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TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

旅立つ友

2025-06-29 23:35:45 | その他

日曜なのでゆっくりブランチの支度でも、と思ってたら電話。

うちから車で5時間ほどの田舎町に住む、三十年来の日本人の知人である。

彼女は私がカナダに来て間もないころからの知り合いで、私より十歳以上も年上。だけど、やはり日本からカナダに来てカナダ人男性と結婚し、いろいろ苦労もしたので、共通する話題がある。当初は私たち夫婦も近くに住んでいたので、よく行ったり来たりした。TABIパパの転勤で離れてからは、私からはずっと年賀状を送っていた。向こうからも時々、電話で近況報告をしてくれた。

その彼女が、とうとう日本へ永住帰国をする日が決まったという。

一昨年、長年連れ添った旦那さんが短い入院の末に亡くなった。彼女よりずっと年上の旦那さんは、あと少しで百歳に手が届くところだったから、まあ大往生だろう。息子夫婦や孫も近くに住んでいるのだが、今ではほとんど行き来がなく、ずっと一人で孤独だと、よく電話でこぼしていた。私からは、少しは心の慰めになるかと日本のお菓子や食品(チキンラーメンとか)を箱詰めにして送ったりもした。

でも、やっぱりこのままでは老後が心配なので、日本へ帰る決心をしたのが昨年の末。

日本には、高齢だが兄弟姉妹がおり、姪や甥もいて、幸いにも「いつでも帰っておいで」と言ってくれたそうだ。そこでいろいろ書類手続きを始めて、なんとか帰国のめどがついたので日本ゆきの航空券を予約したばかりとのこと。

息子夫婦は、全く引き止めなかったそうだ。サッパリしていいじゃん。

皮肉なのは、彼女はカナダで結婚してしばらくしてから日本国籍を捨て、カナダ国籍をとった。そして、私に会うたびにこう説教したものだ。

「カナダにお嫁に来たんだから、もうここに骨をうずめる覚悟しないとダメよ。あなたも、日本人であることを捨てなさい!」

私は、頑として聞かなかった。私は、日本人として生まれ日本人として死にたい。たとえどこの国で息絶えるとしても。従って、私はカナダの永住資格はとったが、国籍は日本のままである。これなら、いつカナダを捨てて日本へ帰る日が来ても、すんなりと入国できるのだ。日本の親が亡くなったときも、娘である私が日本人だから手続きが複雑にならずに済んだ。

そんな彼女が、結局は最終的にカナダを去ることになった。人生とは、まことに不思議なものである。

彼女はもう日本人ではないので、入国は外国人観光客として入り、滞在中に日本国籍をとる手続きを始めることになる。銀行口座を開いたり、年金受け取りの手続きをするのはその後の話だ。

想像するだけで大変そうだが、ま、なんとかなるだろう。

私は東京出身だが、彼女は北国なので、もう二度と会う機会はないと思う。今日のように気軽に電話で話ができるのも、最後だ。

三十年もの長きにわたり、細々と続いた友好がこれで終わる。さみしいが、仕方がない。

彼女の行く末に幸いあらんことを。


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8年の重み

2025-04-19 12:43:59 | TABIのいない日々

長いような、短いような。

毎年の天使記念日の前夜は、「ああ、X年前の今はあの子がいたのだ」とつい考えてしまう。考えたところで、どうにもならないのはわかっているのだが。子を失った親というものは、その子を思わずにいられないものなのだ。

さて今日は土曜日なので、夫婦でなじみのお寿司屋さんで松花堂弁当のランチ。

 

ここは日本人の板さんがやってて、キッチンのスタッフもみな日本人なので、安心して食べられる。市内まで車で一時間かかるが、それだけかけても行く価値はおおいにあるのだ。二十年くらい前はカナダでも大きな都市なら、日本人の板さんがいる料理屋がいっぱいあったのだが、今ではどんどん中国や韓国のビジネスになってしまい、「なんちゃって日本食」ばかり。なんと、ここのように日本人が経営していて板さんも日本人という店は、ここではただ一軒だけなのである。

デザートには一口サイズの桜餅がついており、うれしい。板さんによると、やはり日本人のお客さんに好評なのだそうだ。このランチの餅は道明寺だが、私は江戸っ子なので、桜餅というと向島の長明寺さんのあのでっかい桜の葉につつまれたやつをよく食べたものだ。桜の季節にはもう日本へは帰れないだろうから(だって、桜目当ての外国人観光客であふれてて、飛行機がとれない)、まだ寒さの残るカナダで、こうして桜餅をいただいて春の気分を味わう。

夕食は自宅で。今年のシャンパンは珍しくカナダ産。

昨今はトランプの関税に対抗してアメリカ産を置かない店が増えており、もうナパバレーからの安価で美味しいスパークリングが飲めないんだよ(涙)。ま、でもこのスパークリングは、きめ細かい泡といい、滑らかな味わいといい、決してまずくはなかった。つめたーくして飲むのが、コツ。

 

もちろんTABIにも、前菜のスモークサーモンをおすそ分け。大好きだったものね、サーモン。

さて、昨年の記念日は知り合いのラブラドードルをあずかっていたのだが、今年はお隣のトイプードルの女の子がお客に来ている。昨年の秋にも来た子で、若いので元気に飛び回っている。家の中がパッと明るくなった気がする。あまりしめっぽい天使記念日にならないように、去年からこうやってTABIがいろんなワンコを送ってくれてるのかな。

ありがとね、TABI。いつもパパとママのこと、気にかけてくれてるのね。やさしい子だったもんね。

ところで!

なんとこのgooブログがサービス終了とのお知らせ。

また引っ越しかよ。まあ閉鎖まであと何か月かあるから、ぼちぼち準備しなきゃね。


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今年の抱負

2025-01-01 12:53:35 | その他

すべてがうまくいく

望む未来は、すでに存在している。


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プチお客サマ

2024-10-12 12:09:04 | TABIのいない日々

カナダの感謝祭で連休の今週末、我が家にお客サマが来ている。

 

お隣のうちの、トイプードルの女の子。

まだ3歳なのでチャキチャキで、家中を走り回っている。とっても小さいので、掃除機をかけるときにうっかり吸い込まないよう注意している(笑)

 

前にも何度か預かったので、この子も慣れていてまるで自分ちというか別荘みたいにリラックスしているから笑える。

 

お隣のうちは子供二人を連れて、今週末は旦那さんの実家で過ごしている。いつも泊りがけで出かけるときは、洗濯室にトイレシートを敷きつめ、餌と水を置き、犬を入れてドアを閉めて出るのだそう。だけど今回は5日以上も留守にするので、さすがにそれはかわいそう。で、うちで預かることにしたのだ。

 

おとなりのうちは子供がまだ小さい上に夫婦共働きなので手が回らず、犬を散歩につれていくとか庭で遊ばせるとかは全くやらない。だけど我が家にお客に来たからには、我が家の方針でなんでもやる。まず、リードをつけて歩くことから教えなくてはならず、初めて預かったときはちょっと大変だった。

 

でも、今はだいぶ慣れたみたい。

 

今回の議題は、車に乗せて買い物につれていくことだ。

 

なんせ車に乗ることにあまり慣れていない子なので(たぶん、車に乗るといったらグルーマーや獣医に行くときだけ)、もう興奮しちゃって大変。キャンキャン鳴きながら窓から飛び出そうとするので、ハーネスをしっかり握ってないと駄目なのだ。ま、それもなんとか一日目の終わりには慣れてきた様子。

 

今、さすがに疲れたのかピンク色の自分のベッドでスヤスヤと眠っている。静かなときが一番かわいいよね。やれやれ。

 


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ポッポちゃん その4

2024-07-20 09:27:16 | ガーデン

今朝は、ポッポちゃんの姿がなかった。

 

水も餌も、全く手を付けていない。フンもしてなくて、久しぶりにキレイなデッキだ。

 

お昼ごろにはまた来るかな、と話していたのだが、訪れるのは相変わらず野生動物ばかり。「やっと旅立つ決心がついたのだろうね」と、夫婦で顔を見合わす。お隣の旦那さんは、「今朝早く、白っぽい鳥が西に向かって飛んでいくのを見たよ」と言う。ポッポちゃんかな。無事に帰れるといいね。

 

ポッポちゃんのおかげで、伝書バトについていろいろ調べて勉強になった。

 

日本では、伝書バトを輸送する専用の箱があるのだそうだ。

これに関してはこの記事に詳しく書かれてあるのだけど、鳩を送る輸送会社がペリカン便っていうのが笑える。おりこうな伝書バトは、おとなしく箱に入って長旅ができるのね。

 

ちなみにアメリカやカナダでは、鳩を段ボール箱に入れて宅配輸送するのは禁止されている。国土が広いから、東から西まで輸送するのに何日もかかって鳩の命が危うくなるだろうしね。

 

迷子の鳩って、どのくらいいるんだろうか?

 

と調べて見つけたのが、この記事

 

北海道で放たれた日本のレース鳩(当時1歳)が、なんと7,000キロも離れたカナダの西海岸で発見されたという。飛べないくらい弱ってて、見つかった空軍基地から鳩の保護団体へうつされ、動物病院で寄生虫駆除などの処置をしてもらったり食べ物を与えられたりして回復。足輪から飼い主が判明した。

 

日本の飼い主さんはビックリしたらしい。まさか太平洋を越えていくなんてね。しかも、一週間以上もほとんど飲まず食わず。ま、途中で輸送船とかに降り立って休憩したんでしょうけども。

 

飼い主さんは喜んだけど、鳩を日本へ返すにはまた飛行機を乗り継いでの長旅。やっと健康が回復したばかりのこの子に、大変なストレスだ。生きて帰れないかもしれない。ということで、カナダのレース鳩団体に里親になってもらうことにしたらしい。

 

ところがカナダの検疫は、「ちゃんとした検疫証明書がないから、入国は許可できない」と言って殺処分を決定。えーっ、せっかく大変な思いをして助かったのに。。。役人ってやつはよ。

 

そこでカナダのレース鳩団体がかけあって、鳩の健康状態が今では良好なことなどを理由に説得し、なんとか殺処分を逃れたのだそうだ。めでたし、めでたし。

 

ちなみにこの子のお母さん鳩は、同じレースに一緒に出て優勝したとか。とてもいい血統の鳩さんなのね。太平洋を渡るという前代未聞のことを達成したのだし、この鳩の子孫は優秀なレース鳩となることでしょうね。

 

ポッポちゃんは、羽を一枚のこしていった。

元気でね、ポッポちゃん。また迷ったら、うちでご飯食べてってね。


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