常識について思うこと

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熱くカッコイイアンパンマン

2008年03月10日 | 歌詞&台詞

アンパンマンというと、幼児向けの「ほのぼのアニメ」というイメージかもしれません。たしかに、そういうところはありますが、意外と泣けてしまうほど、いいお話が多かったり、アンパンマンがものすごくカッコよかったりします(こうしたところは、ドラえもんやクレヨンしんちゃんみたいなアニメでも同じでしょう・・・)。一般的に認知されている、いわゆる「アンパンマン」の画風や音楽では、なかなか伝わらないかもしれませんが、正直アンパンマンはカッコイイと思うのです。

ネット上では、アンパンマンのそうしたカッコよさを表現したMAD動画(一般の人々が編集して作成した動画)も数多くあります。仮面ライダーが好きな私としては、仮面ライダー龍騎の音楽を使用したMADがお気に入りだったりしますが、一番はウルトラマンネクサスのOPテーマ「英雄」を使った動画です。

まず曲が熱いです。そして歌詞もいいです。さらに編集も上手いと思います。

♪ 男なら 誰かのために強くなれ ♪
♪ 歯を食いしばって 思い切り守りぬけ ♪
♪ 転んでもいいよ また立ち上がればいい ♪
♪ ただそれだけできれば 英雄さ ♪

この歌詞の部分。アンパンマンが体を張って、ヒロインのドーリィを守るシーンは鳥肌ものです。焼かれてボロボロのアンパンマンは、ビジュアル的には、やられてしまっていてものすごくカッコ悪いはずなのに、これがめちゃくちゃカッコイイのです。

いわゆる一般的な「アンパンマン」ではなく、こうしたアンパンマンのカッコよさに焦点を当てた動画を作ってくれた方には感謝していますし、これからもいろいろな良い作品を作っていただきたいと思うのでした。

ところで、こうした作品には著作権等の問題があります。私はこういうMAD動画は大好きですし、できればアンパンマンに限らず、もっと沢山いろいろな良い作品に出会いたいと思っていますが、現在の仕組みのなかでは、実際なかなか難しいわけです。著作権を有する方々が、視聴者のいろいろなニーズに対応して、多様な作品を作ってくれるというのであれば、それでもいいでしょう。私自身、もしそういう作品が溢れるように出てくるのであれば、そのうちのいくつかに対しては、それに相応しいお金をお支払いしてもいいと思っています。ウルトラマンネクサスに限らず、いろいろな「カッコイイ曲」もありますから、それらを使った「アンパンマン動画」でもいいはずです。音楽というのは、人によってそれぞれ好みのジャンルや歌手が違ったりしますから、「カッコイイ曲」は千差万別です。またある人は、もっとしんみりとしたバラード系の音楽を使って、哀愁を感じるような「アンパンマン動画」がいいと言うかもしれません。このように考えると、ニーズは極めて多様であると考えるべきでしょう。実際、私のお気に入りは仮面ライダーシリーズですが、龍騎のその曲はそれほど好きではありません。「仮面ライダーカブトの曲だったらもっと燃えるのに・・・」等と考えたりもします。

こうして整理し始めてみると、極めて多様化したひとつひとつの視聴者のニーズについて、作り手側がどれだけ対応できるかという問題は、非常に深刻だろうと思わざるを得ません。そして私は、今のコンテンツ業界が、仮にそうしたニーズに対応しきれないというのならば、さまざまなMAD作品を作る人々に対して、著作権等の問題を含めて、いかに作品を作りやすい環境を提供していくかということを考えることも、重要なのではないかと思うのです。

一方で、MAD作品の内容や質の問題もあります。MAD作品のなかには、見るに耐えないようなものがあるのも事実です。原作者や著作権を有する方々からしたら、とても看過できないようなものもあるでしょう。そうした方々が意図する狙いや考え方と、MAD作品の内容や性格が合わなかったりすることもあると思います。それらが問題であるというのならば、それはそうかもしれません。

ただそれでも私は、その原作(上記の場合は、「アンパンマン」という作品)に愛情を持っている人々こそが、MAD制作をしているのではないかと思うのです。そして、各人なりに愛情を持って、MAD制作をしているというならば、そういう思いを何とか受け止めることができるような仕組みがあっていいのではないかと思います。また、そういう仕組みがあることで、コンテンツ業界は次の時代に向けて、もっともっと盛り上がるのではないかと考えます(「コンテンツ制作体制の未来」参照)。

具体的な方策については、ここでは言及しません。けれども、そうした仕組みはきっと出来上がると思います。

コメント
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