Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

もっと勉強しろよ!

2008-06-30 20:27:06 | 音楽療法
音楽療法の仕事場・老健(介護老人保健施設)でのこと。

一般棟に入所のAさん・男性は、入所当時からコミュニケーションのとりにくい方だった。<音楽療法・歌の会>の初回参加では、いきなり歌集投げつけられ、一緒にいたナースは思い切り手ではたかれた。暴力行為? 認知症はそれほどなさそうだから、おそらくこの環境を受容できないのだろうと思った。

1か月後
とにかく無視される連続。音楽が嫌いなのか、ピアノがなると席を離れる。会話どころかアイコンタクトもなく、むしろ近づくことも怖いくらいだった。

3か月後
無視は続くが、気がつけば離席はなくなった。私に関心を持ち始めたことは、その雰囲気で感じる。でも会話は成立しないし、歌わない。個人情報を調べたら「趣味はカラオケ」とあり、なるほどと合点がいく。こういう状況は、男性に多いことは長年の体験ずみ。

その1か月後
♪有楽町であいましょう~」と皆で楽しく歌っていたら、「お前、もっと勉強しろよ!」と怒鳴りながら、怖い顔をして寄ってきた。突き飛ばされるかもしれない気配(音楽療法士は時々こういう恐怖の瞬間を体験する)。ここで得意のニコニコ顔で対応したら本当に突き飛ばされるから、「はい」と神妙に。私はAさんが直接関わってくれたのが嬉しかった。後日調査では、大好きな1曲だったらしい。映像関係の職場で音楽とも密接な関わりがあったAさんの拘りがあったに違いない。色気も雰囲気もなく、楽譜どおりにしか歌えない私に苛立ちを感じたようだった。

そして最近
「音楽の先生、ちょっとはマシになったな」とスタッフに言ったそう。1階の音楽療法室は2階のAさんの通路からよく見える場所にあり、毎日上から覗いている。私はピアノを弾きながら、思いきり手を振って合図。まだ十分なコミュニケーションはとれていないが、Aさんの顔つきが少し和らいできた。きっとそのうち、大きな声で歌ってくれることを、私はゆっくり待っている。

北欧お菓子の本

2008-06-29 15:36:23 | フィンランド
お菓子作りが(も)大好き。
息子のおやつは手作り、バザーにはパウンドケーキ数種類を50本、手土産は手作りケーキ、お誕生日やクリスマスなどの行事はデザート係・・・の生活だったが、最近は仕事が忙しすぎて、家でゆっくりお菓子を作る時間がないのが残念。

本屋さんをブラブラしていて、偶然見つけた1冊、
『北欧の美味しいお菓子づくり』(土井始子著、インターシフト発行)。
スウェーデンのお菓子が中心だが、フィンランドでみかけるものも多い。

早速購入。
見ているだけでも楽しいが、やっぱりウズウズしてきた。
ケーキ材料はいつでも手元にある。入手困難なバターもケーキ用に冷蔵庫に常備、あとは小麦粉、卵、砂糖の基本材料に、牛乳とレモンを用意し、<ソッケルカーカ>を作る。



フィンランドのお母さんもよく作る、
レモンの香りがするシンプルバターケーキ。
やっぱり美味しい、懐かしい味!

久しぶりに甘~い匂いがたちこめる
日曜日の午後。

<ソッケルカーカ>
<材 料>
クグロフ型1個分
バター  75g
薄力粉  90g
ベーキングパウダー 小さじ1
卵    1個
砂糖   80g
牛乳   50cc
レモンの皮すりおろし 1/4個(フィンランドのお母さんは1個分入れる)

<作り方>
1オーブンを180℃に予熱する。
2バターを湯煎か電子レンジで溶かし、 粉とベーキングパウダーは合わせてふるっておく。
3ボウルに卵を割りほぐし、砂糖を2回に分けて加え、泡立て器で白くもったりするまでまぜる。
4溶かしバター、牛乳、レモンの皮の順に加えてなめらかに混ぜ、粉を2回に分けて加え、ヘラで切るようにさっくり混ぜる。
5型に流し入れ、30分焼く。焼き上がったら型から出して金網の上で冷ます。

その笑顔、充実してる証拠!

2008-06-28 17:03:06 | 音楽
「趣味は音楽?」と聞かれ、ウ~ンと考え込む。

Q(友人)「音楽は?」
A(私)「音楽は仕事、でも趣味も兼ねるかも」
Q「音楽でも、カンテレと音楽療法と歌と音楽教室と・・・は仕事で、そのほかのたとえばジャズとかサックスは趣味ってこと?」
A「音楽の線引きというか区分けがむずかしい」
Q「そうね。あなたの仕事の話を聞いたり実際現場をみていると、仕事も趣味も区別はなく、むしろ相乗効果でどちらもありと思った」
A「そう? 最高の意味で、趣味と実益を兼ねている音楽に浸っている。毎日そんな環境に大いに満足しているの」
Q「その笑顔、充実している証拠よ。そんな笑顔って、誰でもあるわけではないもの」
A「ありがとう。仕事もプライベートも充実。こんな素晴らしい環境に感謝してるの」
Q「でしょ!」

・・・会話は続く。
愚痴も文句もなく、とにかく楽しい毎日。音楽療法のクライエント(対象者)からは「先生といるとウキウキしてくる」、ピアノの生徒にはカウンセラー的存在。周りに支えられて、私は公私共に自慢できるほどの充実感!

こんな生活がもう何年も続いている。
そしてまだまだ先へ・・・

お弁当はサラダランチ

2008-06-27 22:19:40 | グルメ


今日はサラダランチ。
サラダの中身は、14種類。
レタス、サラダほうれん草、水菜、きゅうり、トマト、ブロッコリ、アスパラ、わかめ、オリーブ、モッツァレラチーズ、ピクルス、帆立、海老、たまご。
自家製パンはチョコレートマーブル。
デザートはキウイ、ゴールデンキウイ、さくらんぼ。

今年の紫陽花

2008-06-26 16:30:10 | 季節
老健(介護老人保健施設)の通所リハビリテーション(デイケア)利用者さんのMさんとは、
もう7年のお付き合い。
「脳梗塞の後遺症には歌がいいみたい」と、私の応援団の一人でもある。

Mさんは季節ごとに、お庭の花を持ってきてくださる。
この時期は紫陽花。
去年の紫陽花が挿し木に成功した話をしたら、
「今年は新種をさしあげましょう」とくださったのが、これ。



特に真ん中の八重紫陽花がかわいらしい。
お庭には40種類ほどの紫陽花が咲いているそう。


音楽療法室の中庭の紫陽花も、昨年Mさん宅から。


こちらは挿し木というより、根こそぎいただいた大株。

便利になりすぎ・・・

2008-06-25 20:06:39 | つれづれ・・・
首都圏は先週新しい地下鉄=副都心線が開通。今まで「遠くはないけどちょっと面倒」と思っていた場所が、グ~ンと近づいた気がする。この線は数年先には東横線につながるので、ますます便利になる。

そして今週目黒線が伸延、地下鉄2線に乗り入れている(三田線、南北線)便利な線。用地買収がうまくいかないという噂があったが、そのほんのわずかな距離は、東横線は高架、目黒線は地上という面白い結果になった。ちょうど我が家の横で、双方が合流する。同時に4本が走る時間帯は、壮観な眺めと騒音。



ところで我が家は始発駅だったので、ラッシュ時も1本待てば座れるはずだったのが、もうそれはあり得ない。今度の始発駅は2つ先の日吉、ここも地下鉄が開業したばかり。バス便しかなかった地域に走る地下鉄は大混雑らしいから、通勤電車は大変な思い。



そういえば、朝の東横線は遅れ気味。その理由は「お客様混雑のため」。

療育・音楽療法クラス③-アシスタント編

2008-06-23 16:28:59 | 音楽療法
<療育・音楽療法クラス> は、心理学専攻の学生実習現場として受け入れを開始した。某大学4年生の男子学生2名が 小学生クラスで実習。「まずは見学」で始まったが、活動に反応したH君にどうしても手がほしくて声かけする。彼らが抜群にいい動きをするので、H君も、J君も吸い込まれていく。彼らの出すぎず、そしてさりげないサポート、子どもたちの動きをしっかり掴んでいる。実習生は、よかれと思ってやりすぎが多く、ときに指導していることもあるから、こんなことは珍しい。

私は現場ではかなり厳しい。突然「ちょっと下がって」とか「もう来なくて結構」ということも多々あるので、スタッフは「先生はかなり厳しいですけど、それはいい結果をだしたいから。根はいい方ですから」と、どうも事前に話してあったらしい。担当教員も「とびきりいいのを行かせます」

終了後のフィードバックは1時間にも及んだ。感想は「皆生き生きしていた。楽しそうだった」「笑顔がよかった」。そしてさまざまな質問がでる。「子どもそれぞれに100%で関わっていた気がするのですが、7人いれば700%ですよね」「そのとおり」「疲れませんか?」「体力は消耗してるけど、子どもたちのいきいきした表情をみたら疲れはないでしょ?」「いい疲労感ですよね」・・・ 

「次回もよろしく!」と笑顔の私。


ハイヒール病?

2008-06-22 12:09:26 | つれづれ・・・
右足の痛み。

はじまりは、
書斎(とは名ばかりの狭い部屋)でパソコンコードに足を引っかけたことから。PCは関連機器が多いので、コードが床の上を縦横斜めに這っている。思い切り力を入れて踏んばったら、足の甲を痛めた。足は生活必需品(?)、「痛い、イタイ」と言いながら、2週間かかって痛みは軽減した。

ところが、
「喉元過ぎれば痛さ忘れ」の悪い性格。子どもの音楽療法セッション で体操や動きのあるメニューを展開、思い切りジャンプ、走るをやってしまった。「そうだ、痛かったんだ」はあとのまつり。悪いことは重なるもので、その日は珍しくパンツ+ヒール高めのミュール。帰路は足をひきずりながらヨロヨロ、とにかく駅の階段がつらい。電車3本を乗り継ぐ仕事場だったので、恥もなく手すりにつかまりエスカレータ。

そして、
数日後は長めのスカートでフェミニンなファッション、ハイヒールがピッタリ。もともとハイヒールのパンプスが大好きだから、その日も6cmのピンヒールで出かける。最悪を通り越し、激痛。階段どころか歩くのもままならぬ痛さ。仕事場(高齢者施設)に着いたら、腫れて熱を持っていた。早速クリニックで受診、湿布と痛み止めで対応。

整形外科のドクター、「若い頃からハイヒールを履いている人は年取るとこういうふうに症状がでる」と一言。「普通の患者さんなら、靴をかえなさいと指導するけど、先生はそう言われても <絶対>やめないでしょ?」「やめない、かっこ悪いもの。それにペッタンコを履くとかえって足が疲れる」 いちばんペッタンコ靴は3cmヒール、スカートの長さに合わないとブツブツ、湿布しながら履く。

でも、
やっぱり、懲りてない。
昨日夏用パンプスを見つけた。



雨がやんだら履こ!

今日はJuhannus

2008-06-21 18:03:45 | フィンランド
我が家のカレンダーはフィンランド製が多い。
今日は赤い日(フィンランドでも祝日は赤い)、
「そうだ、Juhannus 」

フィンランドの最大のお祭りのひとつ、夏至祭
白夜=沈まぬ太陽の季節は、
待ち焦がれた短い夏のはじまりでもある。
今頃ビール片手に、「歌え踊れ」で大騒ぎのはず。

フィンランドから、<Onnea(おめでとう>と続々メールが届く。
白夜のおすそ分け?



カメラマンのお父さんからは、最近の写真が添えられていた。

私は、ペリマンニ音楽(祝祭音楽)のCDに 
<Juhannuspolkka> をみつけ、思いにふける。

今日のお弁当

2008-06-20 22:08:30 | グルメ
お弁当は、残り物でバリエーション。

残り物は、昨夜の息子の夕食のおかず。ゼミ研で大学に泊り込み帰宅せずだったから、そのまま冷蔵庫へ。そんな翌日はだいたい私のお弁当のおかずに様変わり。



<煮豚丼>
しっかり味付けした煮豚の薄切り+長ねぎを卵とじにして。
<サーモンサラダ>
サーモンのお刺身をワインビネガーとレモン汁で即席漬けにし、マリネに。5種類の野菜とあわせてサラダ。

昨夜は私も外食、青山でイタリアン。冷蔵庫の残り物といっても、私は美味しいお弁当。

いらないリスト

2008-06-19 17:06:03 | つれづれ・・・
24時間あっても時間が足りない。毎日積み残しがでるので、どこかで「エイ!」と気合を入れて片付ける。眠いなんて言ってられない。せめて1日=36時間にしてよ!

同様に超多忙な経済評論家の記事を目にする。「いることリストより、いらないことリスト」とある。これは目から鱗の世界。<いること、やること、・・・べきこと>はいつもメモしている(絶対にやることはケータイに付箋をはるくらい)が、<いらないこと、やらないこと>は初めての発想。

まず<いること、やること>を書き出す。①今日→②数日→③今週→④2週間→⑤今月、と整理してみる。そしてメモの順番を逆にして、優先しない順位を考えてみる。ウーン、<いらない、やらない>と言い切る発想は、なかなかむずかしい。でも「これはすぐにやらなくてもいいかな」と思ったら、リストの余白へ移動。その繰り返しで、「すぐにやらない→いつでもいい→やらなくてもいい?」と僅かだが整理できた。

とにかく毎日が面白い。抱え込むことはないが、興味が豊富だから、簡単に手が退けないことが多い。きっと根が欲張りにできているらしい。<いらない、やらない>はかなりの決心が必要だということがわかった。その上プライベートは別枠で大切にしたいから、暫くは<いらない、やらない>との闘いになりそう・・・。



療育・音楽療法クラス②-小学生クラス

2008-06-16 21:18:10 | 音楽療法
<養育・音楽療法クラス>シリーズ2回目。

<小学生クラス>
このクラスには、地域の療育センターや養護学校および特別支援学校(学級)からの紹介があり、大勢の子どもたちが通ってくる。8名の登録だが、学校行事の関係で出席者は5名。それぞれが思い切り個性も障がいのレベルも違う5人だったので、5方向を向いている。さてどうやって始めて、まとめようかなと考える。

言葉のコミュニケーションが可能なのはA君のみ。Tシャツとおそろいの帽子がかっこいい。「気に入っているの。このままでもいい?」「どうぞ。かっこいいわね」 いつもは消極的だが、珍しく「先生、今日はミッキーマウスマーチで始めて」のリクエストがでる。音楽にあわせた椅子体操で開始。

遅れて参加したB君は多弁。「これでいいですか」「あってますか」「それはこうですか」と常に確認、「B君の好きにやっていいのよ」と促す。常に注目されていたい思いと、間違えたくない不安な気持ちが表面にでている。解放(開放)してあげたいと、私は手をかえ品をかえのアプローチ。

C君は昨秋から9回目の古株、「とにかく楽しめることを」が参加のきっかけだった。どこへいってしまうかわからないC君だったが、落ち着きがでてきて、一緒に皆の中で楽しんでいる。ゆっくりだが私の口真似で「おはよう」「ありがとう」が発語できるようになったし、喜怒(哀)楽の身体表現もできるようになった。かたまってしまう場面は皆無になり、自分で探しながら、皆の様子を見ながらの動きが感じられる。

われ関せずD君は4回目。ゴロ~ンと寝転がることから始まるが、初回はほとんどそのまま終わる。2回目は気が向くと近寄ってくるが、それが2回程度。そして今回は、まず音楽にあわせて走る体操に参加、そしてピアノを弾く、太鼓をたたくなど、ジリジリ距離を縮めてきた。思わず「ヤッター」の気分。

唯一女の子のEちゃんは終始笑顔で活動。初回はずっとゴロゴロしていたので、同僚のPT(理学療法士)助言により、2回目から椅子使用にしたら、しっかり座位姿勢を保てるようになった。目線が同じになると、視線を絡めてくる。目があうとニコッ、すてきな笑顔のEちゃん。体操も、音楽活動も積極的で、他人とのコミュニケーションも問題なかった。カーテンの後ろに隠れて、「あれ、E子ちゃんがいない」という私に、顔をのぞかせピースマークのお茶目な場面もあった。



「先生はこんなにかかわってくれるんですか?」と、あるパパ。子どもたちの感覚は鋭いから、私が一瞬でも手抜きしたら、そこで関係は終わる。「親以上ですね」に「それは違います。いちばんは親です。子どもたちが、この人はちょっといいかも、信用できるかも、一緒の時を共有してみようかなと思ってくれれば、私は嬉しいです」 私は結構しつこくベタベタかかわる、今のところ跳ね除ける子どもはいない。一緒にまあるくお団子になって、隙間なくビッタリ。体力勝負の子ども相手にクラス、終わってみれば心地よい疲労感。