TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Jasperware

2018-03-31 09:21:41 | その他
クリスマスプレート・シリーズの1976年版である。



いわゆるウェッジウッド・ブルーが、春らしいさわやかな色味を与えてくれそうなので、飾り用として一つ購入。エステート・セールの掘り出しものである。元の持ち主は、このシリーズの初めからずっと収集していたらしく、ほとんどの年代が揃っていた。カナダに多い、イギリスからの移民だったのかもしれない。

二十代の初めにロンドンで、ジャスパーウェアに出会った。イギリス独特のどんよりした空と対照的な、すがすがしい青とモチーフの白が印象的だった。ジャスパーのカメオのネックレスを一つ買って実家の箪笥にしまっていたのだが、のちに泥棒が入って貴金属類をごっそり盗まれ、その中にカメオも入っていた。このクリスマスプレートを見たとき、遠い昔に失ったジャスパーに再会したような気分になった。

このプレートの絵柄は、ハンプトンコート。あの無茶苦茶な人生を歩んだチューダー王、ヘンリー八世がウルジーからぶんどった宮殿である。ロンドンから日帰りで行けるので、一人で観光してきた思い出がある。

ウェッジウッドは経営破綻となり、クリスマスプレート・シリーズはもう作られていない。ジャスパーの青色、盛者必衰の理をあらはす。この世には、永遠に続くものなど存在しないのである。


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Downsizing

2018-03-28 13:52:37 | その他
Go get small!!

Matt Damonがコメディで光るのは前から知ってたけど、これもおもしろかったね。だけどやっぱ、ベトナム女性を演じた女優においしいところはもってかれちゃったかんじ。

地球資源を守るために人間をミニチュア化する、ってアイデアは昔からあった。体が小さくなれば大きな家も車もいらないわけで、生活費もぐんと少なくなる。。。ってそんな現実にうまくいくかどうかは別として。最近はなんでも余分なものを切り捨ててダウンサイズするのが流行りだから、その一環として人間も、ってことなのかな。

だけどあんなに小さくなったら、普通の大きさのゴキブリに食われちゃうかも。


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House of Lies

2018-03-23 13:31:32 | その他
約束の時間にレストランへ着くと、彼女はすでにテーブルについてお茶を飲んでいた。

私の姿を見ると、「良かったわ、あなたの都合がついて。『妻は忙しくて同席出来ない』って聞いてたから、今回は会えないのかと心配してたのよ」と、その女性。私は心の中で、「え?『お前は一緒に来なくていいよ』ってしきりに言ってたのは、夫の方なのに」と不振に思う。私の横で夫は、表情をかえずにテーブル脇の暖炉の火を見ている。

その女性は、夫が若いころ初めての任地先で知り合い、彼が転勤になるまで交際していたいわゆる元カノである。その後はお互い西と東に分かれてしまい、彼女は結婚。夫も、私と結婚したのだが、結婚後も彼女の写真を大切に持ち歩き、応接間の壁にも大きくプリントした彼女の写真を飾っていた。彼女はいわば、夫の「心の恋人」である。

夫はFacebookで昔の同僚たちを探し出し、彼らを通じてさんざん苦労して元カノの連絡先をつきとめた。そしてその後は、メールや電話で密に連絡をとりあってきたらしい。昨年、彼女の配偶者が病死し、その前後はうちの夫が彼女の心の支えとなってたらしく、「彼の献身的なサポートがなかったら、今頃私はどうなってたことか」と彼女は言った。

たまたま彼女が出張でこの近くに来ることになり、夫が「ぜひ会いたい」と彼女に懇願して、今回の再会となった。私はほんの偶然からこの逢瀬を知ってしまい、夫と同伴することにしたのだ。しかし再会時の二人の様子からして、明らかに彼らは二人きりで会うことを予想していたようだ。

そりゃ無理もない。
元カレから熱烈なラブコールを受け、「君に会いたいんだ!」と言われたら、たいていの女は「あの人、私にまだ気があるんだわ」と思うだろう。

「昔は良かった」と言い出すと、トシをとったと言われる。
が、男というものは、若く希望があった時代をいつまでもなつかしみ、なんとかしてその時代へ戻るきっかけをつかもうとする動物だ。今の時代はSNSという便利なツールのおかげで、昔の恋人を探し出して往年の炎を燃やすことが可能なのだ。

この二人が恋人だったときから三十年ちかくの月日が流れ、彼女は体重が大幅に増えてレストランの椅子にお尻がおさまらず、しょっちゅう姿勢を変えながら会話していた。昨年の配偶者の死から、一気に体重が75ポンド増えたという。糖尿病の疑いで、通院しているとのことだった。うちの夫も中年となりハラが出てきたから、お互いさまだろう。昔の面影よ、いずこ、ということか。

別れ際、彼女は私たちにこう言った。「今日はとっても楽しかったわ。ぜひまた近いうちに会いましょう!」

私は「二度目は、ないよな」と思いながらも満面の笑みで「そうね、またお食事一緒しましょう」と握手し、レストランのドアへと向かった。


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思い出ワイン

2018-03-19 12:58:22 | TABIのいない日々
今日は、TABIの十一回目の月命日。



今夜のTABIご飯は、ポークソテー。
私達夫婦は菜食なので、ずっと肉はTABIのためだけに買っていた。TABIがお空へいってからは滅多にお肉屋さんに行かなくなったため、最近の肉事情にうとい。今日このご飯のためにあちこちお肉を物色してたら、ホルモン剤などを使わず自然に育てた豚の肉を、なんとウォルマートで売っていたのだ!

ふつうの豚肉に比べたら高いが、今日はTABIちゃんのために特別なので買ってみた。焼き上がりは柔らかくジューシー。たくさん食べてってね。明日は、このお肉を使った野鳥のエサを作ろう。

さて、今月の新着記事はブラックベリーワインの作り方。
TABIを連れて、よく森にベリーつみに行ったものだ。暑い夏の日の、枯草のにおいを思い出す。最後にTABIとつんだベリーで作ったワインが、まだ何本か残っている。甘酸っぱくて、ちょっぴり涙の味がする。


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ガーデン・ランチ

2018-03-18 14:05:12 | TABIのいない日々
ガーデン・ランチにお呼ばれ。

春まだ浅く、凍った土から顔を出しているのはクリスマスローズと、クロッカスくらいなもの。でも、良いお天気に誘われてマルハナバチが忙しく飛び回っていた。

まず食前酒は、リモサ。



リモンチェッロとスパークリング、レモネード。サッパリして、やさしい味。

私のメインは、オヒョウのほほ肉をトマトソースで煮込んだパスタ。



アンチョビとフェネルが隠し味。オヒョウのほほ肉は、まるで柔らかく煮込んだ豚肉のような食感で、黙って食べたら魚とは気が付かないだろう。なかなか手に入らないが、今度探して料理してみよう。

TABIパパは、スモークサーモンのen croute。



旬のアスパラと、セロリアックの浅漬けが上品な味。

デザートは、私はショコラトルテ。



黄色く見えるのは、純金の粉でございますよ!ヘーゼルナッツが香ばしく、ブラックベリーのシャーベットがオトナの味。

TABIパパは、レモンとアーモンドのタルト。



イチゴとルバーブのジェラート、イチゴのソースが抜群の相性。

まだ吹く風は肌をさすけども、春は確かにそこまで来ている。
春よ、来い。はやく来い。


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