鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

学校部活動の地域連携並びに地域クラブ活動への移行

2024年07月16日 | 議会活動
令和6年7月16日(火)

 この時期、地元の中学生が中体連大会などで活躍する姿が見られ、普段の努力の積み重ねが試されています。青春の良い思い出となることを期待しています。

 さて、学校部活動について大きな転換点を迎えています。その背景には指導者となる教員の確保や教員の多忙化など様々な課題があります。
 国は新たな方針を示し、それに応じて県や市町が地域との連携を模索しながら部活動の継続に向けて動き出しました。

 県教委が令和5年2月に示した「学校部活動の地域連携や地域クラブ活動の在り方等に関する方針」の冒頭には、文部科学省が、令和2年9月に「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革について」の中で、部活動改革の考え方として、「部活動は、必ずしも教師が担う必要のないものであることを踏まえ、休日に教科指導を行わないことと同様に、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境を構築すること」、「休日の部活動に対する生徒の希望に応えるため、休日において部活動を地域の活動として実施できる環境を整えること」を示した上で、「令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行を図り、学校部活動から地域部活動への転換すること」を求めました。
 部活動は、スポーツや文化活動に親しむ機会の確保に留まらず、教科学習とは異なる集団での教育活動を通じた人間形成の貴重な機会です。学年を越えた多様な生徒が活躍できる場であることに加え、学校における生徒の居場所としての役割も併せ持ち、日本独特の文化として定着しています。また、部活動指導は、教員が生徒の様々な表情を把握する貴重な機会でもあり、生徒の成長や取り組む姿勢を理解し、認めることを通して、生徒の学習活動や進路実現、生徒との信頼関係の構築など、教員自身にとっても大切な学びの機会となり、指導力の向上にも寄与しているところです。しかし、昨今の急速な少子化に伴い、学校規模の縮小や教員数の減少等により、教員の献身的な取組に頼るだけでは、生徒のニーズに応えることが出来ない状況も生じております。特に教員のワークライフバランスは喫緊の課題であります。

 本県では、この方針に基づき、①各市町において、令和5年度から7年度までの間に、学校部活動の地域連携や地域クラブ活動に関する意見交換を行うための関係者による協議会を設置すること。②部活動指導員の配置促進等から着手し、持続可能な地域クラブの体制への移行が可能であるか等を検討した上で、段階的な体制整備を行うことが望ましいこと。などを示し、先頃閉会した県議会6月定例会では、本年度が改革推進期間の2年目となることから、実証事業、協議会の設置、部活動指導員の配置など、地域の実情に応じて対応していることが報告され、下記の表の通り進められます。



 地元富士市では、先頃、第1回富士市立中学校部活動地域移行協議会が開催されたとの報道がありました。会議では10人の委員が、協議の目的、市としての基本理念、本年度の実証的モデル事業などについて認識を共有し、学校部活動の在り方などについて意見を交わしたそうです。来年度内に地域連携・地域移行の基本方針となるグランドデザイン案を提言としてまとめる予定です。

 私も以前、国の方針等を受けてこの課題等について当局と意見交換したことがあります。そのきっかけは市の体育協会関係者との会話からでした。また、武道に関わる団体も、クラブ活動を支援する用意があり、参加するためにはどのような基準を設けて関われるのかなど、関心が高いことを感じています。部活動の意義をかみしめながら、ここ1~2年の動向を注視していきたいと思います。
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