反抗期

TABIは、今年で１３歳。

誕生日が来れば、立派なティーンエイジャーである。
人間のティーンといえば、親に反抗するものと決まっている。

従順な性格のあの子が、まさかティーンに近づくにつれ気難しくなるとは思ってなかった。しかし、この頃はまるで人間の小難しいガキのように、いっちょまえに反抗するのだ。

公園に遊びに行った。
雨が降ってきたので、「さ、帰ろう」と私は歩き出した。当然TABIが一緒についてくるものと思ったが、いない。どこにいるんだろう、と思ったら、すべり台の下にもぐって隠れている。呼んでも、動かない。まだ遊び足りないのだ。

「じゃあいいよ。バイバイ」と言って、私は家に向かって歩き出した。
「バイバイ」を聞くと、置いていかれると思っていつもなら猛スピードであとを追っかけてくる。しかし、今回はこちらをじっと見たまま動かない。

しかたなく、すべり台のところへ戻って「TABI、こっちへ来なさい」とマジメな顔で言った。すると「つまんない…」といった顔をしながらも、ようやく出てきた。最後には言うことを聞くくせに、一応反抗するのである。

アメリカの友人の犬も、ティーンになってからわりと意思表示がハッキリしてきたらしい。イヤなものはイヤだと、きっぱりした態度をとるのだそうだ。アジリティをずっと続けているが、外競技で暑かったり雨だったりと天候が悪いと、スタートラインであからさまに「ジョーダンでしょ？私、やる気ないから」といった顔を向け、わざとノロノロ歩いたりして結局はハンドラーに途中退場させるのだ。

これが若い犬であれば別だが、人間の年でいえばお年寄りなので、まあ本犬の主張がもっともだと思えるときは認めてやらないとね。

海か山か

今日も、いろいろ物件を見て来た。

最初に行ったのは、リゾート地にある分譲地。
「海まで歩いて１分！」とか言って、よく言うよと思ってたが、ホントだったのでビックリ。

つきあたりの林の小道を降りてゆくと、いきなり海岸！



きれいな砂と小石のビーチは、誰もいなくてプライベートビーチ。
その気になれば、ズーッとあるいてどこまでも行ける。
その向こうには、漁船の船着場が。



海のそばというのは風が強いので、昔は暖房費がかかって好まれなかったが、最近は窓もいいのが出ているし大丈夫らしい。こんな環境でのんびり暮らすのも、いいかも。TABIは海が好きだし、早速水に入って大喜び。

しかし、これから建てるとなると完成は秋だ。う～ん…

それから、山の見える別の物件へ。
そこは比較的新しい分譲地で、もっと落ち着いた住宅街。
すぐ近くには、犬を散歩に連れて行けるトレイルがいろいろある。湖や池もある。今日も、犬連れがいた。

海までは車でないと行けないが、それでも十分もかからない。そして、すぐ引っ越せる。デッキやフェンスも完成しているので、TABIがお外でのんびり日向ぼっこできる。私達二人だけでは寝室が多すぎるが、でもまた転売することを考えると、売れやすいのはこっちだ。車庫も二台分の大きさだし、ドライブウェイにさらに二台が駐車できる。う～ん…

これまで三軒のうち二軒は、私達夫婦のためというより「TABIが幸せに暮らせる家」を第一条件に選んで買った。今度のも、それが第一条件となる。犬のため、と言うと「バカみたい」と言われるだろうし、多分どこに住んでもあの子はそれなりに幸せなんだろうけど。ま、私の自己満足である。

まだいろいろ見てみなくちゃね。迷っちゃうなあ。

帯に短し

たすきに長し。

今日も住宅展示場へ行って来た。
比較的近いところにあり、通勤にも便利だしショッピングセンターまで車で十分。
景観が良く、どこからも山が望め、歩いて森を通って湖まで行ける。

好条件なため価格帯が高く、しかも車庫とベースメントがないのが難点。
今でさえ荷物があふれていて倉庫を借りてるのに、これでは全くスペースが足りない。
バックヤードも、デッキを建てたら犬とボール投げする広さはない。

建物の質は、思ったより良かった。
先週見て来た住宅に比べたら、質の良い建材を使ってるし仕事が丁寧である。
「いかにもプレハブで安物」といった印象は、なかった。

だけどねえ。
車庫とベースメント。
せめて、前に住んでた家と同じ広さはないとね。

セールスは「オプションで、車庫はつけられるかも」と言っていたが、そうすると予算をはるかに上回ってしまう。

ま、今回はゆっくり時間があるから、ちゃんと考えよう。

ところで、帰りにセールスおすすめの湖へ寄ってきた。
ホントに歩きで行ける距離だ。



ボードウォークがあり、夏はさぞにぎやかだろう。
TABIも、さっそく泳いできた。



私達が水辺で遊んでたら、犬連れがたくさんやってきた。
ピットブルや黒ラブ、ボーダーコリーの子犬達ところころ遊んで、TABIはいい運動。

こんな風に、新居探しをしながらあちこち週末出かけるのも、まあ楽しいかもしれない。

今月の座布団十枚２

Friendship is born at that
moment when one person says
to another:
'What! You too?
I thought I was the only one.'

C.S. Lewis

海辺の午後

午後はめずらしく雨が止んだので、海へ。

こないだペットショップのオーナーさんから聞いた、オフリードのビーチである。
車で十分足らず、駐車場の右には潟があり、左には海岸が広がる。
潟にはいろいろな鳥がいて、鳥好きなTABIは一目散に走って水へ飛び込んでいった。


わ～い、鳥だ鳥！

鳥たちはクエッ！クエッ！と声を上げてほうぼうへ飛び散って、また水へ帰っていく。
ふと見ると、周囲には双眼鏡やカメラをかかえたバードウォッチャーがたくさん！
ヤバイ！何か文句言われるかと思ったが、大丈夫だった。

しかし、猟犬の血が少し入ってる（らしい）TABIは、このままでは日が暮れるまで鳥追いしそうなかんじ。
なので、潟はあきらめて海岸へ。

さすがに風が強くて寒かったけど、こっちには犬連れがいっぱい。
TABIも、いろんな犬とご挨拶して走りっこしては遊んでいる。
波を追いかけて海にも入ったが、さすがに冷たかったらしい。


うわ～、冷たい水！

ほとんど泳がず、すぐに出てきた。
そのほうがこっちも助かる。だって、冬の海じゃあ助けにいけないもの、さすがに。

塩水をたっぷり飲んでしまったTABIは、ちょっとゆるいウンチをしたが、久しぶりに海を見て生き返ったようにウキウキしている。連れて来て良かった。私達も、日ごろのストレスがやわらいで食欲が出てきた。

また行こうね、海。