沖縄がアメリカ占領時代から引き継いだアメリカ風食文化沢山ある。
豚肉文化に牛肉が加わり「ステーキ」や「ハンバーガ―」にも親しむようになった。
その他にも「(某アメリカ製)マヨネーズ」、「(某アメリカ製)マーガリン」、それに「ランチョンミート」がある。
米国製マヨネーズはキューピーさんに駆逐されつつあるがランチョンミートは「ポーク玉子」としてすっかり沖縄の名物料理に変身してしまっている。
一方のマーガリンは本来のパンに塗って食べるという消費以外にファーストフードの揚げ油等に使われている。
そのマーガリンが今危険な食品だとしてアメリカで騒動が起きているという。
はて、日本ではあまり聞かない話だが・・・・・・。
◇ ◇ ◇
沖縄の大衆食堂やコーヒーシャープでは、つい4、5年前までカウンターの上に、山盛りのバターを詰めたタッパ―容器を、サービス用に置いてある店があった。
そこではホカホカのご飯に、たっぷりのバターを塗(まぶ)して美味しそうに食べる、太鼓腹の青年(二才・ニーセー)達をよく見かけた。
昆布の消費量が減ったとの新聞報道がある一方、アメリカ製「バター」が復帰前から今でも食堂や家庭ででも大量に消費されている。
そのせいなのか沖縄の男性は肥満が多く平均寿命も下がっていると言う。
沖縄では特別の場合を除いてバターとはマーガリンの事をさす。
沖縄ではアメリカ製のマーガリンがバターの代名詞のようにして今でも愛用されている。
≪バターは動物油脂が原料なので健康に悪いが、マーガリンは植物油で出来ているので健康によい。≫
長年このように知らされていた。
その健康的な筈のマーガリンが心臓に良くないという。
知らぬが仏とはよく言ったものだ。
◇ ◇ ◇
マーガリンは、戦争で物資が不足したときに代用食品として開発され普及した短い歴史しかない。
人造バターとも呼ばれることからもわかるように、化学的に植物油脂を固めて味付けしたもので、バターのように有史以来の人体実験で安全性や危険性が検証されたりしている食品ではない。
ところが、常温では固まるバターに較べ、植物性の油は常温では液体である。
そこで、常温でも一定の硬さを保てるように、水素を加えて化学的な処理を行う。
その過程で出来るのがトランス酸という副産物なのだ。
これが動脈硬化のリスクを高める悪玉コレステロール(LDL)の値を高める一方で、善玉コレステロール(HDL)を低下させる、と報告されている。
日本では、代用バターという経済的理由ではなく、動物性のバターより植物性のマーガリンのほうが健康にいい、特に心臓に不安のある高齢者は、マーガリンのほうがいい、と信じられている。
その、健康に良いはずのマーガリンに、心臓病に悪い悪玉コレステロールを増加させる「トランス酸」が含まれていると言うのだ。
もう一度言おう。 知らぬが仏とは正にこのことだ。
アメリカでは同国心臓病協会推薦の「トランス脂肪酸を含まない」とうたった新しいマーガリンがスーパーの店頭に目立ち始めたようだ。(Transfat free)
が、残念ながら日本ではまだ発売されていない。
アメリカでは、今年1月1日から、食品に「トランス酸」の表示が義務付けられた。
では「トランス酸」とは何か。
自然界には存在しない成分で、普通のバターに較べマーガリンに多く含まれているという。
それが心臓病のリスクを高めるという研究成果が、アメリカで2003年発表されている。
研究は、アメリカの女性8万人を対象に行われた。
トランス酸を摂ったグループは、摂取量が最も少なかったグループに較べ心筋梗塞を起こすリスクが30パーセント高かったと報告されている。
では、どうすれば良いのか。
「米食品医薬品局」は、今年の1月1日からトランス酸の含有量を食品のラベルに明記し実施する事を決めた。ることを決めた。
EUでもマーガリンの使用規制が始まっている。
この問題をはじめて報じたのは、週刊朝日の昨年8月5日号だった。
この記事を厚生労働省が知らないはずはない。
「アメリカのホテルではすでにマーガリンが姿を消した」という記事もネットに見えるというのに、厚生労働省は拱手傍観を決め込んでいる。
遅ればせながら日本でも次のような警告の文章がやっと出たが、下記のような緩やかな表現にとどまっている。
【第6次改訂 日本人の栄養所要量】 (厚生省)
『「トランス脂肪酸」は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する。トランス酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL-コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。』
お上がこのような態度では、自己の責任で自衛するしかない。
トランス酸はマーガリンだけでなく、クッキーに使われる「ショートニング」にも含まれている。
ショートニングは「サクサクさせる、ポロポロにする」という意味だが、植物油を固形油にする過程でトランス酸を抱え込む。
だからトランス酸から身を守るのは容易なことではない。
どこにでも売られているパン、ケーキ、クッキー、ドーナツ、スナック菓子、フライドポテト、------挙げればキリがない。これらにはトランス酸が潜んでいる。
このあたりを業界団体「日本マーガリン工業会」はホームページで次のように反論している。
「欧米に較べ日本人はマーガリンやこれを使った食品の摂取量が少ないので、心配ない」そうだ。
更に詳しくは同ホームページをご覧頂こう。
日本では年間100万人が病気で死んでいる。
死因の第1位は癌、ついで心臓病、脳疾患の順だが、アメリカでは死亡原因の第一位は、心臓疾患だ。
マーガリンやショートニングがこれに貢献している。
日本も、アメリカの通った道を確実にたどっている。
子供の頃からマクドナルドやケンタッキー、ミスタードーナッツで飼育されているようでは、日本でも心臓病が癌を追い抜く日は近い。
なおトランス酸を一番多く含んでいる食品はファーストフード店で御馴染の「ポテトフライ」でインスタント麺のフライもマーガリンの一種だそうだ。
狂牛病問題を含め、国民の生命や安全を本気で守ろうとい気力が、今の日本には感じられない。
風が吹けば桶屋が儲かる、とは落語のネタだがマーガリンを食べて棺桶屋が儲かると言う話には笑ってはおれない。
★蛇足: 沖縄では「コーヒーシャープ」はコーヒーショップの事。
アメリカ人の発音を真似て表記した「コーヒーシャープ」は軽食堂のことで、コーヒーは殆どの店のメニューには無かった。(注文があった場合はインスタントコーヒーで対応していた)
日本マーガリン工業会
http://www.j-margarine.com/newslist/index.html
豚肉文化に牛肉が加わり「ステーキ」や「ハンバーガ―」にも親しむようになった。
その他にも「(某アメリカ製)マヨネーズ」、「(某アメリカ製)マーガリン」、それに「ランチョンミート」がある。
米国製マヨネーズはキューピーさんに駆逐されつつあるがランチョンミートは「ポーク玉子」としてすっかり沖縄の名物料理に変身してしまっている。
一方のマーガリンは本来のパンに塗って食べるという消費以外にファーストフードの揚げ油等に使われている。
そのマーガリンが今危険な食品だとしてアメリカで騒動が起きているという。
はて、日本ではあまり聞かない話だが・・・・・・。
◇ ◇ ◇
沖縄の大衆食堂やコーヒーシャープでは、つい4、5年前までカウンターの上に、山盛りのバターを詰めたタッパ―容器を、サービス用に置いてある店があった。
そこではホカホカのご飯に、たっぷりのバターを塗(まぶ)して美味しそうに食べる、太鼓腹の青年(二才・ニーセー)達をよく見かけた。
昆布の消費量が減ったとの新聞報道がある一方、アメリカ製「バター」が復帰前から今でも食堂や家庭ででも大量に消費されている。
そのせいなのか沖縄の男性は肥満が多く平均寿命も下がっていると言う。
沖縄では特別の場合を除いてバターとはマーガリンの事をさす。
沖縄ではアメリカ製のマーガリンがバターの代名詞のようにして今でも愛用されている。
≪バターは動物油脂が原料なので健康に悪いが、マーガリンは植物油で出来ているので健康によい。≫
長年このように知らされていた。
その健康的な筈のマーガリンが心臓に良くないという。
知らぬが仏とはよく言ったものだ。
◇ ◇ ◇
マーガリンは、戦争で物資が不足したときに代用食品として開発され普及した短い歴史しかない。
人造バターとも呼ばれることからもわかるように、化学的に植物油脂を固めて味付けしたもので、バターのように有史以来の人体実験で安全性や危険性が検証されたりしている食品ではない。
ところが、常温では固まるバターに較べ、植物性の油は常温では液体である。
そこで、常温でも一定の硬さを保てるように、水素を加えて化学的な処理を行う。
その過程で出来るのがトランス酸という副産物なのだ。
これが動脈硬化のリスクを高める悪玉コレステロール(LDL)の値を高める一方で、善玉コレステロール(HDL)を低下させる、と報告されている。
日本では、代用バターという経済的理由ではなく、動物性のバターより植物性のマーガリンのほうが健康にいい、特に心臓に不安のある高齢者は、マーガリンのほうがいい、と信じられている。
その、健康に良いはずのマーガリンに、心臓病に悪い悪玉コレステロールを増加させる「トランス酸」が含まれていると言うのだ。
もう一度言おう。 知らぬが仏とは正にこのことだ。
アメリカでは同国心臓病協会推薦の「トランス脂肪酸を含まない」とうたった新しいマーガリンがスーパーの店頭に目立ち始めたようだ。(Transfat free)
が、残念ながら日本ではまだ発売されていない。
アメリカでは、今年1月1日から、食品に「トランス酸」の表示が義務付けられた。
では「トランス酸」とは何か。
自然界には存在しない成分で、普通のバターに較べマーガリンに多く含まれているという。
それが心臓病のリスクを高めるという研究成果が、アメリカで2003年発表されている。
研究は、アメリカの女性8万人を対象に行われた。
トランス酸を摂ったグループは、摂取量が最も少なかったグループに較べ心筋梗塞を起こすリスクが30パーセント高かったと報告されている。
では、どうすれば良いのか。
「米食品医薬品局」は、今年の1月1日からトランス酸の含有量を食品のラベルに明記し実施する事を決めた。ることを決めた。
EUでもマーガリンの使用規制が始まっている。
この問題をはじめて報じたのは、週刊朝日の昨年8月5日号だった。
この記事を厚生労働省が知らないはずはない。
「アメリカのホテルではすでにマーガリンが姿を消した」という記事もネットに見えるというのに、厚生労働省は拱手傍観を決め込んでいる。
遅ればせながら日本でも次のような警告の文章がやっと出たが、下記のような緩やかな表現にとどまっている。
【第6次改訂 日本人の栄養所要量】 (厚生省)
『「トランス脂肪酸」は、脂肪の水素添加時に生成し、また反芻胃の微生物により合成され吸収されることから、反芻動物の肉や乳脂肪中にも存在する。トランス酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL-コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。』
お上がこのような態度では、自己の責任で自衛するしかない。
トランス酸はマーガリンだけでなく、クッキーに使われる「ショートニング」にも含まれている。
ショートニングは「サクサクさせる、ポロポロにする」という意味だが、植物油を固形油にする過程でトランス酸を抱え込む。
だからトランス酸から身を守るのは容易なことではない。
どこにでも売られているパン、ケーキ、クッキー、ドーナツ、スナック菓子、フライドポテト、------挙げればキリがない。これらにはトランス酸が潜んでいる。
このあたりを業界団体「日本マーガリン工業会」はホームページで次のように反論している。
「欧米に較べ日本人はマーガリンやこれを使った食品の摂取量が少ないので、心配ない」そうだ。
更に詳しくは同ホームページをご覧頂こう。
日本では年間100万人が病気で死んでいる。
死因の第1位は癌、ついで心臓病、脳疾患の順だが、アメリカでは死亡原因の第一位は、心臓疾患だ。
マーガリンやショートニングがこれに貢献している。
日本も、アメリカの通った道を確実にたどっている。
子供の頃からマクドナルドやケンタッキー、ミスタードーナッツで飼育されているようでは、日本でも心臓病が癌を追い抜く日は近い。
なおトランス酸を一番多く含んでいる食品はファーストフード店で御馴染の「ポテトフライ」でインスタント麺のフライもマーガリンの一種だそうだ。
狂牛病問題を含め、国民の生命や安全を本気で守ろうとい気力が、今の日本には感じられない。
風が吹けば桶屋が儲かる、とは落語のネタだがマーガリンを食べて棺桶屋が儲かると言う話には笑ってはおれない。
★蛇足: 沖縄では「コーヒーシャープ」はコーヒーショップの事。
アメリカ人の発音を真似て表記した「コーヒーシャープ」は軽食堂のことで、コーヒーは殆どの店のメニューには無かった。(注文があった場合はインスタントコーヒーで対応していた)
日本マーガリン工業会
http://www.j-margarine.com/newslist/index.html