5弦カンテレクラスの課題曲は、ト長調と並行調のホ短調の2声アンサンブル。長調と短調の組み合わせ? と不思議な方もいらっしゃると思うが、カンテレのアンサンブルではよくあること。頭で考えたらどんな音になるの? という組み合わせの効果、それがなかなか面白く、そしてとても心地よい。
ところで最近は5弦の主音(1弦目)はレ(D)にあわせることが多く、ニ長調。ト長調は主音がソ(G)だから、レよりさらにきつめに締め(ねじ)上げていく。私がカンテレを始めた30年以上前はソで調弦していたし、10年前までの楽譜はソ主音が多かった。カンテレが音楽教育の導入や学校教育に使われるようになり、楽譜も音符もわからない子どもたちが、カンテレで「♪マンシッカ、マンシッカ~ (いちごじるしの和音)」と弾き歌いながら音楽を覚えていくようになってから、主音がレに下がったようだ。
今日は久しぶりに調弦をあげる。カンテレ発祥の地・スウェーデン側の地域 Perhojoki (ペルホ川地域)で作れらたカンテレは、ソで調弦した方がいい音がでる。ペリマンニという土着の農民音楽(伝統民族音楽)の地でカンテレを勉強した私は、何台かソ主音のカンテレを持っているので、懐かしい音色の調弦。クラスでも現地で購入したカンテレが数台あり、「先生、いつもよりいい音!」 他のレ主音のカンテレも調弦をあげると、「響きが違う。ぴ~んと鋭い音色」
カンテレビルダー・Jussi Laasanen の5弦カンテレはソ主音がいい音色。
カンテレの調弦で、音楽が断然かわってくる。ソ主音とレ主音でやってみたが、この曲はソ主音があう。レ主音はボヨヨ~ンと音楽がぼける。曖昧なもったり、なんだか眠くなる音楽。やっぱり上げた方があってるかも・・・と再度ソ主音に。でも「なんか恐い。ピ~ンと張って切れそう」を配慮しながらの調弦作業だった。