TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

親の心子知らず

2001-06-30 06:57:26 | インポート
朝からバタバタと大急ぎで家事をこなし、TABIを長い散歩に連れていく。

今日は夕方、友人夫婦と待ち合わせて外食し、そのあとショーを見に行く
予定。帰りは夜遅くなるから、日中なるべくたくさんTABIを運動させなければ
ならない。

私たち夫婦は、もともと夜遊びをあまりしないのだが、犬を飼い始めてから
とくに夜出かける回数が減った。エサをあげたり散歩に連れていったりと、
毎日のルーティーンがあるから、その日の気分でふらりと外食したりできない。

今日のように前から出かける予定を組んでいるときは、あらかじめ留守中の
TABIのエサをどうするかとか、運動の時間をいつとるかを決めることに
している。

今回は、午後一番にTABIを森と湖でたっぷり遊ばせることにした。
森を駆け回っている間は良かった。しかし、湖でさんざん泳ぎ、水から
上がったTABIの足は、真っ赤な血で染まっていた。

右前足が、ピラニアに噛まれたようにざっくりと切れていた。
「またやっちゃったよ」
と、TABIの目。
散歩を中断して、血をぼたぼた流しながら家まで歩く。

血のわりには傷はたいしたことなく、獣医さんからもらってあった傷薬を
塗って、傷の保護のためにブーツをはかせる。
庭でキャッチボールもしてあげようと思ってたのに、これじゃ無理だ。

長いお留守番の前に充分遊んであげる計画を立てていたが、こんな事故のため
におじゃんになってしまった。TABIは、痛い足をかかえてクレートでひたすら
お昼寝するしかない。
親心が裏目に出てしまった。でもま、仕方ないよね。


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グルーミング初体験

2001-06-29 13:10:43 | インポート
TABIを犬のグルーマーさんのところへ初めて連れていく。

グルーミングなんて、ショードッグや室内犬のためのもので、うちには全く
縁がないものだと思っていた。

だが、TABIのように長毛でしかもウェーブが強いと、すぐからまってボサボサに
なってしまう。普通にブラシをかけただけでは、きれいにならない。
一度プロの仕上げを見て、それを参考に日々の手入れをするのも良い方法かも
しれない。

といってもなかなか機会がなかったのだが、今回思いきって予約をとった。
このところ忙しくてシャンプーしてやれなかったので、いいタイミングだった。

予約した時間に連れていき、2時間後に迎えに行った。
出てきたTABIを見てビックリ!!
まるで別犬。ものすごくきれいになっている。とくに、白い部分がピカピカ。
絶対に櫛が入らないと思ってた巻き毛が、きれいになでつけられてツヤツヤ。
さすがプロは違う。
不揃いの部分もきれいにトリミングしてもらい、惚れ惚れする出来だ。

「この子はおとなしくて、やりやすかったわ」
と、グルーマーさん。
ウソだ、いつも手こずらせるこいつが?!でも、ほんとにされるがままだった
そうで、2時間の予定がずっと早く終わったので、料金も当初言われたものより
おまけしてくれた。やはり相手がプロだと、犬も態度を変えるのか。
私やTABIパパだと、バスタブの隅っこに張りついて固まってしまい、細部を
洗わせてくれない。ドライヤーを取り出すと、全速力で逃げる。

料金は、税込みで約$40。
正直言って私の美容院代より高い。犬なのにゼータクかも。
しかし、やっぱり素人じゃここまでできないし、このプロの仕上がりを
見たらたまにはお金をかけてもきれいにしてやりたいな、と思うのである。


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奥さんはつらいよ

2001-06-24 10:30:00 | インポート
日本の友人で、独身時代総合商社に勤めて職場結婚した女性がいる。

彼女から、商社マンの奥様連中のお付き合いがいかに難しいか、よく聞かされた。
夫の役職が、ストレートに妻のランクに影響する。平社員妻は部長妻に頭が
上がらない、掟破りは見せしめの刑が待っているという、涙なしでは聞けない
(可笑しくて涙が出るわけ)お話だ。

ふ?ん、大変だね、うちの亭主はカナダ人だし、公務員だからそういう苦労は
なくて良かったよ。
…と、私は他人事として聞き流していた。
ところが。

TABIパパが昇進して状況は変わった。
部下の数がこれまでより一挙に増え、責任がぐんと重くなった。
しかも、私もそれらしく振舞わなければいけないらしい。
具体的には、TABIパパの部下の妻たちとは、一線を引いたおつきあいを
しなければいけない。彼女たちと気軽に行き来するのを止めるかわりに、
今度はTABIパパの上司連中の妻たちのおよばれに顔を出したりして
社交につとめるのだそうだ。

私は江戸っ子下町娘だから、そういう
「たくの主人はXXざます」式の高ビな態度は嫌いだ。
みんな仲良くすればいいじゃないか。
だから、今でもそうしている(笑)

今日も奥さんAに花の苗を分けてあげたし、木曜日は奥さんBとご飯を食べに
行く予定だ。見咎められたら、
「あら、いけなかったんですか?私、日本から来たからわからなくて…」
と言って逃げるつもり。
こういう時、ガイジンは便利だ。


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豊かさの影で

2001-06-22 13:48:13 | インポート
午後5時。
市内のショッピングセンター地下にある噴水広場で、私は人を待ちながら
プレゼンテーションの原稿に目を通していた。

中学生の少年3人組がエスカレーターで降りてくる。
一人はスラッシュ(かき氷とジュースを混ぜたようなもの)を飲んでいた。
そして私のそばを通りざま、2メートルほどの距離から1/3ほど中身が残った
コップを私に向かって投げつけた。
あたかも私がゴミ箱であるかのように。

3人組みはその後、1ドルショップ(日本の100円ショップに相当)に入り、
数分して出てきた。その様子を見て、
「あ、あいつら万引きしてきたな」
と、ピンときた。

さらに彼らは、噴水の前にかがみこんで水の中に両腕をつっこんだ。
「トレビの泉」式に、人々は噴水にコインを投げる。少年たちは、
底に沈んだコインをかき集めると、ゲームセンターの中に消えた。

とまあ、こんな悪ガキはどこにでもいる。
だが、この少年たちはいわゆるストリート・キッズ、つまり穴のあいたジーパンに
ヨレヨレのTシャツ、貧民街で育って小遣いがないから盗みを働く輩ではない。

ナイキの新モデル、ブランド物の服、きれいにトリミングした金髪、
ミルク色の肌。どこから見ても裕福なおぼっちゃんたちだ。
親はミドルクラス以上(日本の「中流」とは異なる)、高級住宅街に住み、
週末は湖畔の別荘で過ごし、バカンスは地中海クルーズ。
少年たちは有名私立校に通い、16歳の誕生日には新車をプレゼントされるのだろう。

金に困っていない彼らが、くだらない軽犯罪を犯し続ける。
しかも、この3人組みは終始無言、能面のような無表情なのだ。

狂っている。
一見理想的な家庭に育ち、学校でも家でも「良い子」を演じる彼らの心の中で
密かに悪性腫瘍が増殖している。親も教師も気づかぬまま。

そして彼らは、将来親と同じように弁護士や実業家になり、高級住宅街に家を
構え、幸福そうだが実はハリボテのように空虚な家庭を築くのだろう。
その子供たちもまた、空しさを紛らわすために影の世界でチンピラごっこを
続けるのだ。

つかまっても平気。パパが優秀な弁護士をつけて、何事もなかったことに
してくれる。

豊かさの影で育つ悪… カナダの闇の部分は、ここにある。


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突然ハリウッド

2001-06-19 03:12:31 | インポート
車で市内に出て、海をのぞむ遊歩道でTABIを遊ばせる。

夏のバカンスシーズン到来で、もうすでに観光客目当ての人力車がたくさん
走っている。客船がよく停泊する桟橋に人がうじゃうじゃいるので行って
みたら、真っ黒い潜水艦が。

カナダ海軍所属ではないが、軍関係の艦っぽいこしらえだ。
海に潜って偵察するのが仕事の潜水艦が、こんな人通りの多いところに
ぷかぷか浮いているのはおかしい。
やじ馬に聞いたら、ここで映画の撮影中なのだという。

ハリウッドでは、映画関係者組合のストが続行中。撮影ができない。
それでも撮影予定は消化しなければならないので、制作スタッフと俳優は
はるばるカナダまで来て撮影しているのだ。
実際、カナダではよく映画やテレビが撮影される。人気番組The X-Files が
バンクーバーで撮影されているというのは有名だ。

ここ数ヶ月、この港町では
「ハリソン・フォードとすれ違った」
「マライア・キャリーがあのバーにいたぞ」
などという噂でもちきりだ。
他にも、ケビン・スペイシー、ミラ・ソルビーノなど有名俳優たちが一流ホテル
に撮影のため長期滞在している。

気候のいいハリウッドから、こんな北の最果てに連れてこられた俳優には気の毒だ。
が、撮影スタッフにとっては、ここは結構都合がいいのかもしれない。
海あり、山あり、森や湖あり。高層ビルの並ぶオフィス街からヨーロッパ風の
しゃれたカフェやビストロが見つかる一角あり。そして、気まぐれな気候は
雨のシーンや夏日のシーンなどバラエティに富んだシーンの撮影を可能にする。

アゴに傷跡のあるサングラス男がいたら、それはハリソン・フォードかも…
なんてね。


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