太田進研究室

太田進研究室の日々の出来事やその時に感じたことを記録していきます。また家庭での生活もつれづれに書いていきます.

卒研2012

2012-11-27 | 研究室
 いよいよ明日は卒研発表会。太田研究室は小見山、佐藤の2名が発表。小見山は今日の昼まで、佐藤は今日の夕方までとぎりぎりまで修正を加えた。今までの私の担当した卒研で最もスケジュールがビハインドとなった年だ。しかし理由がある。今回は、3Dの新しいシステムを使い、またそのシステムは部分的には開発段階でもあり、角度・モーメントの算出も首都大学東京の工学部長谷先生の新規開発プログラムを使用するなど新しく試みたことばかりであった。その途中で床反力の不具合に気が付き、一度計測を止めたり、不具合の検証に時間を使ったりした。学生には大変申し訳なく、31名の計測したデータの床反力データが使用できないことが分かった。一部の床反力からコンバータへのケーブルで不具合が見つかった。そのような状況の中で2名は、本当に良く頑張ってくれた。明日は、そのような逆境の中、まとめた結果を素直に堂々と発表してほしい。期待している。

臨床バイオメカニクス学会と東海北陸理学療法士学会

2012-11-12 | 研究室
 この週末は、2つの学会を掛け持ちした。私としては、要点をまとめると2つの貴重な情報を得た。1つ目は、国内にはimagingのラボは少ない。しかし帝京大学ちば総合医療センターに先進画像診断センターがあり、W先生とお話ができた。また大変お人柄も良く、MRの相談をさせて頂いた。早速のことながら、訪問をさせて頂くことにした。私の方で少しデータを持って伺く予定である。「また寄らせて頂きます」というのは、私にとっては社交辞令ではないので、その点も再確認したが快諾していただいた。

 もう1つは、東海北陸学会で介護報酬と診療報酬の改定と今後の展望についての特別講演を聴講した。理由は、来月自分が講義をするためである。解剖など基礎医学と異なり、制度はものすごいスピードで変革が起こるため、常にかかわっていないと全くついていけない。講義の準備が大変。まず我々が知っておくべきことは、地域包括ケア研究会の報告書を見ておくこと。実はこれはすでに知っており昨年来の講義にも私は取り入れている。その中でも今後の課題を整理したPDFがあったのでリンクしておく。今回、私が知ってよかったと思ったことは、「2025年の医療・介護のあるべき姿」に向かい社会保障制度がすでに動き出していることである。2025年までにあと7回の改定後行われ目標とした社会保障制度に向かっていくというものである。厚生省からもそれらの資料がでている。社会保障と税の一体改革はこちら。わかりやすい記事は昨年出ていました。(反省)こちらもわかりやすそうな資料。一応、来月の講義にはこれらをまとめる予定。

 また、上記の政策の話と臨床バイオメカのセミナーで聴講した京大工学研究科教授富田直秀先生の「良循環を目標とする医療技術デザイニング」とリンクするところが多い。これから研究者が目指すものの中に「生活の質を定量評価する効用値」というキーワードがあり、医療技術開発の今後のポイントに触れることができた。先の2025年と同様にますます健康の質、健康寿命のニーズが高まり我々理学療法士のニーズが高まることを感じた。ただ、科学性は確実に問われる。

 さて、その他は千葉と四日市でそれぞれ多くの人と親睦を深めた。大変楽しい時間であり、ウコンのお世話になった。

 最後に、この週末は日本義肢装具学会もあり、松本義肢の渡辺さんに膝装具の発表をしてもらった。東海北陸では、古川さん、田中さん。皆様、お疲れ様でした。

以下写真。相本君撮影


千葉に向かう新幹線から


幕張メッセ(昼休み)


会場にて


東京湾岸病院のスタッフと


豊橋市民病院のスタッフと太田研(四日市にて)。なお、写真で舌を出している人はその後、周りの方に大変迷惑をかけたそうです。特に一番前に写っている人に。(1kmほど引きずってホテルに帰ったとのこと:全歩行介助)


 


うれしい知らせと工学系学会と股関節中心

2012-11-02 | 研究室
 先日、うれしい知らせが入った。鈴木謙三記念医科学応用研究財団の研究助成に採択して頂いた。関節音を研究テーマとしたものである。今月末に授与式がある。大変光栄である。

 さて、11/2-4までLife2012があり、私は土日と参加した。本日は、座長をさせて頂き貴重な経験であった。チュートリアルというセッションが昨日あり、弘前大学の対馬先生の統計の話では95%信頼区間とeffect sizeの必要性を強く感じ、倫理委員会では他施設も他施設施設長の依頼で学内の倫理委員会を同時に申請できるのではないかという情報を得た。本日の座長も多岐にわたる工学の手法が取り入られていた。フロアーからの質問も多く、有意義なセッションとなった。

 我々が進めている3次元動作解析。関節モーメントを出すプログラムは、首都大学の長谷先生と学生さんが組んでくれている。股関節中心の推定は難しく通常の方法を用いているが納得がいかない。4年生の卒研も大詰めで、いよいよ決断をしないといけないようである。それにしても、新しく作ることは難しい。あるものを使いたいという気持ちになる。しかし、独自のプログラムであるメリットがある。