迷走していた「たんなさん」のつぶやき

※個人の感想です・・・

産科医療崩壊を加速させた事件です 『奈良の妊婦死亡、遺族請求棄却 大阪地裁「担当医に過失なし」』

2010年03月01日 | 社会
この大淀病院事件(大淀町立大淀病院事件とは、2006年8月7日に奈良県大淀町の町立大淀病院で出産中だった32歳の女性が脳出血をおこし、転送先の病院で出産後に死亡したこと。および、それをうけて巻き起こった社会的議論、混乱のこと)と福島の大野病院事件(帝王切開手術を受けた産婦が死亡したことにつき、手術を執刀した同院産婦人科の医師が業務上過失致死と医師法違反の容疑で2006年2月18日に逮捕、翌月に起訴された事件)に関連するマスコミ報道により、日本の産科医療の崩壊が始まりました。

毎日新聞が妊婦が死亡したお産を記事にし、それが騒動になることにより、大淀病院の産科は閉鎖されることになったのです。
妊婦が亡くなるという痛ましい結果ではありますが、産科医が最善を尽くしても救命することができるかどうかわからない(妊婦の脳出血だけでなく、深夜の時間帯という悪条件も加わっている)症状であったにもかかわらず、産科医や病院が悪者にされたのです。

事件の経緯(wikiより)
2006年8月7日、分娩のため奈良県南部にある大淀町立大淀病院に入院。8日午前0時すぎに頭痛を訴えて意識不明となり、主治医は子癇発作と判断し、奈良県立医大病院に受け入れを打診したが満床。その後も各病院に受け入れ能力上、転院を断られたのち国立循環器病センターに転送され午前6時ごろ到着。同センターで脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。妊婦は同月16日に死亡した。

奈良県警は死因となった脳内出血と、担当医が診断した子癇(しかん)発作との判別は困難で、刑事責任を問えないと判断し、刑事事件としての立件を見送った。

その後も受け入れ先がなかなか見つからなかった事がマスコミ報道の焦点となったが、実際には転院を断った病院も受け入れ先を探すべく努力していたことが明らかになっている。だがマスコミ報道ではその後も「たらい回し」という用語が使われ続けている。
奈良の妊婦死亡、遺族請求棄却 大阪地裁「担当医に過失なし」

 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、相次いで転院を断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(27)らが、町と担当医に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は1日、「担当医に過失はなかった」として遺族側の請求を棄却した。
 遺族側は「意識を失った時点で脳内出血を疑い、適切な処置をしていれば救命はできた」と主張していた。
 判決理由で大島真一裁判長は「脳の検査より転送を優先した担当医の判断に過失はない」と指摘、「症状の進行は急激で、担当医が最善の処置をしたとしても救命はできなかった」と判断した。
 判決によると、2006年8月8日未明、分娩のため入院していた大淀病院で意識不明になり、約20の病院から受け入れを断られた後、転送先の大阪府吹田市の病院で男児を出産したが、8日後に脳内出血で死亡した。
2010/03/01 16:21 【共同通信】