迷走していた「たんなさん」のつぶやき

※個人の感想です・・・

救急患者受け入れ、専門機関で調整を…救急業務懇の答申は机上の空論?

2008年03月04日 | 社会
救急患者の受け入れが断られている(拒否ではなくて断っているのです)のにはいくつかの理由があります。
ひとつには安易な救急利用によって病院側が患者の受け入れをできない、また長時間労働などの医師の負担が大きくなっていること。
当直の医師は正規の勤務時間ではなく、当直時の緊急対応をしているケースも多いようです。夜間の場合は、医師だけでなく看護士も少ないのです。
ふたつめには善意で救急患者を受け入れた病院が患者から訴えられ、裁判所の判決で万全な設備、体制がないままで患者の受け入れをした病院側に落ち度があるというトンデモ判決を出したこと。
善意で患者を受け入れても、訴訟を起こされると賠償金を支払わせられてしまうこともあるのなら、あえて患者を受け入れることもなく、満床、人手が足りない、専門医がいない、といって断ったほうがまし、と考えるようになってしまうのです。
救急患者受け入れを専門機関で調整をという救急業務懇の答申ですが、上記の事情を考えると机上の空論だということがわかります。
病院の空きベッド数や看護師の人数など受け入れ状況をどのように把握するつもりなのでしょうか。
今、受け入れOKであったとしても、救急患者が搬送されて来る場合、受け入れ不可のデータを誰が更新するのでしょうか?
そんな時間はありませんよ。守衛さんにでもお願いするしかなさそうに思います。
まずは救急患者を受け入れて発生した場合、賠償金を肩代わりするくらいのことをしないと、病院側の受け入れ態度は変わらないと思いますよ。
救急患者受け入れ、専門機関で調整を…救急業務懇が答申
 救急搬送時に患者がたらい回しにされるケースが相次いでいることを受け、東京消防庁・消防総監の諮問機関「救急業務懇話会」(会長=山本保博・日本医科大救急医学主任教授)は4日、患者の受け入れを調整する専門機関の設立が必要とする答申を行った。
 現在は、搬送中の救急隊員が、各病院に患者の受け入れが可能か問い合わせている。答申では、連携不足によって医療機関が互いに受け入れを渋る「お見合い」が起き、たらい回しの一因になっていると指摘。病院の空きベッド数や看護師の人数など受け入れ状況を把握し、搬送先を決める機関の必要性を訴えた。
 同庁管内では、昨年4月~12月に救急搬送した約45万8000件のうち、搬送を4回以上拒否されたのは約2万5000件に上っている。3月4日20時3分配信 読売新聞