<池田町・川崎地区>
都会や平地に住む人間から見れば、
ただただ険しい剣山の一帯ですが、
今なお山頂のごく近くにまで民家が立ち並び、
「山上集落(高地性集落・傾斜地集落)」
と呼ばれる伝統的な生活様式が、
あちらこちらに残っています。
今回の旅では、目的の神社を巡る合間に、
これらの山上集落の中に隠れるように存在する、
「古代の痕跡」を探し歩いてまいりました。
奈良や熊野などの山間地とは違い、
この地方に点在する集落のほとんどは、
切り開かれた山の傾斜地にあるため、
ふもとの町からも車道からも、
周囲の景色がよく見渡せます。
狭さや角度といった面だけを考えると、
かなり心身に負担のかかる道中ですが、
「遠くを見渡せる安心感」は、
古くからこの地で暮らす人々にとって、
大きな心の拠り所となったのでしょう。