TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

Everything Everywhere All At Once

2023-05-14 05:06:35 | 映画
今年のアカデミー賞を7つも受賞した映画ということで、夫が選んだ。

うーん、長い!
そして、話がこんがらがってる!

要するに、多次元宇宙を行き来するファンタジー。
若いときに駆け落ちして中国からアメリカへ移民したEvelyn は、小さなクリーニング屋兼コインランドリーの経営に追われている。中年となった彼女と夫は離婚の危機にあり、高齢の父親の介護に加え、一人娘は白人女性とレズビアン関係。彼女の唯一の逃げ場は、テレビでロマンス・ミュージカルを観ることだ。

そんな彼女が、家族と一緒に訪れた税務署の中で突然、多次元宇宙へ飛ばされ、今の自分が住む次元の他にも何百という多次元宇宙があり、Evelyn はいろんな可能性を秘めていることや、それぞれの宇宙がつながっていることを教えられる。。。

ま、笑える部分はいっぱいあるんだけど、華僑やアメリカの中国系移民の知識がないとよく理解できないシーンが出てくる。還暦のMichell Yeohがカンフー映画俳優から歌手、料理人など多次元内のいろんな可能性を演じる努力は称賛に値すると思うが、映画自体がなぜオスカーをとれたのか?よくわからない。もっといい映画があっただろうに。素人にはわからない、オトナの裏事情があるのだろう。

内容自体はあまり印象に残ってないが、忘れられないセリフが一つ。

Evelynの現在の宇宙での夫が、他の宇宙では裕福な華僑の実業家として登場する。そこでは彼女自身は、世界的に有名な大女優だ。お互いに惹かれ合いながらも、結ばれることのない二人。そりゃそうだろう、野心ある女優と、同じように野心のある実業家とでは、一緒になったところで破局が目に見えてる。

二人が別れる際に、彼が言う。
"In another life, I would have really liked just doing laundry and taxes with you"

実際のセリフは中国語だが、英語字幕によればこう言っているらしい。
この次元の宇宙では一緒になれないけど、別の次元の宇宙では平凡な人間に生まれて、夫婦でクリーニング屋でもやって二人で税金申告なんかやって仲睦まじく暮らせるかもね、ってこと。

これを聞いて、Evelynはハッと気づく。
名声やお金や華やかな世界が幸せの全てじゃない。貧乏で退屈でなにもパッとしたものはないけど、愛する家族が一緒にいる世界が一番いいんだ、と。

この夫役のQuanが、すっごく演技がいいのだ。
彼は子役時代に、インディー・ジョーンズ映画で一躍有名になったが、その後は映画の裏方の仕事をしていた。この映画に抜擢されて、俳優に戻ったのだ。冴えない中年夫から、パリッとした華僑、カンフーマスターまで多彩な人物を演じている。華僑役の彼が、ゴージャスなパーティー会場で恋人のEvelynを待ち、やっと彼女と目が合ったときの笑顔!これ個人的にオスカー・モーメントだね。

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