狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

たかが野球 されど野球 アメリカンスタンダード

2006-03-14 10:53:31 | 県知事選
一時「日本の常識は世界の非常識」という言葉が流行った事が或る。

米国留学経験者のある、サル有名評論家が流行らしたらしい。

そもそも「世界の常識」って誰の常識?

そんなモノ「世界」にはありやしない。

最近ではこれが「グローバルスタンダード」という言葉に置き換えられる。

では「グローバルスタンダード」って誰が何処で決めたの?

「グローバルスタンダード=アメリカンスタンダード」、これがアメリカの常識。


◆資本主義社会では消費者は王様だ。

消費者の要求は何ものにも優先する。 お客様は神様だ。

が、アメリカにとって「アメリカンスタンダード」は何ものにも優先する。

消費者の日本が狂牛病を恐れて検査基準を出しても、アメリカ独自の検査基準で押し通そうとする。

狂牛病肉は健康・生命に関わる事なので大きな問題になっているが、牛肉だけではない。

この広い地球上(グローバル)でアメリカだけでしか通用しない常識(スタンダード)が無数にある。



◆そもそも、モノを計る基準からしてアメリカ独善がミエミエだ。

mile(マイル、1マイル=約1.6キロメートル)、
Fahrenheit (華氏、摂氏に直すときは(F-32)×5/9で計算)、
gallon(ガロン、1ガロン=約3.8リットル)、
lb.(ポンド、1ポンド=約450グラム)。

戦後アメリカの影響を強く受けた沖縄では今でも1リットルの牛乳と並んで1クォート・サイズ(945ml)の牛乳が売られている。

アメリカ繁栄のシンボル自動車だってそうだ。

アメリカは左ハンドルのアメ車を日本やヨーロッパに売りつけてきた。

それを横目で見ながらトヨタやホンダはお客様たるアメリカの基準に合わせた左ハンドル車をアメリカに売ってきた。

そしてグローバル、・・いや、アメリカンスタンダードの権化GMはトヨタに援助を求める屈辱的事態にまで経営不振に陥ってしまった。

ビジネスの世界だけない。

アメリカンスタンダードは遂に・・・スポーツの世界まで。

嗚呼!野球よ、お前もか!


◆ここまで読んでくれた読者に感謝しつつ、長い前ぶりが続いたが、今から本論に入る。

話題はWBC野球の審判問題。

長年、野球はアメリカの国技とも言われアメリカの文化とも云われてきた。

日本の野球はアメリカの野球をお手本に切磋琢磨して来た。

プレー技術も。 審判技術も。

一方日本の国技相撲の審判制度を見ると・・・。

チョンマゲ頭に羽織袴の検査役は時代遅れの保守的審判制度を連想させる。

が、その保守的見かけの背後で近代的メカニズムがこれを補佐している。

勝負の瞬間をあらゆる角度から捉えたビデオ画像をビデオ室でチェックするビデオ審判員がいる。

物言いがついた一番は当然ビデオ室の意見を参考にして勝負判定をする。

誠に現代的で合理的だ。 相撲が国際化してもグローバルスタンダードになり得る。

ところが日本野球はアメリカに倣ってか、この合理的「ビデオ参考制度」を採用していない。

サッカーの例を待つまでも無く、スポーツの国際試合には審判員は当事国以外の国の審判員が行うのが「グローバルスタンダード」。

ところがWBC野球の試合では37人の審判のうち27人がアメリカ人人審判員だという。

ここにも「俺の決めた法は正しいが、お前等の決めた法には従えない」というアメリカの驕りが垣間見える。

話が突然飛んでしまうが、米軍人が犯した犯罪を日本の法に委ねずに米軍法会議に委ねる、「地位協定」。

これも背後にはアメリカの「聞く耳持たない」精神が宿る。

最後に韓国・中央日報の李泰一(イ・テイル)記者の熱血記事を引用してアメリカの驕りに対する鉄槌としたい。 日本の記者はおとなしすぎる。

≪・・・判定覆しと米国に有利な判定は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を‘世界最高の野球祭り’から‘米国の、米国のための、米国による祭り’に転落させるという論難を招いた。≫

紳士的な王監督や大人しい日本のファンだから「次はリベンジ」で済んだが、これが「アメリカ対ブラジル」のサッカー試合であったら暴動でも起きていたであろう。

たかが野球という無かれ。


          ◇          ◇         ◇


◆判定変更の手順に不手際?=日本の野球規則委員らが指摘-WBC
2006年3月13日(月) 20時30分 時事通信

 日本が米国に敗れた試合で8回、西岡のタッチアップをめぐる判定が変更されたことに、日本の球界関係者も首をかしげた。プロ野球コミッショナー事務局の丸山博規則委員によると、判定を下す過程に不手際があった可能性があるという。
 走者数などの状況ごとに審判のカバー範囲を定めた「大リーグ審判マニュアル」では、満塁時に左翼方向へ打球が飛んだ場合、三塁タッチアップは球審が確認することになっている。しかし、問題の場面では二塁塁審がいったん「セーフ」のジャッジをした。
 一方で、野球規則9・02(c)は、判定を下した審判員から相談を受けた場合を除き、審判員は他の審判員の判定に批評を加えたり、変更を求めることはできないと定めている。今回のケースでは、米国側からの抗議を受け、球審が塁審と協議して判定が覆った。
 丸山規則委員は「二塁塁審がアドバイスを求めたのかどうか。そうでなければ、球審の越権行為になる」とみている。また、事前に行う各審判の責任範囲の確認が不十分なら、審判団チーフの責任は重いという。 

[ 3月13日 20時30分 更新 ]



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