鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

県保育関連団体との意見交換から

2024年07月26日 | 議会活動
令和6年7月26日(金)

 県内の公私立保育所・認定こども園・小規模保育所等651園で構成する団体との意見交換の場に参加してきました。皆さんは、常日頃より、地域で最も身近な子育て支援の拠点として、子どもの育ちを保障し、地域の子育て文化を育み、地域を元気にしていくため日々奮闘しています。

 今や、日本の未来は少子化が進むことで大きな岐路に立たされており、その対策は最優先課題でもあります。国は子ども・子育て支援対策を強化するため、専属の機関を立ち上げ取り組み始めましたが、保育の現場ではかなり前からその問題を指摘し、様々な提言や要望を重ねてきました。
 保育の団体は、最近の国の動き等について、「ようやく動き始めた。」との受け止め方をしていますが、解消にはまだまだ時間がかかるとの危機感を抱いています。

 私は県保育連合会を支援する顧問の立場で、毎年、この団体と意見交換を重ね、特に県への要望事項の相談窓口を仰せつかってきました。同時に、私にとっては保育の現場を学ぶ貴重な機会となっています。

 会合に先だち、私からご挨拶で申し上げたのは、①2年前に牧之原市の認定こども園で発生した3歳園児のバス車内置き去りによる事故裁判の判決確定に伴い、二度とこのような悲劇を繰り返さないための誓いと、保育の重要性を改めて県全体で理解し現場を支えていくこと。②静岡県令和6年度当初予算に盛り込まれた、「全ての子ども・子育て世帯を対象とする支援の拡充」のうち、4・5歳児を対象とした保育士配置基準の改善や保育士等の処遇改善策について。③静岡県が今月、国に対して要望・提案した、子ども・子育て支援新制度の施設型給付費等に係る1歳児の保育士の配置改善加算及び全産業の民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善の早期実施について報告させていただきました。

 団体からは、県の取り組みに対して一定の理解を示していただいた一方で、まだ十分とはいえない支援策や新たな課題について要望がありました。
 その内容は、①職員配置基準の改善。②キャリアアップ研修受講定員数の増加。③園児数の減少、定員割れへの対応。④物価高騰対策。⑤保育士確保及び定着促進のための環境改善支援。⑥年度途中入所サポート事業の継続。⑦南海トラフ地震等自然災害に対する安心・安全な施設の充実。⑧産休等代替職員雇用事業の充実について、それぞれ説明がありました。

 その後の懇談では、団体側から提示された「世界各国の職員配置基準と日本の比較」について、0歳児から5歳児までの状況の説明があり、日本の取り組みの遅れが指摘されました。今回、国や県が改善策を打ち出しても、まだまだ遅れをとっているのが現状です。



(配付資料から)

 さらに、抜本的な少子化対策の遅れが大きな問題だとして、県はどのように取り組んでいくのかについて質問があり、私の考えを示して説明をさせていただきました。また、私が今年3月に視察したニュージーランドの「女性活躍」と「子育て支援」について触れ、日本も示し始めた「子どもまんなか社会」というが社会全体がその認識があるのか、それに協力していく仕組みになっているかについて疑問を呈し、ニュージーランドでの取り組みの特徴は国や地方などの行政・立法機関、企業など、社会を構成している全てが同じ方向を向いているとし、特に企業の協力は欠かせないことを伝えました。

 少子化対策に一刻の猶予はありません。その中で子ども・子育ての現場に関わる保育は、あまりのも多くの課題を抱えており、県としてもしっかり取り組んでいく必要があります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする