TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

お気軽な世の中

2006-07-21 07:01:30 | インポート
大宅壮一はかつて、テレビ文化が人々に与える影響を「一億総白痴化」と表現した。

私は、インターネットの普及も同様の影響を与え、人間を怠惰にする傾向が
あると思う。誤解がないように言えば、私はネット世代でありネットの利便性を
否定しない。はっきり言ってネットがないと困る。だが、あまりに簡単にネット
を通じて地球上の誰とでも交信が可能な今、人はどんどん不仕付けになっていく。

サイトを持っているとビューワーからメールをもらうことがある。
たいていは犬を飼っている人で、前からちょくちょくサイトを読みにきてくれる
人だ。「XXのことで参考になりました」などと言っていただき、こちらも
役に立つことがあって良かったな、とうれしくなる。

その一方で、明らかに「カナダ」とか「犬」とかの検索ワードでたまたま私の
サイトがヒットしたため、「とりあえずこの人に聞いちゃえ。タダだし」と
いう気楽さでメールを出す人が少なくない。

そんなトホホなメールの例を挙げると、
「カナダで売っているXXを買って送ってください」
全く見ず知らずの人間に、高価な買い物をさせ梱包して送ってくれと、本気で
当然のようにメール一つで依頼する人間って、どんな奴なんだろうか?
「英語の論文を書いています。明日が締め切りなので、間違いを添削して返送
してください」
と50ページにわたる論文を添付されたこともある。まだまだいろいろトホホ
があるが、ちなみにこれらメールの主は小学生でなく、立派な社会人だ。
しかも、これらはイタズラで出したメールではなく、それぞれ本気で私が彼らの
依頼を快くタダで引き受けると期待している。

当然、これらメールは片っ端から削除である。
彼らは私のサイトなど1ページも読んでいないし、「カナダに住んでるなら
このくらいやってくれるだろう」という誠に気楽な気持ちで依頼しているだけだ。
読んでない証拠に、私が現在アメリカ在住であることも気づいてない。
彼らを不仕付けと呼んで、何が悪いだろうか。

私は自分のサイトで金儲けしたことはないし、犬飼いに有益な情報を提供する
ことを目的に開設した。その趣旨に合う協力ならするが、それ以外の依頼は
受ける必要がないと思っている。...と書いたところで、トホホな方々はこの
メッセージを受け取らないだろうが。

いい年をしたオトナまでこんなにお気軽にしてしまったネットの功罪は、大きい。


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