詳しい報告は課長からあるから!」というセリフ。

確かこれだけだと思います。

幽霊課長・・・・

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或る謎

2011-02-11 23:00:20 | 「けぶの妄想」
今年に入ってアフターファイブが色々とゴタゴタありましたので、やっと何となく落ち着いた感じであります。
で、やっと「ジーパン刑事登場!」の日誌にとりかかっています。

で今更ながら気がついたのが、
ゲストの「中村竜三郎」氏の配役が解らないこと。
クレジットされている俳優さんの配役については中村氏を除き全て判明いたしましたが・・・。
私の知っている中村氏は「ドックとマミー」「悲しい汗」「殺人広告」「アイドル」に出演された方。
新東宝映画やテレビ創世記から活躍なさった方です。
あの中村氏はどこにも出演されていない・・・(^_^;)

で、風呂に入って・・・ふと頭に浮かんだのは、
ジーパンの父、柴田源治。

あれだけ物語内でジーパンの拳銃を持たない象徴として語られて、かつ西山にまでその名前を憶えられているほどの男だったので、もしかしたらカットされた回想シーンがあったかもしれないと・・・・。私の知っている中村氏はかなり押し出しの強いキャラクターなので、源治役でも不思議はないかなぁ・・・と。

クレジット表示も決して端役的な位置では無いので、あながち私の妄想では無いような気が・・・。

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妄想・新しい太陽(^_^;)

2011-01-27 22:53:48 | 「けぶの妄想」
昔っから、太陽復活妄想に取りつかれておりまして・・・。
それこそ、警部→篁係長という流れが実現したことがその火だねになっております。
そもそも、ボス=太陽=裕次郎さんと思いこんでいた時期が本放送当時ずっとありまして、それが「あのような」形になったわけですから、すっかりカルチャーショックだったわけです。
なので、そういう意味からも、太陽終了は残念無念でありました。

ところで「七曲署シリーズ~太陽2001」の前は、実は舘ボスを想定しておりまして、実現した時はビックリいたしました。
現実的な面も含めて、一番近距離にいたのが舘さんでしたから。

ボス候補としては、渡辺謙さんも良いなぁ・・と考えましたが、現実的にはちょっと無理があるかなぁ・・・なんて思ってしまって、それ以外だと男性のボス候補って居ないんですよね・・・。
なんで天海さんボスを妄想したかというと、これ例のフジ『BOSS』の影響じゃないですよ。。。もっと前から妄想しとりました。
それにあの方は裕次郎さんをリスペクトしている面もあるので、個人的には適任かと。

新太陽妄想は日々変わっていますので。。。

でも、太陽復活実現には、

1.太陽ファンの賛否
2.造り手の熱意
3.総監修できる脚本家
4.井上堯之バンド演奏分のオリジナル・サウンドトラックの使用
5.メインの監督さん
6.資金面で強力なスポンサー
7.演者の熱意
8.工夫したロケ
などなど・・・・実は色々と越えなきゃならない山があるような・・・。

それに、実は「七曲署シリーズ~太陽2001」に太陽演者、監督、脚本家OBの参加が少ないのは・・・聞くところによると、意図的なものだそうで、誰かを出せば誰かが・・・というのを避けたんだそうです。
そういう意味でも難しいかも・・・。

ただ、現在のドラマ界には太陽みたいな「ドラマのデパート」が必要な気がします。それこそワンクール作品の連続だと、今やマンガ原作なドラマが増えたりして、アイデアもキャラクターも消耗~枯渇の一途をたどっているように見えますが、太陽や特捜のように若手の腕の試し場所があれば、ちょっと違った感じになるのでは・・・と。
それに演者のレギュラーもワンクール作品とは違い、出ずっぱりと云う事も無いですからね。

というわけで、これを書きしたためるきっかけになったのは実はキヨウさんのサイトだったりして・・・でもあちらの掲示板に書くにはあまりにも量が多くなってしまったので、ここにあげておきます。


復活反対の方には申しわけありませんが、スルーしていただければ幸いです。


↓まず、荒削り過ぎる妄想ですみません・・・。

【(妄想)新・太陽にほえろ!】

「序章・七曲署動乱」
(妄想あらすじ)
201X年、東京新宿・七曲警察署は警視庁幹部を父に持つ若きエリート署長が転勤してきた途端に、大々的な人事異動が行われた。
さらに捜査一係の人員は1人を除き大刷新され、喜多・原・太宰は、新設の「テロ対策室」の要員として署内異動するも、テロが起こるわけもなく閑職に甘んじる。
3人を閑職に追いやった訳・・・エリート署長は何と竜神会と内通しており、その息のかかった人間を七曲署に送り込み、新宿に一大マフィアコネクションを造り上げようともくろんでいた。
3人は閑職を免れた大王路と岩城裕太、竜神会がある地域を受け持つ巡査・鹿嶋と共に、署長と竜神会の繋がりを洗い出そうとするが、巧妙に繋がっているばかりか、本庁や政界にも協力者がいるためか、決定的な証拠が出てこない。
やっと核心に触れようとした喜多と原が刺客に襲われ、喜多は瀕死の重傷を負い、原も入院してしまう。
太宰は決死の覚悟で本庁の橘刑事部長のところへ出向こうとするが、またしても刺客が襲う。
その時に助けに現れた3人(山岡・古城・三崎)に救われ、あるビルの一室に導かれる。
そこには橘と島津が待っていた。
橘は直轄の山岡をチーフにする刑事部特別室を設け、古城・島津・三崎をその部下として置いており、今回のマフィアコネクションの件を密かに捜査させていた。
危機迫る太宰をとりあえず研修という名目で本庁に出向させた橘は山岡と共に捜査に当たらせる。
さらに助っ人として、今は検視官として辣腕をふるう西條、本庁の鑑識課で活躍している内田、本庁捜査一課のIT対策室の室長の水木を呼び寄せる。
様々な観点から証拠を確実に取りそろえていく「七曲署正常化特別チーム」。
そして、全ての腐敗の根元まで一掃するが・・・。
「警察の中の警察」になってしまった刑事部特別室は他の警察幹部らの圧倒的な圧力の為解散せざる負えなくなる。
さらに、足を悪くした喜多は刑事を廃業しなければならなくなる。
精いっぱいの抵抗を試みた橘は本庁に山岡を残し、古城と三崎を七曲署へ配属させる・・・・。

=妄想レギュラー作品の妄想メンバー=

古城光津子(天海祐希さんがいいなぁ・・・)係長・・・かつての七曲署捜査一係長、篁のもとで5年働いた。女性ながらもマル暴にも籍を置いていた兵。裏の世界では「姫」と呼ばれ恐れられているが、所轄の係長も経験しており指導力と指揮力には定評がある。

原昌之 係長代理・・・しばらく西多摩署に在籍していたが、七曲署に戻る。元々一匹狼的性格の為、係長代理業には少々不満を持っている。しかし、柔軟で確実な捜査には定評があり、拳銃と自動車の運転はプロ。

島津公一・・・七曲署から転出以来本庁に籍を置いていたが、妥協の無い捜査方法からか出世には恵まれなかった。犯人に自白させることに長けており、さらに政財界とのパイプも持っており情報通。一時期プロファイリングを専門にしていたこともある。

太宰準・・・一係古参、新人時代から一切異動の無い珍しい刑事。年齢の割にはずば抜けて俊敏かつ俊足という肉体派。妻帯しており子沢山でマイホームパパ的一面があるが、街の無頼からは恐れられている。

大王路遼(寺脇康文さんを昔から太陽に参加させたいという願望)・・・新宿出身で新宿を隅々まで知り尽くしている。風紀関連が長かったせいか、歌舞伎町や新宿2丁目では顔が広い。その為か新宿の裏社会に精通している。新宿2丁目のおねえさんの中で「王子」と呼ばれているため、そのままあだ名となる。

三崎大介(徳重聡さんは個人的に太陽に出したい俳優なので)・・・橘刑事部長の秘蔵っ子。SAT所属経験もあるため逮捕術の達人である。基本的に好青年であるが、任務を無感情で遂行しようとするクールな面も時折見せる。

岩城裕太(木之元さんの息子さんが良いような・・・)・・・都会的な顔立ちにヒゲ面。両親はかつて一係メンバーであった岩城夫婦。父と同じく登山を趣味に持ち、A級ライセンスを持つドライバーでもあり、一係ではIT担当者。

鹿嶋仗慈(ちょいと仲間内の方を置かせてください)・・・交番勤務一筋の真面目で温和な警官だったが、橘刑事部長に抜擢されて晴れて「新人刑事」に。実はゴーストライターをしていた過去があり、物語を組み立てて推理する事が得意。さらに現場検証で小さな証拠も見逃さない。また、中国語も堪能。柴田たきとは隣家の為、息子のように可愛がられている。

=妄想レギュラー作品の妄想セミレギュラー(月1回、1人参加)=
西條昭・・・本庁に籍を置き検視官として活躍しているが、ダジャレは健在。
井川利三・・・退職後、圭子と復縁し「居酒屋 歳三」を開店、一係メンバーの溜まり場となる。
水木悠・・・本庁IT対策室長。コンピューター担当第一人者として活躍。
喜多収・・・「キタ探偵事務所」を開設
柴田たき・・・現在、隠居生活だが、鹿嶋の面倒をみることに楽しみを見出している。
椎木松衛(想定 京本政樹さん)・・・七曲署署長、古城とは昔の同僚であったが、なぜかライバル心を覗かせる。
岩城令子・・・現在ICPOパリ本部に出向中。裕太には常に連絡をとっている。
岩城陽子・・・裕太の双子の妹、新進気鋭の弁護士。




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けぶの妄想=山さんの遺したもの=

2010-11-07 22:45:45 | 「けぶの妄想」
【けぶの妄想=山さんの遺したもの=】

警視庁管内で名高い刑事だった、山村精一が殉職してから約2ケ月ほど経った。
四十九日の法要も済ませた直後のある日の朝、
七曲署の同僚だった井川利三は休暇をとって、島津公一は非番で、山村家を訪れた。
養子の息子・隆は学校に行っていたため、お手伝いのふさともう一人、かつてお手伝いだった加代子が応対に出た。
加代子は結婚を期に海外に赴いていたが、たまたま夫の用事で夫婦日本に戻った来たところで山村の訃報を知り、隆が落ち着くまで山村家に加代子だけ残っていた。

他の客が来たのでふさはその応対に出たので、加代子が仏壇に案内した。

井川と公一が順番に参る。

加代子がそれぞれに頭を下げる。

井川が「隆君はお元気ですか?」と切り出す。

「ええ、山村さんが亡くなった頃に比べると、元気になりました。」

公一が「秋元さんのところにはまだ?」と訊くと、

加代子が山村の遺影を観ながら、
「この家のかた付けが済むまではここにいるそうです。私もふささんも今月いっぱいしか居られないんで、隆ちゃんもそのころにはあちらの家に行くことになると思います。山村さんの遺志でもありましたしね。」
と云いながら、井川たちの顔を観て、
「でも、山村の姓は変えたくないそうです。それに遺品も残しておきたいんだそうです。秋元さんもそれは承知したので、どこかに預けることになると思います。ただこの家は出なければならないそうです。」

井川が「それはなぜ?」と訊ねると、
「この土地が元々山村さんのおじさんから借りていたものだったので、返さなきゃならないそうです。隆ちゃんも残念がっていましたけど・・・。」と寂しそうに加代子は答えた。

井川は「そうだったんですか・・・」と部屋を見回した。

ちょっと若い山村の遺影の横に、笑顔の妻・高子の遺影が寄りそうように置いてある。
井川は高子の事は知らない。
ただ、ボスから夫婦の深い絆を聴いていた。
それを思い出しながら少し目頭が熱くなった。

加代子が思い出したように、「みなさん今日は?」と訊ねた。
加代子は井川と顔見知りだったが、井川にはスーツの印象があった。
今日は井川も公一もラフな格好である。

井川が「いや、整理のお手伝いをしようと。特に山さんは事件関係の資料が沢山あるはずなので、そのあたりは我々が整理した方がいいと思いまして。」と切り出した。

ああ、と加代子が反応したが、続けて、
「事件資料や日記の関係は実はもうあそこに整理されているんです。」
え?っと井川と公一が加代子の指した方向を見る。

段ボールが重ねてある。

「あれは、あなたたちが整理したんですか?」と公一が訊くと、
加代子が「初七日が過ぎた頃に改めて藤堂さんと野崎さんがみえて、お二人で昨日まで整理なさってましたよ。」
井川が「ずっとですか?」と訊くと
「殆ど毎日、野崎さんの終電が間に合うまで、なにか語り合いながら整理なさってました。」と加代子が答えた。

井川と公一が顔を見合わせた。
七曲署捜査一係長・藤堂俊介と、既に警察学校に転出した元一係の野崎太郎が二人でずっと山村の私物の整理を手伝っていた。藤堂はそんなこと一言も言っていなかったが・・・。

とりあえず二人はその他の片づけものを加代子とふさと共に整理した。

ただ、それなりに片づけは進んでいたので、大体昼過ぎにはおおよその目途がついて、ふさの作ったかけそばをよばれた後、
「ごちそうさまでした・・・さて、我々はこれで御暇しようか?」と井川が腰を上げた。

加代子が「ちょっと待ってください」と慌てて家の奥に向かった。
戻ってきた加代子が何か長くて大きい袋を持って来た。
その袋を開けながら、
「実は隆ちゃんが、ネクタイだけは残しておくのが辛いそうなんです。理由は教えてくれないんですけど・・・。燃やしてしまうのも忍びないので、みなさんのようにお手伝いにみえた方にお分けしているんです。お二人も良ければ貰っていただけないでしょうか。」と加代子は袋の中に整然と整理されたネクタイを広げて見せた。
山村はかなりネクタイを持っていたはずだが、既に数本しかない。
「古いものはもう貰っていただいたので無いのですが、最近のものが数本残りました。」と加代子。

井川は、「わかりました。私たちも山さんのカタチに残るものを頂けるのは光栄です。」と、井川主導で公一と残りのネクタイを分けたが・・・一本のネクタイに手が止まり、井川が「これは・・・」と漏らした。
紺地に赤と白の細いストライプの入ったネクタイ。
山村が最後に着用していたネクタイだった。

井川と公一が見合わせていると加代子が、
「そのネクタイが一番隆ちゃんにとっては辛いそうです。無理もないのですが・・・。」

沈黙が続いた。

「これは是非、私に下さい。」
と急に静かに切り出したのは公一だった。

しばらく井川は公一の顔を見ていたが、黙って丁寧にそのネクタイを公一に渡した。

(この文章はけぶの妄想であり、実際の物語とは関係ありません。)
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なぜこのような文章を書いたかというと・・・。

#700と#701ではデュークが
#702と#703ではデュークとトシさんが、
山さんのネクタイを着用していました。

特にデュークのは山さんが#665等で着用したものと、殉職時に着用したものと両方ともお気に入りの2本でした。
山さんを尊敬していたデュークであればありうることかと。

(ただ、#699ではゲスト片岡氏や#702ではゲスト石田氏もそれぞれ着用)

去ったメンバーのネクタイや昔着用していたネクタイが後々ゲスト用になることは珍しいことではないのですが、メンバーが着用する例は少ないです。ただ、トシさんの場合は初期の三つ揃い紺スーツ時代は山さんやゴリさんのネクタイを着用していた例はありますが。

なので、今回は意図的にデュークに着用させたのではないか・・・と妄想したわけで。

いや、何となくうれしいです。


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