令和5年5月5日(金)
富士市大淵笹場のお茶まつりが4年ぶりに開催されました。今や、日本を代表する富士山と茶畑のコラボレーションで有名となった景観で、新茶のシーズンを迎えたこの時期、最高の風景を堪能することができます。
(お茶まつり会場の様子)
新茶の季節を迎えた毎年5月3日にこのお茶まつりが開催されてきました。しかしここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響もありましたが、何よりも富士山と茶畑の景観を楽しむ屋外でのイベントであり、茶娘が新茶を摘む姿が一番の売りであることから、天候に左右され中止の時もありました。
今年は、感染症も小康状態であり、天候予報も快晴で最高のコンディションを予想していたことから、主催者は久しぶりの好機到来に準備を重ねてきたようです。私自身もこのまつりが開催された当初の2012年から参加し、餅つきの助っ人などで盛り上げてきたこともあり、何よりも多くの関係者との4年ぶりの再開を存分に楽しめました。
今でこそ、世界に誇るといっても過言でない景色ですが、当初は荒廃茶畑といったほうが正しい見方でした。この地点から富士山までの間には人工物、例えば電柱などはありません。あえて言えば、農道と小屋くらいです。
この茶畑を整備することで絶景ポイントになり、まちづくりに大きな期待が持てそうと考えたのは、地域の住民の皆さんでした。そこで、まちづくり団体の有志が集まり、地主の了解を得て茶畑を整備することになりました。茶畑を整備するといっても簡単ではありません。この地域は茶農家が多く、いわばプロ集団であっても困難な作業でした。特にチャドクガの幼虫は刺されるとかゆみを伴う皮膚炎になり、その被害を受けながらの整備だったと聞いています。
茶畑の整備が終わり、観光客の誘致のためのトイレや駐車場整備、茶を原料に地場産品の開発など、この景観を活かしたまちづくりは長年かけて培ってきた努力の賜といえます。
5月の茶まつり以外の時期にも、国内外から多くの観光客が訪れるといいます。この場所が注目され始めた当初、アメリカの大手マスコミなど海外からの取材があり、それをきっかけに国内外からの来訪者も増えました。ネットを介した情報が世界に広がった効果によるものです。
まつりの前日、静岡市では「東アジア文化都市2023静岡県春の式典」が開催され、富士山をはじめとする本県、そして日本の多彩な魅力を国内外に発信し、観光交流客数の増加や消費の拡大など、経済効果を県内に波及させていく事業が始まりました。大淵笹場の茶まつりはそれよりも先駆けて取り組んでいる誇るべきものと考えています。
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