園遊会

お天気も良く、最高の園遊会日和。

場所はホテルだと思ってたら、そうじゃなくてある財閥の元私邸だったところで、
今は一般に開放して様々なイベントに利用しているということだった。
２０世紀初頭に建てられた地中海式の邸宅は、個人の家としてはべらぼうに
広い。もちろん現代の生活に合うように改築されてエレベーターも完備して
いるが、美術品や当時のままのシャンデリア、グランドピアノ、どれをとっても
ため息の出る美しさ。タイタニック号の内装、といった趣である。

お庭も、こりゃあ庭師を十人くらい雇わないと手入れは無理だろう、といった
凝ったつくりで、いろいろな花が咲き乱れ、夢の世界だ。
お料理はケータリングだが、期待を裏切らないセンスのあるメニューだった。

さて、ドレスはウエストがゆるかったのでつめてもらい、体にぴったりして
とても着やすかった。今日のようなパーティーにはちょうどいい。
「素敵ね」とほめてもらったのであらためて大広間の鏡で見てみると、まるで
仕立て屋さんに仕立ててもらったようにぴったり。もうこれは、私のお気に入り。

お庭を散策していたら、小さな黄色いコロンバインの花が岩の間のわずかな
隙間から育ち、咲いているのを見つけた。ほとんど土もないのに、生き延びて
ほんとうに小さいながらも一つだけ咲いている。なんの因果でこんなところに
根付いたのかは知らないが、なんともたくましい。このような花こそ、本当の
美しさを芯に持っているのだと思う。