太田進研究室

太田進研究室の日々の出来事やその時に感じたことを記録していきます。また家庭での生活もつれづれに書いていきます.

JOSKAS2 in 2011と陸前高田

2011-06-22 | 研究室
 今年のJOSKASの感想は、シンポジウムであった2つの変形性膝関節症(OA)のupdateの話で、すごく研究が進んだという印象である。一緒にいた整形のドクターもここ1、2年でかなり変わってきていると言ってみえた。updateは基礎の話が中心であるが、我々の運動療法(筋力強化)や患者教育がエビデンスが高い。薬もかなり選択されてきている。骨関節の研究が骨粗鬆症とリウマチからOAに確実に向かっている。前者2つはかなり研究が進み、評価と治療が確立している。OAの問題として評価法が未確立という点がある。WOMACもレントゲンもMRimagingも。

 さて、OARSIガイドラインparts3がこちらにある。現在のOAに関するエビデンスでもっともまとまっているものである。

 自分としては、今までの3次元動作解析にMRimagingを加えた研究をしていきたいと感じた。

 さてPT協会の被災地ボランティアに応募したところすぐに返事が来て7月上旬より陸前高田に行くこととなった。直接のPTとしての治療はせず、指導や他団体と協力して支援をしていくことである。PTの知識をそのような場でどのように生かすかが大切である。また行政で仕事をした1年間、デイサービスなど地域の活動経験も生かすことが出来るのではないかと考えている。新幹線で5時間かけて盛岡に向かう。

JOSKAS2011 北海道

2011-06-17 | 研究室
 昨日(16日)より、JOSKASにポスター発表と情報収集のため北海道に来ている。ポスターは、今回は発表はなく1時間ポスターの前で待っているというものであった。

 さて、夜は名大、名市大、愛知医大の3大学合同で関節の先生が集まり食事会があった。ありがたいことに、私もいつものように参加させて頂いた。バイオメカに興味を持っている先生が多いことに驚かされた。特に、名市大の後藤先生とは研究の話でかなり盛り上がった。

 今日は、朝一番から学会に参加するため今から出発する。写真は、泊っているホテルから見える北海道庁。



2011.6.6-6.10 臨床実習III、キャンパスクリーン、保育参観

2011-06-11 | 大学
 今週から4年生の臨床実習IIIが始まった。いつものことであるが、月曜日の朝は緊張する。何か問題があれば電話がかかってくるからだ。電話はなかった。無事、学生諸君の実習は始まったようである。臨床実習II(4月から5月の5週間)の経験を生かして充実した時間を送って欲しい。

 さて、3年生はいよいよ研究の方法を学び、卒業研究の担当教員を決める研究方法論の受講が始まった。私は現在も増え続けている研究テーマをまとめて28日に話をする。先日も愛知県内の研究機関から問い合わせがあり、共同研究者として名前が載ることとなった。ものづくりの分野であるがPTの臨床経験・アイデアが必要とされることを実感する。

 太田研究室OB・OGも活躍している。今のところ100%、卒研内容は学会で発表している。また1つ論文にもなっている。研究方法論で説明するがうちのゼミに入ると卒業後も私がうるさく付きまとう。卒業後臨床にでてから実際に行った卒業研究のテーマの面白さに気づいてもらうこともある。学生が卒業後、研究室は関係なく良く臨床研究の相談も受ける。ただいつも言うことであるが臨床研究を実施するもあたり、非常に大切なことはまず業務とのバランス、やらなければならないこととやりたいことのバランスである。内容も大切であるが、バランスを崩すならば、研究内容を縮小する必要もある。

 8日(水)には、キャンパスクリーンがあった。蚊に刺されながら1時間半ぐらい芝刈り機を使用し、その後、手が震えて仕事にならないのが例年である。芝刈りは、私がこちらに赴任してからは、いつも河村先生と私の2人で行っている。今年は、ごみ拾いのみとなったため、講義の都合で1年生のみとなったものの1時間程度で終了した。今年はその後も手が震えず快適であった。私は歩道のごみを拾ったが、声をかけて頂ける方もみえる。ごみ拾いは、気持ちが良い。最近、太田研究室でごみ拾いを実施していないので、4年生が実習から戻ったらまたやろう。

 9日は、豊橋で仕事。実習に来ていた当校の学生にも非常に貴重な症例を説明できた。本人がどのように感じたかは不明であるが。午後は、向山クリニックに行き、鳥居先生と膝OA患者さんの腰痛と歩行に関する研究結果の解析を行った。良く見ていくと臨床のイメージと非常にリンクする結果であった。6/30までに抄録をまとめ、11月に行われる臨床バイオメカニクス学会に報告予定である。本学会は、今年から会員になった。私自身はあまりいろいろな学会の会員にならず(お金がないので)、参加のみして来たが臨床バイオメカは、私にはフィットする学会であった。発表した研究がその後、査読のもと論文化されていくことも魅力的である。来週は、北海道でJOSKASがあり、発表予定である。こちらも内容はすばらしい。北海道と沖縄の順に実施されるが、内容が充実していて学会会場から放れることはまったくないので、できれば近郊で開催して頂きたい。最近は、老年医学系の学会にも興味を持っている。

 10日。10時から義肢関係の企業と打ち合わせ。私が考えるアイデアは、先端のエンジニアリングを使うことを思いつかないため、義肢装具の方(PO)と現実的なもの作りを進めていくことが一番すっきりする。人につけるものを作るという技術に関してはPOがベストである。

 今日は午後から娘の保育参観があったが、残念ながら参加できなかった。家内にビデオをお願いしてあったが、参観5分前にビデオを忘れたとのメールが入った。徒競走もなぜかあり、4人中2番であった。いつも1番と言っていたため、2番を喜んでいるのか悲しんでいるのかわからなかったが、喜んでいるようであった。
 
 また今回で2回目の細胞生物学(Molecular Biology of the Cell)の輪読。基礎研究をしている院生に混じっての参加。生物を取っていなかったこともあり(取っていたとしてもはるか昔の話であるが)、私の知らないことばかり。院生に教えてもらいながらの勉強はなかなか楽しい。それでも、彼らにも伝えたが、いつも研究発表会で基礎研究への学生への私からの質問は基礎研究を臨床に役立てるとすると、というようなものであった。輪読の私の目標はこれ。「2つ質問があります。1つは、原子の共有結合の・・・(非常にディテイル)のこと、もう一つは、臨床場面では・・・(最後の出口のところ)」と両極端な2つの質問をすることである。つまり基礎研究の学生に恐れられる質問をすることである。

 さて、既に家内は仕事に出かけた。今日は今から食器洗い、洗濯、娘をスイミングに連れて行き、午後は掃除。夕方には、豊川の家内の職場に向かいに行きその後、鳥川ホタルの里にホタルを見に行く予定。雨がやむことを祈るばかり。いつもの土曜日である。

 

 

 

第43回スポーツ傷害予防研究会

2011-06-05 | 臨床
 本日は、1年に2回実施しているスポーツ傷害予防研究会の定例会があった。私が代表世話人をしているが、向山クリニックの鳥居先生が実質のとりまとめをしてくれている。今回で第43回。回数が増えるごと、会の重みを感じる。10年以上前に発足して、地域の方にも講演や研修なども実施してきた。数年前からは、スポーツ傷害にかかわるどんな職種の方もOKとして定例会を実施している。

 本日のテーマは、
1.頚部周径について(姿勢・円背・背筋力)名古屋大学 太田進
2.介護予防事業(運動器の機能向上、うつ、閉じこもり予防)を3年間の実施経験から見えてきたもの(中間報告) 野村接骨院 野村義昭
3.アキレス腱炎・周囲炎について 向山クリニック 鳥居善哉
4.投球フォームと肘・肩にかかるストレス 冨田整形外科 上田誠
5.最近の関心事(あるプロ選手の治療とメンテナンスより) 松葉治療院 堀田智弘

プラスαとして私が「外脛骨とfootballer’s ankle」の話をする予定でしたが、今回も話が白熱して時間が超過となったため、私の2つ目の話は次回となった。

 次回は、11月もしくは12月に豊橋で行う。どなたも参加可能で無料でOKの会である。

台風一過、名古屋工業大学森田研究室、KSS、Venus、The Cellと大学院説明会

2011-06-04 | 研究室
 先週末は宮崎で行われたPT学会から名古屋に戻る日曜日に台風が直撃。それは予想できたことであり、前日の土曜日に急遽名古屋に戻った。そのため、予定のなかった日曜日はゆっくり。翌日は、台風一過で気持ちの良い日となった。しかし風は強かった。

 月曜日(30日)は、名工大の森田研究室にお邪魔した。我々、リハに関連の深い研究をされており、森田教授もわざわざ我々の学会に参加されたり、以前の愛知PT学会で私の座長のセクションで発表をして頂いたことがある。院生の方とは、名大病院のリハ部との連携で交流があり、森田研究室の研究に大変興味があった。ここの開発中の機器を見せた頂いた。森田研究室のシーズに自分のアイデアがマッチするか、今後検討していく。森田先生は大変気さくな先生で話しやすく、良いコラボレイションができればと思う。

 今週の木曜日は、豊橋市民病院で臨床後、名古屋大学整形外科の医局で行われた膝肩スポーツ(KSS)班のカンファレンスに参加した。少しずつ先生方ともコミュニケーションがとれ、PTは私だけであるが皆さんに気さくに接して頂けた。大変内容の濃いディスカッションに参加できた。また途中で何度か意見を求められた。なるべく共通言語で客観的な答えをするように勤めた。中部地域で活躍されている整形外科の先生方に少しでも我々PTが、手技や概念にとらわれている訳ではなく、解剖学、運動学をベースに科学的に考え、共通の話が十分できることをアピールできればとも考えている。それが、いつか整形外科の先生のPTへのご理解に少しでも結びつけばと思う。(もちろん、十分リハにご理解頂いている先生もみえる。むしろ臨床ではPTサイドから医師への働きかけが少ないところもあるようであり、十分に医師とPTが十分にコミュニケーションを取れていないところもあると感じている)微力であるが、自分の純粋な勉強以外に、もしかしたら回りまわって少しでも役に立てればと感じた。

 金曜日には、宮崎のPT学会で企業出展していたノビテックに3次元動作解析Venus3Dのデモをしてもらった。CGに今まで使用されていたOptitracという赤外線カメラがバイオメカの世界にも入ってきて、それが3次元動作解析装置の単価を随分と下げることを可能にした。マーカーの認識も良く、使い勝手も良かった。現時点では、フォースプレートからモーメント計算するには別途ソフトが必要となる。しかし、我々が自分たちの研究費では手が届かなかった3Dシステムに手が届きそうになってきた。感想はコストパフォーマンスはすごい。

 今週の金曜日の夕方からMolecular Biology of the Cellという基礎研究をしている研究者のバイブル?である分厚い本の輪読に加わった。李先生と基礎研究を実施している院生の間で行う。1年かけて輪読する予定であるが、私は当番からはずしてもらった。感想はむずかしい。既にとても弱腰である。遺伝子やゲノムなどの単行本のような通常の読み物からの方が私には良いのかもしれない。しかしせっかくの機会なので勉強はしたい。私の目標は基礎研究を行っている学生の発表に良い質問ができるようにというところである。

 別の話であるが、基礎研究といった時に私の行っているバイオメカも入れることは通常のようである。そういった意味では私の研究は基礎と臨床を両方行っていることになる。ただ、ラットとマウスの区別もつかない。

 土曜日は、大学院説明会があり多くの大学院入学希望者が集まった。PT専攻全体で行われる各研究室の紹介は各教員5分であった。臨床の疑問から研究テーマをという部分で、社会人の参加者の方が皆さん私の話にうなずいて頂いたので、つい気持ちがよくなりしゃべりすぎでしまった。もちろん時間オーバー。