太田進研究室

太田進研究室の日々の出来事やその時に感じたことを記録していきます。また家庭での生活もつれづれに書いていきます.

2月中旬から3月上旬 in 2017

2017-03-12 | 研究室
 2月23日にNHKの取材を受け,3/1の夕方の「ほっとイブニング」で紹介された.5年間ほど大府市の形状記憶合金の会社(吉見製作所),愛知教育大学,松本義肢を中心に形状記憶合金を用いた介護動作補助具の開発をしてきた.取材はその開発についてのものである.開発は最初,もともと吉見さんが作成したエプロンの横にその合金が入り,介護動作を楽にするというものをもっと介護に役立つようにというところからスタートした.介護される方を立ち上がらせ,ベッドから車いすに移乗することをイメージして,多くの試作品を作った.明らかに介護する側が楽と感じるにはかなりの合金の量も必要で,そうするとその他の動作を制限するというパラドックスが生まれた.特に,合金が大腿から腰部まである構造をしていたので,しゃがむ動作では後方へ転倒しそうになる.そのようなことから,その介護補助具をどんどんとシンプルに変えていき,コルセットのような形となった.出来上がってみると,そのような形のコルセットはあまりなく,いろいろな動作を制限せず,強くアシストするのではなく,腰に手を当たられているような感じで,いろいろな動作ができる,そのようなものに仕上がった.

 今年は3つの卒業研究のテーマで進める.1つがこの合金コルセットの効果検証である.使用した時のバランスや歩行能力などを調査する.座位姿勢が楽という感覚も強い.しっかりと効果を検証していくことがこの産学連携研究の私の役割である.

 さて,あと2つの研究は,一つは関節音の研究.受動的に膝に荷重をかける装置を作ったため,それを用いる.また,膝蓋大腿関節の圧迫テスト時の関節音も聴取し,健常と変形の特異性を調査する.もう一つは,布センサーを用いて,昨年と同様に作業関連性疼痛の研究をするが,今回は姿勢の変化をスマホに送る.

 現在,学生は倫理委員会申請用の資料を作成中である.ちょっとずつ計画書が完成してきた.休みのところ私のゼミ生は毎日大学に来て研究の準備に悪戦苦闘している.私の研究室の学生は,他の研究室よりだいぶ大変と思っているようである.

 さて,昨日は「東三河運動器リハビリテーション研究会」の講師をさせて頂いた.私のPTの原点である東三河地域での講演のため,タイトルの膝OAの話の前に,今まで多くの研究協力をいろいろな施設でして頂いていたため,そのお礼も兼ね,それらの研究も紹介した.その量が多く,全体として盛り込みすぎてしまった.知らず知らず気負い過ぎたようでした.反省.

 来年度からは修士の学生が2名加わる.4月以降は,M2が1名,M1が2名となる.膝OAのgait modification,投球肘(内側線維の投球時にかかる張力計測),心リハ対象者の膝OAのテーマで来年度は進めていく.