TABI天使日記

天使になったカナダのアジリティ犬と、ママ・パパの日常

悪いことはできないね(笑)

2002-09-28 11:43:27 | インポート
このごろTABI連れで街に出ると、知らない人から呼びとめられる。

「あ、この子デモに出た子でしょ?!」
といきなり言われたりする。TABIの学校はSPCA(動物愛護協会)に積極的にボランティア
協力していて、生徒たちもよくイベントに参加する。私たちも、寄付金集めのイベント
や地元のカナダ・デーのイベントなど、いろいろなところへお手伝いに行き、
TABIはアジリティのデモンストレーションで走ったりする。

この夏はけっこう各地でデモしてきたので、面がわれてるらしい(笑)
トレーナーのアジ・チャンピオン犬に比べたら、へっぽこランナーTABIなんて印象に
残らないだろう、と思ってたが、わりと人は見てるもんだ。

TABI、セレブへの道一直線か?!(爆)
もう悪いことはできないぞ。


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花の色はうつりにけりな

2002-09-25 12:50:45 | インポート
日本のお友達から、小包で源氏物語の本が送られてきた。

彼女は、女子高で古典の先生をしている。
私が古典好きなのを知っていて、よく古典文学の本をカナダまで送ってくれる。
日本の本はなかなか手に入らないから、毎回箱を開けるときワクワクだ!

今は知らないが、昔は源氏は受験必出だった。だから高校の時は点を稼ぐために
ひたすら読み、鑑賞しているヒマはなかった。文学として味わいようになったのは
大人になってからだ。源氏の登場人物に対する想いも、年とともにかわっていく。

私の好きな能の名曲「葵上」を初めて観たのは、OL時代だ。
源氏の正妻を呪い殺そうとする六条御息所の生霊。私は当時、御息所を中年女性の
イメージで見ていた。「オバさんの恨みって恐い」と(笑)

だが、実際には御息所は26歳くらいの若さだ。
故皇太子との間に娘をもうけたシングルマザーであったが、昔は12、3で嫁に行ったから、
彼女が源氏の愛人となったとき、まだ20代の半ばであった。
年上OLと男子高校生の恋愛みたいなものだ。そう考えると、「葵上」の観方が全く
違ってくる。

後年結婚してカナダに渡り、日本へ里帰りした際に機会があり再び「葵上」を観た。
今度は薪能であったから、鬼女の面をつけたシテが暗闇に浮かび上がり、怨念が
炎となっておそいかかるおどろな様子が実に迫力だった。
そして、立派なオバさんとなった私は(笑)すっかり御息所に感情移入してしまった。

高貴な身分で高い教養があり美貌の御息所は、年若い愛人への想いを理性で押さえ
ようとする。でも押さえようとすればするほど、愛憎はふくれあがっていく。
そしてついに、魂が肉体を離れ愛人の妻に襲いかかるまでに至る。
だが法力に負け、消え去る魂… なんとあわれな。

悲しい女の性ってやつか。
こういうキャラクターを描いた紫式部って、どういう女性だったのか…


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Full Moon

2002-09-21 10:03:48 | インポート
日本で中秋の名月という今宵、こちらでもきれいな満月が見えた。

お月見にお団子とススキをそえ、秋の月を愛でる風流さはカナダ人にはない。
でも、この地に昔から住んできたネイティブ・アメリカンは、それぞれの部族で
様々なセレモニーを満月の夜に行うらしい。

前の州に住んでいた時、ネイティブのセレモニーに呼ばれたことがある。
月は女性の守護神なので、セレモニーは男子禁制だった。女性だけで集まり、外に
出て月の光を浴びながら歌を歌ったり薬草を焚いたり、不思議な雰囲気の夜だった。

月を見上げて思い出すのは、「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山に出でし月かも」
と歌った阿倍仲麻呂だ。
彼は遣唐使として中国に渡り、そのまま帰国がかなわず客死した。当時としては
エリート中のエリートであった彼も、故郷が恋しくてかなわなかったのか。
一度帰国を試みるが、暴風にあいベトナムに流れ着いたという。まー当時のオンボロ船
じゃあなあ。鑑真も航海の苦労で失明したっていうし。

でも阿倍仲麻呂なんか、帰ろうと思えば帰れたんじゃないの?
なんで唐に残ったか。こりゃウラがあるぞ。遣唐使や遣隋使なんて結局スパイだしな。
あー名月から007になっちゃったよ…


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疑り深いやつ

2002-09-20 11:17:31 | インポート
昨日夫の検査結果が出て、なにも異常なしだった。

なのに、彼はまだ疑って心配している。
こっちの医者は日本のと違って、本人にハッキリ言う。だから、ガンなのにガン
じゃない、胃潰瘍だとかウソついて本人を安心(?)させるような芸の細かさはない。

だが医者も夫のあまりの食い下がりように飽きれ、200%確実な結果を得るために
今日、超音波検査をやってくれた。そこでもやはり「リンパだね。どこも悪くない」
と言われたんだそうだ。それなのにまだ信じないので(笑)、その医者の上司を
呼んでも一回確認してくれたらしい。診断は同じ。

なのに!
本人はまだ疑ってる!
専門家3人の手をわずらわせ、時間と金をムダにしたあげく、まだ懲りないのか?

これだから、子供の時から丈夫で病気したことないやつは困る。
リンパが腫れたくらいで大騒ぎしてさ。


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Film Festival

2002-09-18 04:18:39 | インポート
毎年恒例の映画祭があり、夫と観に行く。

Far From Heaven を観てきた。50年代のアメリカ、絵に描いたような幸せな結婚生活
をおくる主婦が、夫がホモであることを知る。そして、黒人の庭師に恋心を持つようになり…
同性愛や白黒恋愛がタブーだった時代の話。ジュリアン・ムーアが現実離れした完璧な
主婦を好演してて、良かった。ジャッキー・ケネディみたいなドレスもカワイイ。

普段は映画祭なんかバカにして行かない夫が、今回付いて来たのはワケがある。

2週間ほど前、夫は朝ヒゲを剃っていて鎖骨の上あたりにグリグリを発見した。
そして、「ガンだ。オレはこの若さで死ぬのか」とメソメソし始めた。
私が触ってみたら、確かに小さなグリグリがあった。しかし、固く骨についてるかんじは
しないし、なんか脂肪の塊かリンパ節が腫れたものに感じた。
第一、彼の人相を見ると死相が出てない。殺したって死にそうにない顔相だよ。

私は破顔大笑した。六尺をこす大男がなんと情けない!
「医者に診てもらいなよ。なんともないと思うけど、気がすむでしょ」
と言った。案の定、医者は感染症によるリンパの腫れを疑い、血液検査と胸部の
レントゲンを撮った。結果は2週間後、つまり明日わかる。
医者は、ガンの「ガ」の字も口にしなかったらしい。当たり前だよ。
そのうちグリグリも消えてしまった。

なのに、まだ若死にを心配している夫。そこで私は言ったのだ。
「映画祭行こうよ。冥土のみやげになるよ」
それで彼は付いてきたってわけ。ひっひっひ…


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