TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

オーデュボンの祈り

2009-01-29 15:07:23 | インポート
先日友人が送ってくれた本の、二冊目。

なかなかシュールでおもしろかった。
みんな共犯、ってのは「オリエント急行殺人事件」もそうだったね。

興味深かったのは、作者はこの小説の中で男性登場人物は全てかなり詳細な
描写をしていて、実際のイメージが目の前に浮かぶようだ。また、美青年が
たびたび登場する。それに対し、女性の描写は大雑把で、若いかそうでないか、
美人か並みか、「ウサギ」のように異形であるか、くらいしか書いてない。
具体的なイメージが全然浮かばない。

ミケランジェロがそうだった。
彼は有名なゲイだが、美少年好みのダヴィンチと違い、美青年好み(つまり、
オトナで筋肉隆々が好き)で、作品にそれがありあり。ダビデを始めとする
彫刻の数々は、彼のモデルに対するパッションが伝わってきてすごい。
それと対照的に、女性はどうでもいいようで、男性の体におっぱいをつけて
「こんなもんでどうだ」ってかんじでテキトウそのもの。ピエタのマリアに
しても、母性は全く感じず、美青年に女装させたようにしか見えない。

人間というものは、自分が関心がない対象については、観察眼が働かない
ものなのであろう。


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Stem Cell Therapy

2009-01-27 17:26:03 | インポート
救世主なのか、それとも。

関節炎で歩行が困難となった犬への幹細胞治療である。
この場合、胎児から作る胚性幹細胞ではなく、犬自身の脂肪組織を外科的に
とって培養したものを使う。それを患部に直接注入する。競走馬では以前
から行ってきたらしいが、ペット犬にやり始めたのは最近らしい。

実際に経験した人によれば、治療の数日後には犬はベッドに飛び上がること
ができたそうだ。もちろん、これはうまくいったケースだが。

倫理面でいろいろ問題があり、人間への応用は疑問視されてきた幹細胞治療。
とりあえず動物でやってみて、どんなもんか見ようか、ってことなのか。

新しいやり方にケチつけると、「古い」とか言われそうだが、でも幹細胞って
特殊な細胞で、分裂増殖をして別の機能を持つ細胞になれるやつでしょ?
ってことは、癌細胞にもなれるわけだ。実際に実験段階で腫瘍になっちゃった
やつがあったというし。安全なのか?

それと犬の場合、気になるのが人間の都合ってやつだ。
件の飼い主は、「歩けるようになったどころか、アジリティ競技にも復活でき
そうなのよ」と言う。

う?ん…
愛犬が痛みで苦しんでいたら、なにをしても楽にしてやりたいのは親心。
だけど、犬への幹細胞治療はまだ良く知られてない。治療費も高額だが、
それをやるということは余程切羽詰っていたはず。私だったら、犬が痛みなく
歩けるようになった時点で良しとし、迷わず競技生活は引退させるだろう。
しかし彼女は明らかに、競技に復活することを前提で治療を決めたのだ。

私にはちょっとできない。犬が可哀想だ。
活発なTABIはこれまで生傷が絶えなかったし、怪我もした。しかし、手術
が必要なほど重い状態には、幸運にも一度もあったことがない。だから、競技
を続けてきた。

メスが入れば、必ずそこを庇うために体にゆがみが生じ、また早いうちから
関節炎が出る。年々マニアックになるアジリティの、しかもチャンピオン
シップのレベルで競技させるのは、あまりにも過酷だ。競技者の中には犬に
強い鎮痛剤を飲ませて走っているのがいるが、私には理解できない。リボン
やトロフィーより、愛犬には元気で長生きしてもらいたい。

そんなわけで、この治療が歩行困難な犬への福音に必ずしもならないのでは
ないかと、危惧しているのである。


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風のガーデン

2009-01-26 18:20:34 | インポート
日本の友人が、録画して送ってくれた。

全く持つべきものは友人である。早速、少しずつ観ている。
もともと倉本聡のドラマというのは、あまり好きじゃない。
出てくる人がみな善人で、最後は感動の渦、っていう設定があまりにウケ狙い
で、初回を見ただけで最終回が予想できる。善人ばかりといえば「寅さん」
もそうだが、あれはコメディだからいいのだ。

でも今回のは緒形拳の遺作となってしまった作品なので、友人に頼みこんで
録ってもらった。やっぱり、ドラマの中の彼は死相が出ている。どんなに
つらかったろうと想像すると、悲しい。

さて、不治の病を持った医者が主人公なので舞台は今のところ病院。
陰の大物株屋が膵臓癌で手術をするのだが、本人は癌だと知らない。これはまあ
日本ではよくあること。開けてみると転移があり、癌は摘出できずに腹腔神経叢
ブロックだけして閉じる。痛みを止めるためだ。ここでビックリしたのは、
患者の唯一の家族らしい娘に、「本当に癌はとれたんですか?とれずに閉じた
んじゃないですか?」と聞かれた麻酔医が、「ちゃんととれましたよ」と答え
ていることだ。

家族にまでウソ?!これはちょっと、アメリカじゃあ有り得ないだろう。
訴訟問題になる。患者は死んだらそれまでだからいいが、家族は生活があるし
お金と心の準備がいる。余命がわからないと困る。うちの親のときはどの医者
もハッキリ言ってくれたけどね。

さて、昔別れた父親が死期近くなり子供に会いに行く、というプロットは
よくある。「House」のエピソードでHouseの弟子Chaseの父がオーストラリア
から息子の勤務先の病院へ訊ねて来るのがある。Chaseは子供の頃両親が離婚、その後
母はアル中で死んだ。だから父を憎んでいる。ドラマ後半で、Houseは父Chase
の秘密を見抜く。「あんた、末期癌だろう。それで最後に息子に会いに来た」

父Chaseは自分はあと三ヶ月の命だが、息子には言うなと口止めする。
頑なな態度の息子Chaseだが、しかし、父は自分と同じ医師となった息子を
誇りに思っているのだ。そして去って行く父。

このアッサリとした終わり方は、湿っぽくなくてかえって良かった。
国により風土により、ドラマの展開はこうも違うのである。


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雪の便り

2009-01-24 17:17:14 | インポート
午前中は暖かで青空が広がっていたのに、午後からは吹雪。

そんな天候でも配達してくれる郵便屋さんは有り難い。
ミネソタから、TABIのA-ATCHの証明書。やっほ?!!すっごく綺麗。
フレームに入れて飾ろう。そして、毎年この時期になると節分のお豆を送って
くれるお友達から、小包。もう本当に、頭が下がる。

いつも彼女は豆とともに、前年話題となった本などを同封してくれるのだが、
今年は二冊あって一冊は上野千鶴子の「おひとりさまの老後」。前にネット上
で書評を見て、おもしろそうだなと思ってたので、早速こっちから読む。

目次から目を通しての印象は、「ひらがなばっか!」
小学生の国語の教科書を読んでるみたいだ。

この女、東大で教授やってんのに漢字書けねえのか?!

帰国子女でもなさそうだし。ま、それはいいが、これは一人で孤独な老後を
迎える可能性のある女性に「大丈夫よ、私の言うとおりにすれば」っていう
指南書のつもりなのだろう。しかし、実際に「安心しました」って思うやつは
少ないに違いない。彼女の勧めるやり方には、莫大なお金が必要だからだ。
年金を一ヶ月百万円もらっている老女の例を出して、「スバラシイ老後です
わね!」と言われても、庶民には「はあ」としか言えまい。

彼女の理想とする快適独身女老後ライフをおくるには、湯水のように使える
資産、健康な頭と体(多少の足腰の弱りなどは可)、自分より健康で長生き
してくれる多くの友人が必須。どれが欠けてもダメだ。その条件を全て満たす
女が、どれほどいるのか。

体は丈夫でも、ボケちゃって夜昼となく友人のもとへ押しかけ、閉口されて
友人を全て失ってしまった場合などは想定されていない。変な商法に騙され
蓄えをなくしてしまうケースも、老人には多い。体だって弱ってくるし、老いて
大病して入院すると認知症が一気に進行する。その時になって介護サービス
つきのシニアホームを選ぼうか、と思ったって、徘徊があるからダメと入居
を拒まれるかもしれない。

彼女は、本当は怖いんだと思う。
一人で老いることが。だから様々調べて、自分を「大丈夫よ」と励ます意味で
本を書いた。だけど、現実は甘くない。そのことを一番良く知っているのも、
誰でもない著者なのであろう。


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おいしい水

2009-01-22 15:00:57 | インポート
美味しい水を求めて、遠出。

このあたりは昔から温泉や天然の湧き水が出ることは知っていたが、ちょっと
車を飛ばせばいろんな味の天然水がタダで飲めるとは。それを教えてくれた
のは、オタワから仕事でこちらに短期滞在していたカナダ人の弁護士だ。
早速、水筒を持って出かけた。

ビジターセンターで聞くと、地図と聞き水用の小さなコップをくれた。
全部で十箇所くらいあるが、あちこち散らばっているので、時間が許す限り
周ることにする。

どこの水も、ロッキー山脈に積もった雪が二万年の年月をかけてゆっくりと
濾過されたもの。だから、公害の心配は全くなし。天然の炭酸が入っている
ので、ぺリエをちょっとうすくしたかんじ。それぞれ場所により微妙に味が
違い、甘かったり酸味があったり、鉄っぽかったり。私も夫もサイダーみたい
な炭酸の強いのが美味しいと思ったが、TABIはやはりあまり個性の強く
ないあっさり系が気に入ったようだ。

今までお金出してぺリエとかサンぺリグリーノとか買ってたが、これからは
空き瓶を持ってきて詰めることにしよう。今日も、地元の女の子がいっぱい
ペットボトルを持ってきて、水を入れていた。

この水は、健康にもことのほか良いそうである。犬にも効くだろうか。
これまでも私たちは、飲み水や料理用、お風呂用の水はフィルターを通して
有害物質を除いたものを使ってきた。が、この湧き水は安全なだけでなく、
体に良い成分がたくさん入っている。次回は、TABI好みの湧き水を容器に
たくさん詰めてこよう。

水が効いたのか、帰宅してからTABIは「遊ぼう、遊ぼう」攻撃だ。
こっちは山歩きで疲れてんのに、ボール遊びに20分以上つきあわされ、もう
くたくた!途中で、「夕飯作るから」と夫に代わってもらった。今、午後の
十時。やっと寝てくれたよ。

ま、元気なのはなにより。
今日も、アメリカのアジリティでは超有名な雑種犬の訃報を知ったばかり。
魔法の水が健康の元なら、いくらでも山に行って汲んできてやるよ、TABI。


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