鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

総務委員会県外視察 ネーミングライツ in 鹿児島県

2016年10月20日 | 議会活動

平成28年10月20日(木)

 

 ネーミングライツという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

 スポーツ施設や文化施設などの正式名称は、意外と正当派的な名前が多く、分かりやすい名称ですが、少し堅苦しく感じることがあります。

 しかし、最近では企業名や企業の商品名などをつけた施設名を聞くことがあります。野球場やサッカー場は、その代表例かもしれません。

 ネーミングライツとは、施設などの「命名権」のことを言います。

 

 公共施設の命名権は、施設を所有する、あるいは運営管理する自治体などにとっても魅力のある制度です。命名権を売ることにより、施設の管理運営費用の一部を捻出することができます。また、命名権を購入した企業にとっては、多くの人が利用する公共施設に自分たちに関連する名前を使うことにより、大きなPR効果が期待できます。スポーツ施設などでは、競技のテレビ中継などでその企業名も一緒に報道されることになり、大きなメリットがあります。

 しかし、公共施設ならばすべてがネーミングライツとして成立するかといえば、施設の用途や人気度により大きく変わってきます。

 国民に人気の高いスポーツとして、サッカーや野球などのプロチームが利用する施設は、その多くに企業名などがついていますが、それ以外のスポーツではあまり聞きません。これが文化施設になるとずっと数が減るように思えます。

 

 今日は、文化施設にネーミングライツを導入した鹿児島県の事例を視察しました。

 鹿児島市の中央部にある正式名称「鹿児島県文化センター」は、平成18年より1期5年間の協定を3回更新し、15年間、同じ企業とパートナーを結んでいます。

 愛称は、「宝山ホール」といい、スポンサーは県内の芋焼酎製造メーカーで、「宝山」の商品名で有名な、西酒造株式会社です。

(鹿児島県文化センター、宝山ホールの外観)


(「宝山」の文字は、焼酎に詳しい方はどこかで見かけた字体と気付くでしょう)


(説明いただいた、文化センター関係者)

 

 パートナーシップ料は、年間2,000万円で、1期5年間で1億円にもなります。それを3期ということは、3億円を納めることになります。これにより、文化センターの文化事業の安定化展開と、その財源確保が可能となり、企業にとっては、施設等への愛称使用による宣伝効果あるほか、文化センターにおける冠講演の実施や、ホール(1,500名収容)、会議室の無償使用などの特典が与えられます。

 

 当初の募集では県内企業2社から応募があったといいます。その中から、現在スポンサーとなっている企業は、鹿児島県の文化振興に積極的に取り組んでいることが評価されました。具体的には、鹿児島県特産の芋にこだわった製品作りに取り組んでいることでした。

 

 館内の特設コーナーには、県内産焼酎の紹介コーナーがあり、それとは別に、スポンサーである焼酎メーカーの「芋へのこだわり」について詳しく紹介する展示もありました。

(文化センター内にある、県特産品の焼酎紹介コーナー)


(スポンサー企業の特別紹介) 


 施設は、築後50年を経過し、至る所に年代物を感じさせますが、設計当初の基本がしっかりしているようで、音響効果も高く評価され、部分改修を重ねながら、県民の文化芸術振興に大きな役割を果たしています。

 それを支えているのが、長年に渡り経営を支えているネーミングライツであり、大きな魅力を感じました。

(築後50年を超える施設ですが、機能は優秀ということでした)


 

 静岡県内でもネーミングライツを導入しているサッカー場がありますが、県有施設では今後の取り組みとなり、今回の視察を参考に議論していきたいと思います。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 総務委員会県外視察 指定管... | トップ | 富士山紙フェアで紙文化に触れる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

議会活動」カテゴリの最新記事