太田進研究室

太田進研究室の日々の出来事やその時に感じたことを記録していきます。また家庭での生活もつれづれに書いていきます.

臨床実習とRevisionと学内研究費と講演会

2009-04-26 | 研究室
 先週一週間は、ジーパンでの通勤をやめました。4年生が臨床実習に出かけ最初の週であったためです。何かあったら臨床実習担当者として実習施設に出向くことがあるかもしれないと思っていたからです。無事に皆さん一週間を終えたようです。明日からジーパンにしようか、先週のようにジャケットを羽織っていこうか迷う所です。

 先週、水曜日に国内のスポーツに関する雑誌に投稿した返事が返ってきました。2人の編集者からのコメントがあり、それに答えました。比較的コメントは少なくホッとしました。しかしそのコメントは、納得できる鋭い意見であり、慎重に返答を書きました。昨年卒業した太田研究室の学生二人も共同筆者で載せているため、掲載されると喜んでくれると思います。掲載まではもう一頑張りでしょうか。

 また水曜日は、学内の先端技術・地域貢献に関する研究費の締切日でもありました。先日、豊川のK社に行った時に見学した装置を参考に介護負担を減らすローテクな装置を書いてみました。介護者負担の大きい一つの介護動作であるオムツ交換にのみ焦点をあてました。介護ロボットやパワーアシストが開発されてきているものの家庭に入るには、現時点ではかなり難しいと感じています。実用性を重視し書きましたので、採択されればK社と共同で本年度中に完成を目指したいと思っています。

 木曜日は、午後から豊橋市公会堂で豊橋市老人クラブ連合会の総会がありその後のシニアリーダー育成事業講演会で講師を努めました。1時間の講演でした。豊橋の老人クラブの役員の皆さんが全員集まると聞いていましたが、予想通り貫禄のあるスーツ姿の方から着物の女性など、今までにない雰囲気で講演をさせて頂きました。膝関節痛・腰痛と姿勢の話の後、現在高齢福祉課と取り組んでいる豊橋市の活動(医療施設と介護保険事業所の連携に関すること)を紹介しました。私はその中で、豊橋市の老人クラブの方にどうしてもお礼を言いたいことがありました。それは、豊橋という大きな中核都市であるにも関わらず、前述した活動に対する協力がとても得られやすかったことです。やはりそのような協力する気持ちは豊橋市を担ってみえた方々に由来すると思えてならなかったからです。講演も無事に終わり、お礼も述べることができました。今後はその財産をどのように生かしていくかが重要と感じています。




7月7日に願いを込めて

2009-04-21 | 研究留学回想録
 お忙しいにもかかわらず恩師のK先生はすぐにrecommendation letterを書いてくださりました。同じ病院に勤務するM先生は、少し時間がかかりました。しかし、その内容は正に渾身のletterでした。臨床における私との信頼関係や肩関節の関節鏡とリハビリテーションで有名なMississippiのDr.Savorのところに一緒に行ったエピソードが書かれていました。そして最後にSusumu Otaのチャレンジは、新しい分野の開拓であり野茂やイチローと同じだと超過分な文章で締められていました。Dr.Powersに宛てられた文章でしたが、私へ宛てられた激励のように感じました。自分の留学に対して多くの方々がサポートをしてくれているとヒシヒシ感じました。自分で書いた(Native checkはもちろん入りますが)application letterは、願いを込めて7/7にしたと話していたのをM先生は聞かれていて、そのrecommendation letterの日付も7/7の七夕になっていました。願いを込めて書いたと言ってみえました。

 すべての書類と思いを封筒に込め、国際郵便(今どこに封筒が運ばれているかインターネットで追跡できるもの:多分EMS)で出しました。すぐに届かないものの、Dr.Powersがどこの誰か分からない私(ツテとコネは全くなしのため)に返事をくれるかどうか不安でした。数日後インターネットで封筒の場所を検索してみるとサンフランシスコとなっていました。Dr.Powersの手元に届くのはもうすぐです。Application letterには私のe-mail addressを書き、そこに返事をくださいと記しました。返事をください。それがその時の私の願いでした。

オスキーと新歓コンパと臨床実習

2009-04-20 | 大学
 

先週一週間は4年生が臨床実習に行く前の最終試験であるオスキーで暮れて行きました。オスキー当日までの準備もさることながら、当日の患者さん役と評定者役のTAは終日の仕事でかなり体力を消耗したと思います。また試験を受ける4年生以上に緊張していたTAも見受けられました。そして、試験結果を翌日までにまとめる作業はまさに a lot of workでした。こちらもTAの皆さんの協力でスムーズに進みました。昨年から本年同様のオスキーにしたため、本年のような形式のオスキーを受けていないTA(M2)は、学生に渡す成績表のサマリーシートを見て自分が学生の時であればこれをもらうとうれしいだろうと言っていました。完成度の高いシートとなっているからです。今は来年に向け本年度の反省をまとめオスキーの運用マニュアルを作成しています。TAの皆さん予定時間以上の仕事と熱意を持った対応、ありがとうございました。4年生の実習に十分生かされることと思います。

 18日土曜日は、大学で新入生歓迎コンパがありました。私は娘を連れて午後からのバレーボール大会に参加しました。昨年は参加できず、また一昨年は夜から参加したので昼からの参加は本年が初めてでした。新入生の初々しい自己紹介と初々しさが少し薄れた在校生の自己紹介があり、この時期の大学らしい新鮮なものでした。いつまでも学生気分が味わえる教員の特権として参加しないのは損のように感じました。娘がおとなしくしているかということと途中からバレーに参加されたI大先生がケガをされないかと一挙手一投足ひやひやしていましたが、無事に終わりホッとしました。体育館を走り回っていた娘は大曽根から名古屋への電車に乗ると同時に深い眠りに入りずっと抱っこで豊橋まで帰りました。新歓コンパ夜の部には参加できませんでしたが、楽しい会でした。娘の面倒を見てくれた学生さんありがとう。

 そして、本日より4年生の実習がスタートしました。朝から何事もないことを祈りつつ大学に向かいました。大学に着くと早速、学務から連絡がありました。実習施設からの問い合わせでした。確認事項のみでホッとしましたが、その後の電話に午前中はビクビクしていました。今の所、私の耳には特別に何かあったと連絡はないので皆さん無事に1日を過ごしたことと思います。先ほどのオスキーでも述べましたが、今の4年生は今までの学生で一番実習の準備をしっかりとしています。自信を持って望んでもらいたい。安西先生の言葉を借りるならば「君たちは強い」。





USC

2009-04-14 | 研究留学回想録
 Dr.Jobeが所属していたUSCのwebsiteを調べてみると、Department (現Division) of Biokinesiology and Physical Therapyという学部がありました。朱色と黄色がスクールカラーでロゴなどもかっこいいということが第一印象でした。

 Research and LabsのタグをクリックするとBiomechanics Labがあり導かれるかのようにその中に吸い込まれていきました。DirectorはDr.Powersで研究方法は3次元解析が中心。ACL損傷予防プログラム、膝蓋大腿関節障害、転倒に関するテーマが紹介されていました。まさに自分のテーマとドンピシャリでした。勝手に運命を感じていました。しかし留学先のBossと気があわなかったりすると、つらい留学になるとも聞いていましたので、写真から人相を読み取ろうとしてみました。やっぱりよく分かりませんでした。

 自分の中で運命の留学先と決めつけ、次の行動に出ました。Dr.Powersの論文を集めることを始めました。Dr.Powersは膝蓋大腿関節障害の研究が特に多く、3次元解析のみでなくMRIも研究方法に多く取り入れていることが分かりました。また、屍体の膝を利用したバイオメカ研究も行っていたことも分かり、益々行きたくなりました。

 次に既に買ってあった「医師・研究者のための アメリカ留学完全ガイド 」と留学する事を強く推薦して頂いている二人の医師からの情報より、全くツテがない私が取るべき行動は決まっていました。自分でresume(略歴と業績)、application letter(自己紹介と留学させて欲しいという旨), recommendation letter(Susumu Otaは良い人なので留学させてあげてくださいという推薦状)を用意してDr.Powersに送ることです。

 先ほどの本を参考にしながらまたその時に通っていた語学学校の先生に相談しながら書いていきました。推薦状は私に留学を強く勧めて頂ける整形外科医M先生と大学の恩師K先生にお願いしました。6月の終わりごろでした。留学予定日まで残り9ヶ月あまりの頃でした。

ジャイロセンサーとパワーアシストとNatureセミナー

2009-04-11 | 研究室
 今週は、オスキーなど臨床実習関係の仕事が多くあり忙しい一週間でした。そんな中、二つの企業と話し合いを持ち一つのセミナーに参加しました。

 ジャイロセンサー。私もよく分からず長野県のM社にデモをして頂きながら研究の話をしました。ジャイロセンサーで膝関節の回旋や動揺を計ることについて尋ねましたが、比較的低価格で応用範囲が広いツールであると理解しました。3次元動作解析と併せて行うことで私の目指す身体全体と局所のダイナミックスが解析できると思われました。

 医療・介護に関連したパワーアシストの開発をしている豊川のK社に行ってきました。15年以上前からいろいろと開発をしていて試作品を体験させて頂きました。いつも聞く話ですが商品としてはハイテクよりもローテクで実用性を考えたものの方が現実的ということです。制御系を駆使した開発もありましたが、私が目を付けたのはとてもシンプルな構造で、被介護者の体の下にベルトをスライドさせて介護する者に負担なく被介護者を移動させるものです。全体としては大きなものでした。私はそのパーツで、介護負担の一部分のみをサポートできるような気がして、その場でも少し話し合いをしました。良い連携になっていけそうな気がしています。

 金曜日には医学部でNatureセミナーがあり、志は高くと思っている私は参加してきました。久しぶりに通訳なしの英語講演で途中で集中力が途切れ気味でしたが有意義なセミナーでした。Natureの編集者によるセミナーですが、編集者(各分門主任)の平均年齢は40歳以下ということでした。40歳の若輩者としては、私はすでに年長者となってしまうかと思うと出遅れ感も感じつつ大変刺激になりました。Natureには多くの姉妹誌がありNature、Natureリサーチ誌、Natureレビュー誌、Nature Clinical Practiceがあるとのことでした。Readerを意識して、特に同じ分野の人以外で自分の研究内容が波及する所への影響も考えることが重要なようです。投稿するチャンスは、誰にでもありますが無審査返却も多くあるようでそれでは投稿する意味があまりありません。審査後返却ぐらいの論文を目指したいものです。

 本日は、田舎で八百屋をしている両親を連れて、お伊勢さんへ向かいます。親孝行は身近な社会貢献の一つとして太田研究室の学生にはrequireしているので私が実践してきます。