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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

静岡県と台湾の交流推進

2023年11月21日 | 議会活動
令和5年11月21日(火)

 県議会日台友好議員連盟による台湾視察が行われ、1年ぶりに参加しました。今回は、静岡県台湾事務所、台北市温泉発展協会、日本台湾交流協会、台湾旅行業団体との意見交換、国家実験研究院半導体研究センターなどを訪問し、本県の取り組む地域外交の成果や課題などについて学ぶ機会となりました。

 県の出先機関の取り組では、富士山静岡空港の台湾路線復便に向けた働きかけ、本県への観光誘致、観光PRの実施状況、本県産品の販路拡大や県内企業の台湾における活動支援、本県と台湾の交流促進について、所長から説明を聞き、意見交換を行いました。
 本題に入る前に、本県の現台湾事務所長は、女性で日本から小学生の子どもを連れ、この春から赴任しています。このようなケースはまだ希と思われ、このような立場になった感想や、台湾における子育て、女性の活躍などもお聞きし、この取り組みが、本県の女性活躍推進にも好事例となることを確信しました。


(県事務所での意見交換)

 台北市温泉発展協会は、昨年も訪問し、温泉を通じた台湾と静岡県の交流について意見交換し、その後、台湾側は積極的な活動により日本国内だけで新たに3自治体との友好関係を結んだ成果を説明されました。また、この協会は台湾アジア国際温泉旅行協会を立ち上げ、国際交流に力を入れています。日本では、11温泉地域の関係者が名誉理事として名を連ね、本県は伊東温泉関係者がいます。




(台北市温泉発展協会の皆さんと意見交換)

 日本との交流は、台北市にある松山国際空港と愛媛県にある松山空港との縁で、台北市内にある北投温泉と松山温泉との繋がりを基盤として交流したのが始まりですが、地域間交流はそれぞれの共有した資源などにより始まるものの、一時的な交流であったり、その成果が十分得られないことも少なくないと感じています。
 その理由の中には、我々のような視察団が視察の成果を生かし切れないことや、フォローが十分でないことなども考えられます。

 今回の意見交換では、日本国内との交流に大きな成果を上げている地域と、本県との比較についても忌憚のない意見をいただきました。

 観光交流の将来における大きな期待は、この取り組みに関係する人たちが相互に訪れ、それぞれの関係者が相手先の見所や素晴らしさなどを自地域の周囲に伝え、さらなる人流が増えることです。積極的展開の好事例では、台湾から交流先への訪問者が10倍以上に増えたケースも紹介されました。
 友好関係が樹立されてもその効果がすぐに現れるとは限りません。まずは交流となる地域の代表者(首長や観光関係団体の長など)の定期的な相互訪問を継続し、それぞれの地域での機運醸成を図ります。例えば、地域の大きなイベントに参加し合い、さらに市民同士の参加も増えることにより、相手側の知名度は上がります。さらに交流が深まると、その地域にあるほかの魅力が資源となってさらに来訪者が増えるという流れができます。
 机上での資料を通じた議論だけでなく、実際に現場に足を運び、自分たちの地域がほかと比べてどのような課題があるのか、それを知り、対策に活かしていくことが重要です。

 本県の台湾との交流における重要課題に、静岡空港への台湾路線復便があります。コロナ禍で低迷していた地方空港の国際線復活が急務ですが、本県は国際路線が多く、空港運営の重要な課題となっています。
 日本の地方自治体は、特に空港のある地域では台湾との交流を期待するところは少なくありません。全国で徐々に台湾路線が復活している中で静岡空港は苦戦しています。
 台北市温泉発展協会との意見交換でも、国際路線復便の話題になり、既に先行している日本の地方空港では、台湾と日本との地方都市間交流が進む地域では、双方から復便の声が上がり、台湾においては台北市温泉発展協会の関係者が、航空行政機関や航空会社に後押しをし、その効果が現れているとの説明がありました。

 航空路線は人流や貨物を移動させる手段であり、そこにどれだけの利用者や収益性があるか、両地域や業界団体にとってWin-Winの関係を構築できてなし得るものとの認識を強くしました。
 これまでのように、路線復便を唱えるだけでなく、実利が得られる戦略を、早急に検討していく必要があります。
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