◆中国の李外相は七日、北京の人民大会堂で記者会見し、強い表現で小泉首相の靖国神社参拝を批判した。
「侵略戦争を起こしたA級戦犯への参拝を受け入れられないのは、中国人民だけではない」。
「ドイツ人は『日本の指導者は、なぜこんな愚かで反道徳的なことをするのだ』と言っている」。
李外相は内外のテレビカメラを前に更に語気を強めた。
「ドイツの指導者は戦後、ヒトラーやナチス分子への崇拝を表明せず、犠牲者遺族の感情を傷つけていない」
「米国人も一九四一年十二月の事件(真珠湾攻撃)を忘れていない。マレーシア人は『日本の侵略者はマラッカ(マレー半島)を攻撃した』と教えてくれた。こうした例はとても多く、三時間かけても話し終わらない」。
テレビ画面での李外相は、まるで世界中が靖国参拝を非難しているようにまくし立てた。
これは、小泉首相が国会答弁などで靖国参拝について「批判しているのは中国、韓国だけ」と発言したことに対し、参拝が他の国からも理解されない行為であることを強調したとみられる。
この度重なる李外相の靖国参拝批判に対して、小泉首相は七日夜、首相官邸で記者団の質問に答えて、
「もう靖国は外交カードにならない」と不快感を示した。
昨年の11月15日、李外相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)で訪問中の韓国のホテルで記者団に小泉首相の靖国神社参拝を非難している。
「ドイツの指導者がヒトラーやナチス(の追悼施設)を参拝したら欧州の人々はどう思うだろうか」。
◇ ◇ ◇
◆果たして「A級戦犯」はナチスと同じなのか。
又東条英機はヒットラーと同じなのか。
この日本人にとって重大な「歴史認識」を日本政府は公式見解として表明していない。
同じ敗戦国という事で、ドイツの戦後処理が「良心的な例」として良く引き合いに出される。
その時バイブルのように引用されるのが、1985年のワイツゼッカー独大統領の有名な「荒れ野の40年」という演説である。
≪過去に目を閉ざす者は結局のところ、現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また新しい感染の危険への抵抗力を持たないことになるでしょう。
(1985年5月8日ドイツ敗戦40周年記念講演「荒野の40年」より )≫
この講演は今ではドイツの誇りとして、記憶されているという。
こうして見ると過去の「悪事」を反省する「良心的」ドイツと、反省のひとかけらも無い日本という構図が浮き上がる。
しかし、この構図の裏には対外戦争に明け暮れ、両大戦で敗戦国の屈辱の経験を持つドイツの強(したた)かさが潜んでいる。
この事実ををほとんどの日本人は知らない。
◇ ◇ ◇
◆「枢軸国」という言葉にはどうしても悪のイメージが付きまとう。
第二次大戦は日独伊を中心にした枢軸国と米英を中心にした連合国の戦いである。
が、それは結局「悪の枢軸国」対「正義の連合国」の戦いという二元論になる。
元々枢軸という言葉はムッソリーニがベルリンとローマを結ぶ軸といった事に始まる。
2002年1月29日の一般教書演説でアメリカ合衆国のブッシュ大統領が、反テロ対策の標的として北朝鮮、イラン、イラクの3ヶ国を名指しし「悪の枢軸 」と総称して批判した。
ここに「枢軸国」に対する悪のイメージは世界的に確定された。
◇ ◇ ◇
◆ドイツのワイツゼッカー大統領は苦悩した。
苦悩の結果結論を出した。
「ナチスの犯罪はヒットラー個人の罪で、ドイツ民族の罪ではない」。
しかしヒットラーは暴力で政権を奪取したのではない。
世論の支持のもとに合法的に権力についたのである。
1937年の選挙で第一党となり、さらに戦後作られたナチ協力者のリストは、1200万人にものぼった。
ナチスの罪を徹底的に追求されたら、国民全体に及ぶ。
ここはヒトラーとナチスにドイツ全国民の罪を被ってもらうしかない。
なんとか、トカゲのしっぽ切りで済ませて、本体を守ろうというのがワイツゼッカーの演説の狙いであった。
国家としては、賠償責任は負うが罪は認めない。
ユダヤ人虐殺に対してイスラエルと結んだ協定でも、文面上は被害者に対する補償はドイツの善意による人道的援助という形になっている。
「故郷や資産を失ったユダヤ人難民・犠牲者」を「イスラエル、ないしは新たな祖国に受け入れさせていくための編入費用」とされている。
直接謝罪がない事にユダヤ人たちは怒り、補償金をもらうべきではない、という批判すらあったという。
ドイツではドイツが行った戦争の非を認めたが、その責任を全てナチス党にいわば押しつけるやり方をとった。
ナチスは悪いことをやった。
責められても仕方ない。
でもドイツ国民はナチスに騙されていたのだ。
ドイツは率先してナチスを糾弾し、今もナチス残党に対する追求の手をゆるめていない。
ドイツ人の多くは戦争に積極的に荷担した。
・・が、自分の非を全てナチスとヒットラーに被せたのである。
トカゲの尻尾切りのように。
◇ ◇ ◇
◆ナチスを裁いたニュルンベルク裁判は簡単な裁判だった。
ナチスが行ったホロコーストは、国際法上も許されるはずのない国家ぐるみの戦争犯罪であった。
この調子なら、東京裁判も簡単だろう。
日本もナチスのような戦争犯罪を起こしているだろう。
同じ枢軸国だから。
しかし連合国首脳の安易な考えは覆された。
日本の戦争犯罪はとても国家指導者をナチスと同罪(人道に対する罪)によって裁けるようなものではなかった。
そこででっち上げられたのが、「南京大虐殺」をはじめとする様々な日本の「戦争犯罪」だった。
ドイツ人が自らナチスを糾弾するのドイツ人の名誉を守るための策だった。
が、日本人は糾弾する相手を「A級戦犯」という言葉の中に封印してしまった。
戦勝国が規定した「A級戦犯」をもっと検証する必要がある。
◇ ◇ ◇
◆A級戦犯を裁いた東京裁判は、極東国際軍事裁判所条例を定め、三つの罪を掲げている。
★A級戦犯ー「平和に対する罪」……共同謀議して、侵略戦争を計画・準備・開始・遂行して、世界の平和を撹乱したという罪
B級戦犯ー「通例の戦争犯罪」……戦争法規および慣例に違反したという罪
C級戦犯ー「人道に対する罪」……非戦闘員に対して加えられた大量殺戮、奴隷的虐待、追放その他の非人道的行為
ナチスはニュールンベルグ裁判で「人道に対する罪」で断罪された。
しかし、日本はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と同じような行為はしていない。
東京裁判では「人道に対する罪」でA級戦犯は有罪にされていないから「人道に対する罪」のナチスドイツと日本の「A級戦犯」を結びつけるのは無理がある。
◆結論を言おう。
日本の「A級戦犯は」常識的に云ってもも、「東京裁判、ニュールンベルグ両裁判上」も「ナチス」とは似ても似つかぬものである。
中国の李外相が云う諸外国にも「靖国参拝を批判する国がある」とは何処の国なのか。
お定まりの近隣三国「中国・韓国・北朝鮮」以外で、公式に靖国参拝批判をした国を寡聞にして知らない。
三時間掛けなくても国名だけでも教えて欲しい。
又アメリカが「パールハーバー」を忘れないという。
「リメンバー・・・・」は戦時中のアメリカの戦意高揚のスローガンだ。
1836年アメリカがメキシコから今のテキサスを奪った「アラモの戦い」では「リメンバーアラモ」だったし、最近では「リメンバー911」が記憶に新しい。
◇ ◇ ◇
◆中国外相、靖国参拝を激しく非難 名指し避け「小泉後」牽制
【北京=伊藤正】中国の李肇星外相は七日、北京の人民大会堂で内外記者と会見し、日中関係に関して、日本の指導者の靖国神社参拝を激しく非難、「(関係改善の)カギは各指導者が誤った行動を正すことだ」と強調した。
会見は開会中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に合わせセットされ、李外相は一時間四十分にわたり、北朝鮮の核をめぐる六カ国協議、台湾問題、米中関係などの質問に対し中国の公式的立場を明らかにした。
日中関係について、李外相は「中日は隣国であり、中国人民は日本人民との世々代々の友好を願っている」と切り出した後、政治関係が困難に直面した原因は、「日本の一部指導者のA級戦犯(をまつっている靖国神社)参拝にある」と強調。
李外相は「(参拝は)中国人民の感情を傷つけ、他の多くの国民も受け入れない」と述べた上で、ドイツの当局者の話として「日本の指導者の愚かで道徳に反する行為は理解できない」「ドイツではヒトラーやナチスを崇拝する指導者はいない」と靖国神社参拝を批判。
さらに外相は、日本軍の真珠湾攻撃やマラッカ海峡空襲に対する米国人やマレーシア人の「恨み」の言葉を紹介、「こうした例を話すと三時間でも足りない」と感情をむき出しにした。
その上で、李外相は日本との友好協力関係を発展させる基本方針は変わらないと述べ、昨年四月の日中首脳会談(ジャカルタ)で胡錦濤国家主席が提起した歴史問題の解決など「五項目の主張」の内容を読み上げ、これに沿い関係の改善・発展に向け積極的努力を続けると表明した。
李外相の言明は、靖国神社参拝を関係の障害とする従来の立場と変わらないが、いつもの小泉純一郎首相名指し批判を避け「一部指導者」と表現。「ポスト小泉」に向け、「関係改善したければ、靖国参拝をやめろ」と牽制(けんせい)する意図をのぞかせた。
◇
■小泉首相「外交カードにならぬ」
小泉純一郎首相は七日夜、中国の李肇星外相が首相の靖国神社参拝を重ねて批判したことについて「もう靖国は外交カードにならない」と不快感を示した。さらに李外相が「A級戦犯参拝は受け入れられない」などとしていることに対しては「(参拝は)戦没者全体に対してだ」と反論した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
(産経新聞) - 3月8日2時52分更新
「侵略戦争を起こしたA級戦犯への参拝を受け入れられないのは、中国人民だけではない」。
「ドイツ人は『日本の指導者は、なぜこんな愚かで反道徳的なことをするのだ』と言っている」。
李外相は内外のテレビカメラを前に更に語気を強めた。
「ドイツの指導者は戦後、ヒトラーやナチス分子への崇拝を表明せず、犠牲者遺族の感情を傷つけていない」
「米国人も一九四一年十二月の事件(真珠湾攻撃)を忘れていない。マレーシア人は『日本の侵略者はマラッカ(マレー半島)を攻撃した』と教えてくれた。こうした例はとても多く、三時間かけても話し終わらない」。
テレビ画面での李外相は、まるで世界中が靖国参拝を非難しているようにまくし立てた。
これは、小泉首相が国会答弁などで靖国参拝について「批判しているのは中国、韓国だけ」と発言したことに対し、参拝が他の国からも理解されない行為であることを強調したとみられる。
この度重なる李外相の靖国参拝批判に対して、小泉首相は七日夜、首相官邸で記者団の質問に答えて、
「もう靖国は外交カードにならない」と不快感を示した。
昨年の11月15日、李外相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)で訪問中の韓国のホテルで記者団に小泉首相の靖国神社参拝を非難している。
「ドイツの指導者がヒトラーやナチス(の追悼施設)を参拝したら欧州の人々はどう思うだろうか」。
◇ ◇ ◇
◆果たして「A級戦犯」はナチスと同じなのか。
又東条英機はヒットラーと同じなのか。
この日本人にとって重大な「歴史認識」を日本政府は公式見解として表明していない。
同じ敗戦国という事で、ドイツの戦後処理が「良心的な例」として良く引き合いに出される。
その時バイブルのように引用されるのが、1985年のワイツゼッカー独大統領の有名な「荒れ野の40年」という演説である。
≪過去に目を閉ざす者は結局のところ、現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、また新しい感染の危険への抵抗力を持たないことになるでしょう。
(1985年5月8日ドイツ敗戦40周年記念講演「荒野の40年」より )≫
この講演は今ではドイツの誇りとして、記憶されているという。
こうして見ると過去の「悪事」を反省する「良心的」ドイツと、反省のひとかけらも無い日本という構図が浮き上がる。
しかし、この構図の裏には対外戦争に明け暮れ、両大戦で敗戦国の屈辱の経験を持つドイツの強(したた)かさが潜んでいる。
この事実ををほとんどの日本人は知らない。
◇ ◇ ◇
◆「枢軸国」という言葉にはどうしても悪のイメージが付きまとう。
第二次大戦は日独伊を中心にした枢軸国と米英を中心にした連合国の戦いである。
が、それは結局「悪の枢軸国」対「正義の連合国」の戦いという二元論になる。
元々枢軸という言葉はムッソリーニがベルリンとローマを結ぶ軸といった事に始まる。
2002年1月29日の一般教書演説でアメリカ合衆国のブッシュ大統領が、反テロ対策の標的として北朝鮮、イラン、イラクの3ヶ国を名指しし「悪の枢軸 」と総称して批判した。
ここに「枢軸国」に対する悪のイメージは世界的に確定された。
◇ ◇ ◇
◆ドイツのワイツゼッカー大統領は苦悩した。
苦悩の結果結論を出した。
「ナチスの犯罪はヒットラー個人の罪で、ドイツ民族の罪ではない」。
しかしヒットラーは暴力で政権を奪取したのではない。
世論の支持のもとに合法的に権力についたのである。
1937年の選挙で第一党となり、さらに戦後作られたナチ協力者のリストは、1200万人にものぼった。
ナチスの罪を徹底的に追求されたら、国民全体に及ぶ。
ここはヒトラーとナチスにドイツ全国民の罪を被ってもらうしかない。
なんとか、トカゲのしっぽ切りで済ませて、本体を守ろうというのがワイツゼッカーの演説の狙いであった。
国家としては、賠償責任は負うが罪は認めない。
ユダヤ人虐殺に対してイスラエルと結んだ協定でも、文面上は被害者に対する補償はドイツの善意による人道的援助という形になっている。
「故郷や資産を失ったユダヤ人難民・犠牲者」を「イスラエル、ないしは新たな祖国に受け入れさせていくための編入費用」とされている。
直接謝罪がない事にユダヤ人たちは怒り、補償金をもらうべきではない、という批判すらあったという。
ドイツではドイツが行った戦争の非を認めたが、その責任を全てナチス党にいわば押しつけるやり方をとった。
ナチスは悪いことをやった。
責められても仕方ない。
でもドイツ国民はナチスに騙されていたのだ。
ドイツは率先してナチスを糾弾し、今もナチス残党に対する追求の手をゆるめていない。
ドイツ人の多くは戦争に積極的に荷担した。
・・が、自分の非を全てナチスとヒットラーに被せたのである。
トカゲの尻尾切りのように。
◇ ◇ ◇
◆ナチスを裁いたニュルンベルク裁判は簡単な裁判だった。
ナチスが行ったホロコーストは、国際法上も許されるはずのない国家ぐるみの戦争犯罪であった。
この調子なら、東京裁判も簡単だろう。
日本もナチスのような戦争犯罪を起こしているだろう。
同じ枢軸国だから。
しかし連合国首脳の安易な考えは覆された。
日本の戦争犯罪はとても国家指導者をナチスと同罪(人道に対する罪)によって裁けるようなものではなかった。
そこででっち上げられたのが、「南京大虐殺」をはじめとする様々な日本の「戦争犯罪」だった。
ドイツ人が自らナチスを糾弾するのドイツ人の名誉を守るための策だった。
が、日本人は糾弾する相手を「A級戦犯」という言葉の中に封印してしまった。
戦勝国が規定した「A級戦犯」をもっと検証する必要がある。
◇ ◇ ◇
◆A級戦犯を裁いた東京裁判は、極東国際軍事裁判所条例を定め、三つの罪を掲げている。
★A級戦犯ー「平和に対する罪」……共同謀議して、侵略戦争を計画・準備・開始・遂行して、世界の平和を撹乱したという罪
B級戦犯ー「通例の戦争犯罪」……戦争法規および慣例に違反したという罪
C級戦犯ー「人道に対する罪」……非戦闘員に対して加えられた大量殺戮、奴隷的虐待、追放その他の非人道的行為
ナチスはニュールンベルグ裁判で「人道に対する罪」で断罪された。
しかし、日本はホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)と同じような行為はしていない。
東京裁判では「人道に対する罪」でA級戦犯は有罪にされていないから「人道に対する罪」のナチスドイツと日本の「A級戦犯」を結びつけるのは無理がある。
◆結論を言おう。
日本の「A級戦犯は」常識的に云ってもも、「東京裁判、ニュールンベルグ両裁判上」も「ナチス」とは似ても似つかぬものである。
中国の李外相が云う諸外国にも「靖国参拝を批判する国がある」とは何処の国なのか。
お定まりの近隣三国「中国・韓国・北朝鮮」以外で、公式に靖国参拝批判をした国を寡聞にして知らない。
三時間掛けなくても国名だけでも教えて欲しい。
又アメリカが「パールハーバー」を忘れないという。
「リメンバー・・・・」は戦時中のアメリカの戦意高揚のスローガンだ。
1836年アメリカがメキシコから今のテキサスを奪った「アラモの戦い」では「リメンバーアラモ」だったし、最近では「リメンバー911」が記憶に新しい。
◇ ◇ ◇
◆中国外相、靖国参拝を激しく非難 名指し避け「小泉後」牽制
【北京=伊藤正】中国の李肇星外相は七日、北京の人民大会堂で内外記者と会見し、日中関係に関して、日本の指導者の靖国神社参拝を激しく非難、「(関係改善の)カギは各指導者が誤った行動を正すことだ」と強調した。
会見は開会中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に合わせセットされ、李外相は一時間四十分にわたり、北朝鮮の核をめぐる六カ国協議、台湾問題、米中関係などの質問に対し中国の公式的立場を明らかにした。
日中関係について、李外相は「中日は隣国であり、中国人民は日本人民との世々代々の友好を願っている」と切り出した後、政治関係が困難に直面した原因は、「日本の一部指導者のA級戦犯(をまつっている靖国神社)参拝にある」と強調。
李外相は「(参拝は)中国人民の感情を傷つけ、他の多くの国民も受け入れない」と述べた上で、ドイツの当局者の話として「日本の指導者の愚かで道徳に反する行為は理解できない」「ドイツではヒトラーやナチスを崇拝する指導者はいない」と靖国神社参拝を批判。
さらに外相は、日本軍の真珠湾攻撃やマラッカ海峡空襲に対する米国人やマレーシア人の「恨み」の言葉を紹介、「こうした例を話すと三時間でも足りない」と感情をむき出しにした。
その上で、李外相は日本との友好協力関係を発展させる基本方針は変わらないと述べ、昨年四月の日中首脳会談(ジャカルタ)で胡錦濤国家主席が提起した歴史問題の解決など「五項目の主張」の内容を読み上げ、これに沿い関係の改善・発展に向け積極的努力を続けると表明した。
李外相の言明は、靖国神社参拝を関係の障害とする従来の立場と変わらないが、いつもの小泉純一郎首相名指し批判を避け「一部指導者」と表現。「ポスト小泉」に向け、「関係改善したければ、靖国参拝をやめろ」と牽制(けんせい)する意図をのぞかせた。
◇
■小泉首相「外交カードにならぬ」
小泉純一郎首相は七日夜、中国の李肇星外相が首相の靖国神社参拝を重ねて批判したことについて「もう靖国は外交カードにならない」と不快感を示した。さらに李外相が「A級戦犯参拝は受け入れられない」などとしていることに対しては「(参拝は)戦没者全体に対してだ」と反論した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
(産経新聞) - 3月8日2時52分更新