狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

黄色軍艦がやって来る

2006-03-11 11:36:57 | 未分類
李外相の常識はずれの発言には、此れも又常識はずれな「尖閣列島近海ガス田問題」を日本の世論から逸らす意図が潜むとの説がある。

領土問題を疎かにすると境界線が一歩一歩自国内に後退させられるのは常識。

尖閣で譲歩したら中国は当然の如く次は沖縄を自国領土だと言い出してくる。

一番気にする筈の沖縄が何故かこの問題にはのんびり構えている。

地元の新聞の論調はむしろ中国を祖国と捉えているような節さえ感じられる。

昨年8月の中国メディアに登場した「沖縄の日本復帰に疑義あり」という論文に中国の本音が見え隠れする。

復帰前の米軍占領下の沖縄には「潜在主権」は祖国日本にあり、と言う考えが議論になった。

尖閣問題の次には「潜在主権は中国にあり」という議論が起きてきかねない。

明治期の「琉球処分」の折、日本人になるのを拒み中国に助けを求めて亡命した琉球人がいた。

彼等は清のシンボルカラー黄色で飾った軍艦が沖縄救援のためやって来ると、本気で信じていたという。(下記沖縄タイムスコラム参照)

彼等は「脱清人」という一握りのインテリではあったが、彼等の清を祖国と考えるDNAは現代の沖縄の一握りのインテリ達に引き継がれている。


◆(時事通信) -2005年 8月1日19時1分更新

【北京1日時事】中国の国際問題専門誌・世界知識の最新号は、沖縄の日本帰属をめぐる歴史的経緯を紹介した専門家の論文を掲載。この中で、「戦後の日本による米国からの琉球接収は国際法上の根拠を欠き、その地位は未確定のままだ」と主張した。

 中国のメディアに沖縄の日本帰属に疑問を呈する論文が登場するのは異例。中国は沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権などを日本と争っている。日本側主張の基礎となる沖縄の帰属についても問題点を指摘し、日本側を揺さぶることが狙いとみられる。 



◆<2005年5月16日> 沖縄タイムス
[大弦小弦]

 黄色軍艦がやってくる…。船体に黄色の龍の文様を描き、黄龍旗を掲げる清国の南洋艦隊は黄色軍艦と呼ばれたという。知人とこの話をしていたら、黄色軍艦が沖縄を侵略すると、勘違いして話がややこしくなった▼実際は逆で、明治の琉球人にとって清国軍艦は援軍だった。武力で琉球国を併合した明治政府に対し、琉球の首脳らは清へ使者を送って救援を求めている。そして、沖縄側はその黄色軍艦を待ちわびたのだった▼一八八六(明治十九)年に大迫貞清県知事が上申した「事変準備ノ件」が残る。清が軍艦を派遣するとの報に対し、政府派遣の知事は、対策十項目を提案。政府も北洋艦隊から戦艦九隻が派遣されると情報を得て、県に指示を出した▼日清戦争時にも清国の援軍は話題になった。それから百余年が経過し、あれほど待ちわびた援軍をも敵と間違うところに今の位置があるのか。林泉忠著『「辺境東アジア」のアイデンティティ・ポリティクス』は当時の言葉を紹介する▼「生きて日本国の属人と為るを願はす、死して日本国の属鬼と為るを願はす」。生きても死んでも日本とは一緒にならないという激しい決意。中国で死んだ幸地朝常が李鴻章へ送った書簡に残る言葉。歴史の反転は大きかったようだ▼百余年前はともかく、少なくとも最近の銃口や占領者を忘れてはいけない。境で揺れる島だからこそ、平和の選択肢を選び取る覚悟も必要だろう。(後田多敦)



◆ 産経抄 平成18(2006)年3月11日[土]

 「春暁」といえば、盛唐の詩人、孟浩然の「春眠暁を覚えず」を思い出す。春の夜明けはなかなか目が覚めない。中国が東シナ海のガス田に、この意味深長な名前をつけたとき、拡張主義のかすかなエンジン音を聞く思いがした。

 ▼これこそがガス田開発への目覚めで、小欄は領海分捕りへ意思表明とみた。一般にガス田や油田は、北海油田や福島沖ガス田のように位置関係を示している。ところが、中国名にははじめから「俺のモノだ」という国家意思がのぞく。日本はといえば、同じガス田に「白樺」と美しい名を冠しただけだ。

 ▼だから、ガス田をめぐる日中の協議で、中国が中間線をまたいで日本固有の尖閣諸島近くまで共同開発を提案してもビックリはしない。試掘もすんだし、日本が係争に持ち込めば、民族感情がからんで複雑になるぞと脅していたからだ。日本近海に軍用機を飛ばし、艦船が領海侵犯したりと傍若無人だ。

 ▼ところが、親中派の二階俊博・経済産業相にはあのエンジン音が聞こえないらしい。自国の業者には「試掘をさせない」などと、どこの国を代表しているか分からぬことをいう。地元に江沢民前主席の銅像を建てようという話もあった方だから、さもありなんか。

 ▼中国側で試掘が始まり、こちらが試掘の放棄では交渉にならない。中国が「二歩」のような将棋の禁じ手を使い、日本に王手をかけたようなものだ。この将棋盤をいったんチャラにして、厳格なルールで協議をやり直すしかない。

 ▼不埒(ふらち)な相手と渡り合うには、こちらも同等以上のカードがいるということだ。エンジン音が傍らに到達する前に、日本側海域でガス田の試掘をすることが肝要だ。「春暁」はいったん目覚めると動きがはやい。





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靖国は外交カードにならない by小泉

2006-03-11 10:02:43 | 県知事選
中国の李外相が小泉首相の靖国参拝を、ナチスやヒットラーに例えて「愚かで不道徳な行為」と非難した。

此れに対して日本の外務省が王在日中国大使を抗議のため呼びつけたら、何かと理由を見つけて出頭を拒否しているという。

一国の首相が自国内のいかなる地域に立ち入っても、それが如何なる理由であれ、他の国から「愚かだの不道徳だの」と非難される筋合いではない。

外務省は引き続き抗議の姿勢を崩してはいけない。

小泉首相は常日頃から、やれ説明不足だの、ワンフレーズ政治だのと冷やかされるが、今回に限りワンフレーズ表現が生きた。

たった一言。 

「靖国は外交カードにならない」・・・と。

変人首相、お見事!

このあたりを今朝の河北新報コラムが見事に表現している。

◆河北新報 河北春秋 2006年03月11日土曜日

ひと言多くて大失敗。そんな苦い思いのよみがえる方も少なくあるまい。中国では「言多令事敗」。言多ければ事をして敗れしむ▼孔子の末裔(まつえい)とされる孔融は、その口が災いし死を賜る。三国志の雄、曹操は米の消費を少なくするため禁酒令を出した。軍費の調達が狙い。そこで立てた理屈が「酒に溺(おぼ)れて国を滅ぼす例は多い」

 ▼孔融は酒の効用を挙げる一方、こうやり込めた。仁義や儒学を大事にし過ぎて国を損ない、女性に溺れて亡国に至った例もある。それなら道徳、学問、結婚も禁止でしょう。なぜ酒だけ? 正直に軍費が欲しいと言ったらいかが―。言葉は戻らない▼こちら中国の李肇星外相。ドイツ政府当局者の言の引用だとして語ったのが「日本の指導者は…愚かで不道徳」。靖国をめぐる話ゆえ、指導者とは小泉純一郎首相。一国の宰相を公の場で愚弄(ぐろう)するとは大人げない

 ▼売り言葉に買い言葉になるかと思いきや、小泉さんはこうあしらった。「靖国は外交カードにならない」。得意のワンフレーズ・ポリティクス。紋切り型も使いようだ▼麻生太郎外相の言も危うい。「台湾は国家」と語った。つい口を突いて出たものだろうが、うかつに過ぎる。この人、口が軽く放言癖もある。関係がいささか険しい日中両国の間柄。言多ければ…を心がけてほしい。

        
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