TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

いやなやつ

2010-04-29 11:48:14 | インポート
どこにでもいるものである。

お天気が良いので、夫婦で庭の手入れ。
TABIはおとなしく木陰でおりこうにしていたので、夕方まだ早いうちに
公園までお散歩に連れて行ってあげた。公園の入り口には年取ったゴールデン
がいて、私達を見るとニコニコして走って(本犬は走っているつもりなのだが、
体がついていかなくて歩いているのと同じスピード)きた。

見覚えがあると思ったら、NICKYだった。彼女はたしかTABIと同じ
十歳だ。いつもの飼い主さんでないので話をしてみると、飼い主さんのお父さん
だという。「いつもは娘が散歩に連れていくんだけどね」

犬の年の話になり、「うちでは昔、ダックスを飼っていたけど、みんな十六歳
から十七歳くらいまで元気で暮らしたよ」とのこと。

そんな話をしながら犬と遊んでいると、不機嫌そうな男が近寄ってきた。
「犬にリードをつけないのは条例違反だってこと、知らないのか」

あ?あ、またかよ。
子供も誰もいない公園で、よく躾された犬同士が仲良く遊ぶことになんの問題
があるのか。この男は公園のすぐ向かいに住んでいて、ヨーキーを飼っている。
NICKYの飼い主のお父さんは、男が去ってから「あいつのヨーキーは
一日中つながれて、ろくに散歩にも連れていってもらえない。どっちの犬が
幸せなのかね」と、ニガニガしく言った。同感。

「今頃あいつは市当局に電話でチクっているだろうから、残念だけど今日の
ところはこれで帰るしかないね」と言って、私達はみな家路へ。もっと
遊びたそうな犬達が、ちょっとかわいそうだった。


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雪夢

2010-04-29 11:33:21 | インポート
早朝、どうも寒いなと思って外を見たら、雪。

大きなボタン雪があとからあとから降り、庭はすっかり雪景色になっている。
つい昨日までは半そでで芝生の手入れをしていたというのに。

アメリカでかかっていた歯医者さんから連絡があり、つい先日受付の女性と
話をしたばかり。カナダはどう、と聞くので、「そっちに帰りたくってさ」
と言ったら「こっちは雪が降ったのよ。夏から冬に逆もどりよ。カナダの
ほうがあったかいんじゃない?」だって。

そんな話をしたあとに、この雪である。


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死ぬ権利

2010-04-24 13:24:58 | インポート
社会運動家Bernice Packfordが亡くなったことを、ネットで知る。

彼女のインタビュー記事を読んだばかりなので、ちょっとびっくり。
95歳の彼女は、自殺幇助の合法化を訴え続けてきた。記事によると彼女は
自宅で死亡しているのが発見されたというが、死因については当局は何も
触れていない。

明らかに、プロの仕事である。彼らは、証拠を残さない。
願いがかなって良かったではないか。だが彼女のように有名人ならいくらでも
ツテを頼って願いをかなえることができようが、一般庶民はそうはいかない。

これをきっかけに、早く自殺幇助が合法化されて欲しいものである。
アメリカじゃあオレゴン州がすでにやってる。カナダも続くべきだ。


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究極の過保護

2010-04-24 13:12:46 | インポート
美容院で、人間ウォッチング。

私をいつも担当してくれるのは、ベトナムからの移民女性。彼女は東洋人の
髪の扱いが得意なだけでなく、仕事が丁寧で気に入っている。

今日行ってみると、インド系の家族連れが待合室を占領していた。美容師は
受付で、「急にすぐにやってくれって言われて。ごめんなさいね、この家族
のあとにすぐあなたを入れるから」とすまなそうに言う。時間はあるから
いいのよ、と言って、私は待つことに。

インド系は妻のほうは英語の訛りがなく、おそらく移民第二世代。夫のほうは
インド訛りガンガン。だが双方ともビジネススーツに金のアクセサリー、
帰りはメルセデスに乗って帰ったところを見るとホワイトカラーのエリート
らしい。彼らの息子達は、店内を走り回って商品をいたずらするわ、奇声を
あげるわ、やりたい放題である。

お兄ちゃん(たぶん中学生)の散髪の番になると、椅子にかけた息子を両親
が取り囲んだ。私を含め他の客や美容師達が何事かと見守るなか、夫のほうは
「ここを5ミリ、ここからここまでは…」と美容師に細かく注文を始める。
妻のほうは「まだハサミを入れないで!この子がじっとするまで待つのよ。
今よ!今」と、息子につきっきりで監督している。

弟の散髪も同様で、店内には両親が次々に与える指示がこだまし、客も店員も
この異様な事態にあっけにとられるばかり。たかが散髪に親がここまで干渉
するとは、この子達は脳に異常でもあるのか?

最近は異常に過保護な親が増えた、と教員をしている友人がこぼしていたが、
これでは驚きを越えて吹き出してしまう。

それと、このインド系は最近多い移民間差別の典型でもある。
アメリカもカナダも昔から人種差別は深い問題だが、カナダは移民が増えた
今では、移民同士の間でのイジメが横行している。このケースでも、インド
系がわざわざベトナム女性を生贄に選んだのは、彼女が第一世代移民で英語
がたどたどしく、いじめがいがあるからである。ホワイトカラーの自分達
は、同じ移民系でもブルーカラーで言葉に自信のない彼女を手荒く扱っても
当然だ、という意識のあらわれだ。白人の美容師相手では、さすがにこんな
マネは彼らにもできなかっただろう。

救いは、ベトナム女性の明るい性格。お会計の時にはクーポンたくさん
もらっちゃった。


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セラピー犬…奇跡

2010-04-23 06:35:48 | インポート
そのお爺ちゃんは、口をきかない。

いつも一人で、ウォーカーによりかかりながらとぼとぼと歩いている。
目はうつろ。話しかけても、反応がない。

TABIはお爺ちゃんを見ると、尻尾を振って近寄った。
するとお爺ちゃんは、そろそろと身をかがめてTABIの頭をなでたのである。
「良い子だ、良い子だ」とつぶやきながら。

ナース達は、口々に「びっくり!」「信じられない…」と、お互いを見やる。
これまで、誰のどんな話しかけにも反応しなかったのだそうだ。

それからお爺ちゃんは、他のお年寄り達に混じって犬芸を披露するTABIを
鑑賞。お年寄り達が拍手をすると、お爺ちゃんは目はうつろながら両手を
合わせて拍手の動作をする。ナース達はまた、「すごい」「奇跡ね」と
目を見張る。

昔飼っていた犬を思い出したのだろうか。
痴呆老人の心の中は、誰にもわからない。だけど、犬にはきっと、寂しい
心のうちを感じることができるんだろう。


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