太田進研究室

太田進研究室の日々の出来事やその時に感じたことを記録していきます。また家庭での生活もつれづれに書いていきます.

Dr.DeMuthとJPTA

2009-05-31 | 大学
 先週は、大変忙しい週となりました。
 26日(火)には、アメリカのUSCからDr.DeMuth(デミュース)が旦那さんのHugh(ヒュー)と一緒に私に会いに来てくれました。Sharon(Dr.DeMuth)は、私が留学初期に大学のパティオでランチをどこで食べようかなと思っていたところ、たまたま一緒にどうぞと誘ってもらい、その後から顔をあわせるといつも一緒にランチを食べていました。本当にやさしい人でそのランチタイムは私の留学生活の中の貴重な時間でした。
 Sharonは、小児専門の理学療法士で大学での研究と臨床や地域での活動をしています。特に近年はPEDALS (Pediatric Endurance and Limb Strengthening)という大きなプロジェクトの中心的役割を果たされ、それらのデータは今論文となってきているそうです。彼女は大きなリサーチは、これで終わりで今後は大好きな臨床をコツコツやって行きたいと言っていました。ちなみに、Hughは小児専門の整形外科医です。

 彼らは既に3週間、日本のあちこちの観光地を周っており、旅行日程の最後に豊橋に来てくれました。既に、日本らしいところを見ているので連れて行くところに苦慮しましたが時間の関係で火曜日は、豊橋市の二川本陣と湖西市の潮見坂、浜名湖に連れて行きました。夜は豊橋らしいものが食べたいと言われ、ヤマサのちくわが経営している居酒屋で我々家族3人と一緒に食事をしました。

 27日(水)は、朝豊橋を出て名古屋大学に向かいました。私はそのまま仕事し、会議に出席しました。家内も仕事を休んで一緒に行き、彼らを徳川園に連れて行ってくれました。徳川園には昨年度の卒業生で、アメリカの小児PTを見学したいという希望があったので私がSharonを紹介し、アメリカではSharonにお世話になったYさんも加わりました。彼らは徳川園を大変気に入り、お昼の時間がなくなって車の中でモスバーガーのライスバーガーを食べながら大学に戻ってきました。
 大学ではSharonに、USCのPT教育場面、小児PTやLAについて30分ほど話しをしてもらい、その後質問を受け付け、学生からも質問が多く出て(日本語で)盛り上がりました。PT学専攻のT先生とOT学専攻のH先生が英語で質問をして頂け、更に会は盛り上がりました。私が通訳をしながらの会で、実はうまくいくかとても心配していましたが、無事に終えることができてホッとしています。学生からも有意義な時間であったと感想を聞いています。講義の都合で出席できなかった学生には申し訳ありませんでした。
 当初は、太田研究室の学生と少し話をする機会を設ける程度にしようと思っていましたがT先生が出来れば皆さんにと言うことで皆さんにアナウンスする事になり、会場の本館第3講義室は、満杯となりました。

 水曜日は彼らの日本滞在最後の夜でした。昨年アメリカでの見学でお世話になったYさんに加えUさんも豊橋で合流し食事をしました。彼女たちも頑張って楽しく英語で会話をしていました。3歳の娘も、SharonとHughとすっかり親しくなりました。

 翌日は、彼らの帰国の日です。私も日本理学療法士学会(JPTA)に参加するため一緒に豊橋から新幹線に乗り込みました。彼らはグリーンでしたので豊橋駅でお別れとお礼を言って別れました。

 そして、昨日メールが届きました。
Hi Susumu and Akino,
Thank you so very much for all your wonderful hospitality while we were in Toyohashi. Hugh and I enjoyed every minute of our visit, the wonderful museums, the meals, Katzuha and best of all our time with both of you. We are very impressed with all the terrific things you are doing professionally and of course we loved having time with your beautiful daughter.
Thank you also for the chance to talk with your students and faculty. I do hope it was beneficial to them. It was certainly beneficial for me. Thank you for the beautiful scroll with the hydrangeas and our tabis. I have also put the folders and pens from Nagoya University to use.
I hope your national meeting was interesting and stimulating and that you were not too tired after all of your hard work entertaining us.
We are looking forward to seeing you in California in September. We hope you have a fabulous summer and we will send some pictures soon.

留学して良かったと再確認した時間でした。写真は二川本陣での一枚です。

 そして木曜日から土曜日まで東京国際フォーラムで開かれた日本理学療法学術大会に参加しました。今回は私の研究テーマ以外の教育や臨床実習などの講演も聴講しました。こちらもまた有意義な時間でした。ただ、早朝に皇居でジョギングをしようとシューズまで持って行きましたが、3日とも雨で荷物になっただけでした。

はじめての左ハンドルとSan Diego

2009-05-24 | 研究留学回想録
 11時間程のフライト後ついにLAの空港LAXに着きました。余談ですが、その後の留学中にLAXを(ラックス)と呼んでいたら、その呼び方は止めた方が良いと言われました。どうも下痢という意味を含むようで、あちらではそのままエルエーエックスと呼んでいました。

 HISのツアーを利用しているため、LAXからはHISのバスでまず説明会のある所に向かいました。目的が観光でないため、オプションの説明などは完全に上の空でした。その後ホテルまで送迎してもらいました。フィゲロアというstaples center(NBAなどが開催されるアリーナ)の近くでホテルが巨大なキャンパスとなり、スポーツ選手などが描かれていることで有名なホテルです。ホテルとしては格安で、その後絵が描かれるキャンパスとなっているため妙に窓が少ない事に気がつくのでした。

 さて、ホテルに荷物を置くと早速、近くのホテルにレンタカーを借りに行きました。事前にインターネットで予約をしておいたため、受付はスムースでした。車をレンタカーオフィスのあるホテル前に持て来るので待っているように言われたものの案の定、そこそこの時間がかかった覚えがあります。そして、そこのホテルマン(レンタカーのスタッフではなく)が車を持って来てくれました。受付でもらったレンタカーの保険等の書かれた契約証が引き換えと言われました。渡しましたが、今思うと何かの間違え(ホテルマンが理解しておらず)で、渡してはいけなかったと思います。

 翌日、現地9月9日は、以前豊橋市民病院にみえたK先生の留学先であるサンディエゴに出かけました。前日はレンタカーを宿泊しているホテルに戻しただけでしたので、ほぼ初めてアメリカで車に乗ることになります。いきなり2時間30分ぐらいのフリーウェイのドライブで、これも今思うと少し無謀のような気がします。案の定、途中のフリーウェイの分岐を間違え、気がつくとサンタモニカに向かっていました。一度、降りて方向転換して乗りなおしましたが、見るからに治安が悪そうな所でドキドキでした。

 初めての左ハンドルで自然に車は右によってしまう様で家内に何度も指摘されながら、ものすごく緊張してサンディエゴに向かいました。サンディエゴのHyatt Regencyで待ち合わせました。路肩に車を止め暫く待っているとK先生がやってきてくれました。まず言われたことは、路肩が赤く塗ってあるところは駐(停)車禁止ということでした。分からない事ばかりで緊張のしまくりでした。

 その後、K先生のアパートに向かい少し休憩し、留学の話を伺いました。留学は楽しいと言うことと住む場所や日本食材などのことを聞きました。その後、アメリカンなビーチサイドのレストランに行き、アメリカンサイズのハンバーガーとサイドディッシュを食べました。ただ自分は帰りの運転が気になって仕方ありませんでした。暗くなる前にフィゲロアホテルに着きたかったため14時ごろには、サンディエゴを出ました。はじめてのアメリカでの運転で5時間ほど運転しぐったりしてホテルに戻ってきました。

 ただアメリカの地で聞いた「留学は楽しい」という言葉が我々のモチベーションをさらに高めていました。

 いよいよ翌日は、USCと住みたい地域であるPasadenaの下見です。そしてその翌日がDr.Powersとのインタビューです。

介護福祉機器と地域連携臨床研究(小規模)と科研費

2009-05-21 | 研究室
 19日火曜日は午後からT病院で福祉機器の開発もしているK社の社長と大学と企業を結ぶコーディネーターの人と研究打ち合わせを行いました。またリハビリテーションの現場とそこにあるローテクな機器から最近のリハ関連機器も見てもらいました。さすがにエンジニアらしく構造や材質、原価などを考えていたようでした。私もそれらの機器の優れている所、劣っている所、追加すると良い機能などを話し盛り上がりました。初めての機会でした。

 その後、共同で行っていく研究(介護福祉機器の開発)と今後国の補正予算に伴い増加する見通しのものづくりなどに関する研究費の情報を得ました。

 本年度は、厄年なのでおとなしく論文書きに専念しようと思っていましたが、どんどんとやる事を増やしているような気もします。その打ち合わせでリハビリテーションの領域(医療・福祉・介護を含め)でエンジニアリング(ものづくりといってよいかは不明ですが)に興味のある人が集まる情報交換会をという話が出ました。東三河を中心とした会として、医療・福祉・介護そして工学の人が集まり、現場のニーズを聞きながら、いろいろとものづくりに挑戦しまた顔の見える他職種の横のつながりを広めていく会です。今の所は、先日集まった3名の構想ですが。

 さて、水曜日は午後から豊橋創造大学で3つの打ち合わせをしました。まずG先生には、今後実施していくデイサービスの研究協力をお願いし、快諾を頂きました。研究内容も周知して頂け,今後地域に根ざし活動していく予定です。

 その後、S先生と現在共同で3つの介護保険に関する論文を作成している件で打ち合わせをしました。そのうちの一人が先日投稿した論文がrejectされました。しかし、現在その修正とそれにめげず同じジャーナルに再投稿する事について話し合いました。S先生は、大変思慮深く論文修正に関して多くのアイデアを持ってみえました。そのアイデアを反映すればrejectされた論文にもチャンスが来るような気がしました。現在、担当のN先生が奮闘中です。修正版が出来上がるのが楽しみです。

 そして、最後の打ち合わせは金井先生と向山クリニックの先生方と学生さんで進めている変形膝関節症の研究です。現在の問題点の把握をして、結果としてTクリニックのM先生に加わってもらう事にしました。早速電話を掛け、大学に来てもらいT先生も参加を希望されました。次回、一緒に一通りの評価を確認し3次元動作解析も見学することとなりました。もともと顔の見える付き合いをしているとこのような時にとても威力を発揮します。

 前回、学生諸君がまとめてくれたグラフを数日前に眺めて、自分なりに解析結果の特徴をまとめてみました。一つの現象として膝にある方向の力が強く加わると、膝をO脚にさせる力が減少する傾向があり、これは現在行っているポールウォーキングの結果とも一致しました。面白い視点となりそうです。

 その後、学生諸君の卒業研究の発表を聞きました。残念ながら予想した有意差はなかったものの、非常にうまくまとまっていました。結果が有意でなかったのも症例数の問題であり、今後現4年生から3年生に引き継がれ、より良いものになっていきそうです。現在、8症例の計測が終了しており、本年度末までに30名を目標としています。その後はメンバー全員で論文を書く予定です。そして、本日太田研究室OBの相本君も研究打ち合わせに参加しました。私が誘ったのですが。データ解析やロジカルな彼の視点がこの研究にも生かされると思います。

 「科研道場」と題して本日、科研に関する勉強会とその後の情報交換会が大学でありました。本専攻のH先生がご自分の申請書を披露してくれました。大変よく練られた申請書であり、彼女の今までの苦労が実っている感じがしました。これは、私も含め参加した方々には、多くのことが伝わったと感じました。一番は、その思いだと思います。

 またその後の情報交換会でも、私が骨関節・介護保険・大学の近くの地域住民の方をリクルートした事などの話をし、比較的研究テーマの共通項が多い事もわかり今後の連携につながりそうでした。

 ただ、連携が多くなりすぎないようにしないと。今年は腰をすえて論文を書く予定ではなかったのかと自分に問いかける今日この頃です。

若人の会

2009-05-17 | 大学
 名古屋大学医学部保健学科には、看護学、放射線技術学、検査技術学、理学療法学、作業療法学専攻の医療技術の5専攻が揃っており、全国的にも5専攻が揃っている大学は少ないと聞いています。私も大学に勤務し2年となり、他専攻の先生の顔も少しずつ覚えてきました。しかしあいさつ程度で、少し長く話をする機会というと保健学科で行う4月の歓送迎会と12月の忘年会ぐらいでした。本大学の特長を生かして研究をしていくためには、専攻横断型の研究を推し進めて行くことが重要と先日の保健学科全体のセミナーで話をされていました。しかし、実際は同じキャンパスにいてもコミュニケーションが十分に取れていないことが現状と思います。

 本年4月の歓送迎会の時に看護に新しくN先生という男性のヒゲを生やした先生が赴任してみえたことを知り、その場で話しかけ若手で専攻横断型の飲み会をしようと私が言い出しました。そのような集いは大好きですので、すぐに企画をしてしまいます。近くにいた検査のU先生にも声をかけ、ゴールデンウィーク後に若手の野郎(男性)の集まりをと話が盛り上がり、先週金曜日(15日)に、ホルモン屋で初めて親睦会を行いました。大変有意義な時間を過ごしました。

 顔は知っていても、名前の分からない先生もみえ、皆さんもそんな感じでした。もちろん私が最年長で本会を若人の会と私が名づけ私以下の年齢が若人ということで話がまとまりました。ちなみに私が年を一つとっても私の年齢が基準ですので若人の基準の年齢も一つあがることになります。さて、会では個々の研究内容の紹介、各専攻の仕事内容や今後共通のテーマで研究はできないか話し合い、想像以上に盛り上がりました。そのため早速、私の次に若くないH先生が自分から次回の幹事をと立候補して頂け、2ヵ月後次回開催予定となりました。

 とにかく、皆さん優秀な若者でモチベーションも高く、何かできそうな気がします。若人の会もその後に続くであろう専攻横断型共同研究も大変楽しみです。

インタビューの準備

2009-05-17 | 研究留学回想録
 Dr.Powersの返事に従い2001年9月11日にインタビューを受けることにしました。以前、家内に「9月は留学の準備などで学会発表をしている余裕はないのでは」(留学への扉参照)と言われ、キャンセルした学会とほぼ同じ日程となっていました。学会には大変申し訳ありませんでしたがキャンセルをして良かったです。

 インタビューを受けるためにLAに行きますが、留学ができるかわからないもののどこに住みたいかの調査を始めました。ガイドブックとインタネットにより、我々の第1候補としてLA Downtown北にあるPasadenaとしました。治安がよく、閑静な住宅地で、Cal Tech(通称カルテック:カリフォルニア工科大学)があり学生も多く、またリタイアした人が多く移り住んでくるとあり大変好印象でした。日本人コミュニティのあるTorrance,Gardenaが第2候補で、第3候補がアジア系の食材が揃いやすいAlhambraと考えていました。

 そんなある日、豊橋市民病院で以前整形外科にみえたK先生に偶然会いました。近況を聞いてみるとなんと現在アメリカ留学中とのことでした。今回は子供さんの体調に関することで1次的に帰国していると聞きました。そして留学先はなんと西海岸のSan Deigoということでした。LAの南にある、メキシコとの国境近くの都市です。いろいろ留学に関する情報をいただけると思いメールアドレスを聞きました。その後のメールで今回LAに行った時にK先生の勧めもありK先生の所に伺うこととしました。

 インタビューの準備をとして、あいさつ文と自分の伝えたい事を書いて英会話の先生に見てもらいました。How do you do? Nice to meet you. It is very nice to meet you. 初めのあいさつはどれが良いのだろうかなど、今思うとどれでも良いようなことも悩んでいました。

 英語のスキルは全く上がらないままインタビューを受けるための渡米が近づいてきました。出発は9月8日、帰国は9月13日と決め、HISでDown Town宿泊と航空券(Delta航空)のセットで最も安いのチケットを取りました。

 スーツケースに荷物と希望とDr.Powersへのお土産である寄木細工のペン立てを詰め込みいよいよ出発です。