Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

もうクリスマス

2006-05-31 16:27:45 | カンテレ
まだ夏の初めというのに、もうクリスマスの企画がいくつか入っている。その中でいちばん面白がっているのは <小芝居+ギター+カンテレ> のサロンコンサート。

出演者は女優の悠木薫さん、ギターの坂野直人さん、そして私のカンテレ。帰り道に誰かにクリスマスプレゼントを買いたくなるような、そんな温かい会にしたいとスタッフ一同はりきっている。一足早いクリスマスをお届けしようと11月23日・東京で開催予定、地方公演も検討中である。詳細は後日お知らせ、お楽しみに!

そのほかに今決まっているだけでも <音楽療法 クリスマスコンサート><カンテレ倶楽部 クリスマスの集い><ヴォーカルアンサンブル クリスマスを歌う>



クリスマスの前にある夏と秋も、コンサートがたくさん。でもなぜか今からクリスマスがいちばん楽しみ! サンタさんに何をお願いしようかしら? 




音楽療法士は年齢不詳

2006-05-30 21:37:26 | 音楽療法
一口に音楽療法といっても様々、私の対象者は2歳の女の子から103歳のおばあちゃままで年齢的にも100歳の幅がある。できる限り幅広い分野を経験して・・・と日本音楽療法学会は推奨しているけれど、実際現場にでてみると専門範囲が決まってくる。今の私は<高齢者>が8割、その他(知的障害児、学習障害児、不登校など)が2割というところ。

高齢者といっても、介護老人保健施設では介護保険適用年齢ではない人でも医療(健康)保険を利用すれば40歳から可能である。今日は若い年齢が多い日、53歳のひろ子さんと55歳のはつ子さんは仲良しでいつも楽しそう、そこへちょっと下の私が割り込む。70~90代の戦前の苦労話が多い中、私たちは娘感覚でその話に聞き入る、「大変な時代だったのね」。

娘・・・でも利用者さんは<いつも若々しい音楽療法の先生>と孫世代と思っているらしい。私はトシをあかしていない、だって音楽は夢と楽しみでしょ? あるとき「今年は年女」と言ったら一回り下の噂が広がって、肯定はしないけどもちろん否定もしなかった。「息子は大学生」と言ったら、「ヘエー若くして子ども産んだんだね、学生結婚?」という具合。これじゃまるで詐欺みたいで心が痛む。

ひろ子さんとはつ子さんも私のトシは知らないから、今日も「先生は知らないと思うけど」とおっしゃる。イエイエ実は知っているんです、東京オリンピック。でも「そうなの?」とかわしている若作りの音楽療法士の私。嬉しいのはお二人が「先生を見てお洒落しようと思った」と明るい色を着始めたこと、表情も笑顔もますますすてきに若々しくなってきたお二人、私も頑張るね!

MINバイオリンリサイタル

2006-05-29 20:19:35 | 音楽
昨日はアメリカ在住の韓国人バイオリニストMIN(ミン・ジョン・パーク)さんのリサイタルだった。昼下がりの銀座、ホールは120パーセントの大入り満員。



MINさんは天性のすばらしい音楽性をもちテクニックも超一流、まさに超絶技巧という表現がふさわしい。先週は何回も練習におつきあいしそのすごさは身近に実感していたが、本番は漫画で鍛えた日本語トークとカラオケ大好きというこぶしのきいた歌、そしてMINさんの自身の華が加わり <ショー> ともいえるリサイタルだった。




作曲家のご主人・Yuki Mori(森孝之)さんも一緒に演奏。特にご自身の曲では聴衆のパフォーマンス(リズミックな手拍子や合唱)も大事な曲の要素となって、思わずのせられた私たち。日本ではなかなかお目にかからないスタイルのコンサートだった。




楽しい、たのしい・・・。むずかしい顔をして聴くクラシックではなく、親しみやすく思わず身体がのってしまうような雰囲気を醸し出すMINさんと孝之さん。何より <いい音・いい音楽> に吸い込まれてしまった会場だった。共演者はピアノの増崎靖子さんとチェロの大前知誇さん、そして孝之さんのご両親・森幸生さん&偕子さんの愛に包まれた楽しいひとときだった。

次回が待たれる!




出演者とスタッフ一同勢ぞろい、「はい、キムチ」
「えっ、キムチ?」に「そう、韓国はキムチね」のMINさんにたまげた記念撮影!


 

フィンランドも初夏

2006-05-28 21:50:03 | フィンランド
昨年の今ごろはフィンランドの森の中、新緑がきれいで・・・と懐かしく思っていたらこんな写真が届いた。



風を感じながら水辺にボーっと座っているのが大好き、新しい木の匂いがする。


このお花が咲くと初夏到来、街中で「このお花はなんていうの?」と聞くと、多分 <初夏の花><夏を告げる花> と教えてくれる人が多い。朝のお散歩、三枝子さんと。




昼下がりの公園、若葉がキラキラ光っている。


私だって行きたい!

2006-05-27 14:50:38 | フィンランド
大学院でオルガンを専攻している姪が学校帰りにやってきた。何でも夏休みにヨーロッパのオルガン講習会に行くという。飛行機や宿泊を自分で捜したほうが安いから「お願い、手伝って」と言われ、ホイホイ引き受けた。

ネットであれこれ捜す。私の名案「ヨーロッパならフィンランド航空でヘルシンキ乗換えがいいんじゃない?」「そう?」「その日のうちに目的地に着くし、ついでに帰りにヘルシンキでお買い物してきてネ」(姪は10年前にフィンランドに同行したことあり)と私の魂胆ミエミエ・・・

結局3時間近くPCで検索したが決まらず、夕食をご馳走して解散。姪よりすっかり <その気> になってしまった私、でも残念ながら9月まで身動きとれない状態である。かわいい姪のためとはいえ、私にとってこれは楽しい時間だったのか悔しい時間だったのか・・・

エレクトリック・カンテレ

2006-05-26 21:49:19 | カンテレ
5月前半に日本でコンサートツアーを行なったフィンランドのカンテレ奏者:エヴァ・アルクラさんのエレクトリック・カンテレ。フィンランドでも弾いている人はまだまだ数えられるほどだという(と言いながら指折り数えていたら片手で足りた!)。



製作しているのはカンテレ製作メーカーのコイスティネン(KOISTINEN)。エレクトリックということは電気をつなぐ。専用のカンテレテーブルがあり、カンテレをテーブルにつなぎ→テーブルをコンセントにつなぐ。



演奏は立ったまま。エヴァさんはアコースティック・カンテレ(要するに普通のカンテレ)の曲をこのエレクトリックで弾いたが、曲の感じが全然違い、ブワワ~ンという残響がある。

アコースティックのコンサートカンテレはこちら(コンサートにいらしたSさんのブログから)


音楽療法士のひとりごと-その3

2006-05-25 20:29:37 | 音楽療法
私は老健(医療法人・介護老人保健施設)のリハビリテーション科で働く音楽療法士。同僚は理学療法士、言語聴覚士、健康運動指導士、(作業療法士は現在欠員)で常勤11名。

この施設で仕事を始めたときは単独の部署で、どちらかというと音楽レクレーション的役割も大きかった。しかし3年前リハビリテーション科に移ると、レクレーション要素はどんどん減っていき、音楽療法語では<個人セッション>がリハビリテーション語では<個別訓練>となり、今では<リハビリ訓練>としての音楽療法がメインになっている。

カルテを書き、リハビリテーション計画書や介護のケアプラン作成に参加、毎朝のフロアの申し送りもでかける。医師のオーダーによる治療に関わることもある。もちろん他専門職と連携して行なう訓練も多い。チンプンカンプンだった独特のリハビリ用語も今では日常語、むしろ積極的に使っているかもしれない。

それまで精神面への働きかけが多かった音楽療法、最近は四肢麻痺訓練や言語訓練も多くなってきた。もっぱら <痛くないリハビリ><楽しいリハビリ><お気楽リハビリ> と言われているが、音楽療法リハビリは結構人気で順番待ち、そしてそれなりに結果(効果)も出ている。

私のモットーは 《鮮度のいい仕事》  人と関わることが大好きな私には天職とも言える仕事で、とにかくメチャクチャ面白い! その上好きな音楽ときているから、こんなに楽しい仕事はない!!

私の好きなフィンランド-ヘルシンキ大聖堂

2006-05-24 16:49:37 | フィンランド
最初にフィンランドに行ったときはもちろんフィンランド航空の直行便などなく、私たち留学生は南回りでヨーロッパへ。

忘れもしない! 飛び立ったのは羽田(帰りは成田がスッタモンダの末、開港していた)、バンコクで乗り換えコペンハーゲン(デンマーク)まで。そこから電車でストックホルム(スウェーデン)、そして豪華大型客船SILJA LINEで一晩かかってヘルシンキ・・・とたしか3日がかりの長旅だった。フランクフルト(ドイツ)でまず3人、コペンハーゲンで1人減り、最後の2人になった私と彩子さんが最初に見たフィンランドはこの大聖堂。



右も左もわからずよれよれしながらやっと見えたフィンランド、青い空に真っ白なドーム、船の上からの強烈な印象だった。ヘルシンキ大学はお隣、留学生のオフィスもすぐ近くで毎日のように通ったところ。今でも「また来ました!」と毎回大聖堂に挨拶に行く私、気候のいいときは朝早くこの石段に座ってボーっと海風に吹かれるのも、なかなか乙なものである。

ヘルシンキは高い建物が少ないので、市内のあちこちから大聖堂の頭が見える。その昔、ヨーロッパの街は教会を中心に作られたので、ここがヘルシンキの中心ということか・・・。周りは官公庁、大学、お店が並ぶ。

大聖堂といってもびっくりするほど大きくなく、日本の大きな教会程度で見回せば誰がいるかはわかるほど。祭壇に近い前方には大統領専用席があるが、今のハロネン大統領は1回も座っていないという話も聞いた。聖歌隊とオルガンがすばらしいので、日曜日は厳かに教会の礼拝へ。

「歌と出会って人生かわった!」

2006-05-23 16:58:25 | 音楽療法
デイケア(通所リハビリテーション)の利用者・ふさこさんの発言。50代で脳内出血に倒れ、まだ60の大台にのったばかりの車椅子のふさこさんは「歌は得意じゃないの」と言いながら<音楽療法>と<歌の会>に欠かさず出席。その理由は①リハビリになる ②歌好きのお父さん(=ご主人)に近づきたい ③今まで音楽と接したことがなかったから・・・。

控えめな性格で、ひとのお世話になることに消極的、「すみません、ありがとうございます」の連発で遠慮のかたまりだった。歌い始めて3ヶ月たった頃から表情明るくなり、少しずつ感情表出するようになってきた。そして「まずお父さんが大好きな《北国の春》を一緒に歌えるようになりたい」と一生懸命だった。

最近はリクエストも多くレパートリーも増えてきた。何より嬉しいのはますます明るく積極的になり他人とのコミュニケーションも良好、そして「お父さんと一緒に覚えた歌を楽しく歌っている」こと。これぞ音楽療法の真髄ともいえる。そのお父さんは「イャー、僕も楽しいですよ」。その言葉に涙がでる、音楽療法士の感動場面。

ふさこさんに乾杯 

MIN ヴァイオリン リサイタル

2006-05-22 18:59:41 | 音楽
今度の日曜日(28日)は <MIN ヴァイオリン・リサイタル>  アメリカ在住のMINさんが来日し、昨日は初練習だった。来日といってもご主人の孝之さん(Yuki Mori)は日本人。ご両親と私は 《キーワード・フィンランド》 のご縁でのお付き合い、その上DNAが同じらしく若輩者の私が楽しくご一緒させていただいている森さんご夫妻である。MINさんは孝之さんの奥様でフィニーちゃんのママ、でも奥様というにはチャーミングすぎて・・・。日本語が上手で楽しい!

今回のリサイタルは盛りたくさん、MINさんのヴァイオリン増崎靖子さんのピアノ に加えて、孝之さんのヴァイオリン大前知誇さんのチェロ も加わり、孝之さんのオリジナル曲も演奏。弦楽器にあまりご縁のない私は、ドキドキするほど緊張し、また楽しい練習風景だった。作曲家の指導のもと、一流の演奏家たちの音と音楽性がとびかう瞬間、テクニックと音楽センスがすばらしいレベルの高い練習。譜めくり役の私はもらさず吸収しようと、きっと毛穴まで最大に開いていたにちがいない。 「音楽ってすばらしい!」 と思い続けた昨日の練習だった。

本番では私もほんのちょっと歌でお手伝い。皆さんにお勧めしたいほどすてきなコンサート、でもチケットは早々に完売してしまい、もう蟻ンコも入る隙間はないくらい。本当にごめんなさい


寝る子は育つ?

2006-05-21 21:54:52 | つれづれ・・・
5月はじめからメチャクチャ忙しかった

日常も自慢するほど超多忙の生活、それに加えて地方での仕事がいくつか、7回のカンテレコンサート運営、新しい仕事の打ち合わせ、行政関係の仕事の立ち上げ、秋からのコンサート打ち合わせ・・・、それも私のお相手は皆忙しい人たちだから、夕方からということが多い。その上 楽しいお誘いがあれば都合がつくかぎりでかけるいい性格ときているから、夜中に帰宅することもしばしば。

その連続の約3週間、体力自慢の私もさすがにバテ気味 こうなると <美味しいものを食べる> ではなく <ひたすら寝る> に限る。

何時にお布団にもぐりこんでも、朝は4時に起床し行動開始。でも昨夜はすべてを放り投げて、何と 9時 にバタンキューと  今日はお天気のよい日曜日、朝日を感じながら 6時 まで寝ていたら、もうすっきり!

元気回復。朝からパウンドケーキ2種類10本を焼いてから、マンションのお花植えに出動。午後はコンサートの練習で千葉まで。

今週も忙しくなりそう、でも楽しい1週間であること間違いなしだから、疲れ知らずかも・・・。そのときはまず <美味しいもの> から。

フィンランドの音楽療法士

2006-05-20 19:44:20 | 音楽療法
フィンランドの音楽療法士 (フィンランド語で musiikkiterapia) レーア・アフヴォさん (Leea Ahvo)、フィンランド滞在中にセッションを見学させていただいた。




私はフィンランドに音楽留学中に音楽療法に出会った。日本ではまだ市民権を得ていない四半世紀前のこと。日本では精神科で取り入れていたが、他の分野では確立していなかった。たまたま音楽労働のかわりに住居と食事を提供してくれた高齢者施設で音楽を取り入れていたが、音楽に対する意識が「目からウロコ」の世界、それからすっかりはまっている。

レーアさんは音楽療法会社の社長、フィンランドの音楽療法士協会の推薦で見学させていただいたのがお付き合いのはじまり。現在は高齢者を対象としており、難聴者の研究、戦争と音楽の関わりなどさまざまなテーマで活躍している。市と共同プロジェクトで「アルツハイマー型認知症に対する音楽療法」の研究もしている。

障害児のPT(理学療法士)の仕事をしていたが、訓練に音楽を取り入れたら著しい成果があらわれたのでとMT(音楽療法士)の勉強をした人。もともと民俗音楽の歌手ですばらしいアルト、吸い込まれるような魅力の持ち主である。フィンランドではスキルアップの機会に恵まれているので、やりたいことが十分に勉強ができたそうである。 うらやましい~




この日の2か所め、ヘルシンキ市内の女性高齢者施設でのセッション。 <6月初めのフィンランドが一番美しい季節> をテーマにフィンランド民謡で構成、認知症グループは子どもの頃からなじんだ歌で1時間を過ごした。

歌う傘

2006-05-19 17:07:03 | 音楽
今日は朝から雨ふり、まだ梅雨でもないのに今年は雨の日が多い。「五月晴れ」はいずこへ?

雨の日は憂鬱、あまり好きではない。



友人のドイツ土産の傘。大ぶりでスーツケースに入らなかったので、2週間の旅行中ずっと手に持っていたらしい。「何度捨てようと思ったか・・・」、でもそのたびに気を取り直して無事私の手に!

傘全体が楽譜になっている。



何の曲? 多分何でもない曲・・・弾いてみたけれど同じフレーズの繰り返しで曲としては成立しない。でもこの傘をみると歌いだす人が多い、そして「何の曲?」となる。

憂鬱な雨の日は <お気に入りの歌う傘> でおでかけ。

音楽療法と季節感-いちご

2006-05-18 21:45:35 | 音楽療法
音楽療法室で育てているいちご>



介護スタッフが丁寧に育てて芽をだし、その後は私の音楽と利用者さんの<ほめて育てるふう> のやさしい声かけ。桜の頃から皆で成長を楽しみにしてきた。まだたった3粒、形もイビツだけれど美味しそうに色づき始めた。



どう数えても10粒しか収穫できない・・・ 「皆でどうやって食べる?」 「そりゃァー、音楽の先生が代表して食べてよ」 イエイエそんなことはできません、だってスタッフ+利用者さん何十人の視線を感じるもの!