「建築業者には暖かい家に住みたいので断熱材を多く入れてください」
このように要請して普通の家の3倍もの厚さのグラスウール断熱材を入れたそうです。
それにも拘わらずこの冬は、寒くて辛い思いをしたとのメール相談がありました。
今日は日曜日の休養日ですが、出社して回答させていただきました。
写真は私も回答者を務めるNPO法人住宅110番の事務局スタッフが描いたイラストです。
断熱性能を計算する時は、断熱材の厚さを熱伝導率で割ると熱抵抗値が算出され、その逆数が逃げる熱、つまり熱貫流率です。したがって断熱材は計算上、厚い方が良い事になります。
質問者の家が何故に寒いかと云うと、気密性能が取れていない事が理由です。
グラスウール断熱材を用いる場合は、外側に透湿シート、内側に気密シート(ポリフィルム)を精巧で緻密な施工をしなければなりません。それを全く行っていませんでした。
窓は、複層ガラスを使用していましたが、全てが引き違い窓で気密性に劣ります。
断熱材単体では厚い断熱の熱抵抗値が高いのですが家づくりは、床、壁、天井、開口部などとの整合で成り立っております。
つまり、どんなに厚く断熱材を入れても隙間から暖かい熱は逃げて行き、冷たい空気と入れ替わってしまいます。
断熱と気密は、一体をなして住む人の暖かさを保持していることになります。
ところがこの気密シートの施工には、とてつもなく手間と技能が必要となります。
梁や桁、火打ち、ネタなどで構成した構造体に、隙間のなく気密シートを貼り付けるのは至難の技です。
また気密シートでの気密性能は、経年劣化することも懸念されます。
私は、そのような課題を克服するために当時まったく実績のなかった樹脂スプレー発泡断熱方式を見出しました。家をシームレス状にスッポリと包み込む断熱、気密工法です。
今日の相談者にも、最初からファースの家にご縁があれば無かった相談でした。

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