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玉木宏樹さん 存在の詩

2016-03-14 21:52:53 | 70's J-プログレ
 ヴァイオリニストであり、作曲家・編曲家としても活躍されて多くの作品を手がけ、さらには多くの著書も執筆されている故<玉木宏樹さん>。ライナーノーツによれば、玉木さんは「怪奇大作戦」や「大江戸捜査網」などの音楽を担当されたのちに、シンセの巨匠<富田勲氏>に出逢い、シンセの魅力に憑りつかれ、のちにYMOに参加されて超有名になる<松武秀樹さん>に出逢い、松武さんのスタジオに通い詰めて、1975年にアルバム「タイム・パラドックス」を発表されます。その後シンセも日進月歩で進化していき、玉木さんも研鑚され、35歳になったときに“何か記念碑的な世界を築き上げたい”との志からシンセとフルオーケストラとの交響曲を思いつき、苦難の末に1979年5月18日に歴史的なコンサートが開催され、この年にそのライブアルバム「雲井時鳥国(クモイノホトトギスコク)」が発表されました。で、この中の第3楽章で玉木さんはヴォコーダーでうたシャベリをされていますが、その内容はインドの宗教哲学者バクワン・シュリ・ラジニーシ氏が書かれた著「存在の詩」から影響をうけて玉木さんが創作された詩だったそうで。玉木さんはちょうどこの「雲井時鳥国」を作曲しようとしていたころに「存在の詩」の訳本を購入され、影響をうけていったとか。そして「雲井時鳥国」をやり遂げたあと、次作は「存在の詩」と思ったそうですが、前作で150人近くの多くの方々に協力を仰いだため、次作では極力自分だけの責任で創りたいと思ったそうで。で、ご自身で多重コーラスをやろうと当時の機材で試行錯誤され、さらに日本のラジニーシ教団へ行かれて1週間の瞑想修行に参加され、教団からの許可を得て作曲&レコーディングに取り掛かり、1980年に「存在の詩」がリリースされました。
 アルバム1曲目は「河」。ゆったりとしたコーラスから爽やかにはじまって、マンドリンのリズミカルなリフからコーラスが力強く、そしてリズミカルになり、そこからヴァイオリンののびやかな音色が美しく響いて。
 2曲目は「空」。アコギのリズミカルなリフからシンセののびやかで哀愁ただよう音色が響いて。そしてリズミカルなコーラスとパワフルなリフが交互に展開し、コーラスがのびやかにながれ、コーラスとマンドリンのリズミカルなユニゾンが。中盤ではアカペラのコーラスからシンセが哀愁たっぷりにのびやかに奏で、ダイナミックなリフからリズミカルなコーラスがはいって、マンドリンとユニゾンをキメ、コーラスとマンドリンがリズミカルに。
 3曲目は「マハムドラーの詩」。シンセがゆったりとのびやかに奏で、リズミカルなリフからハープ風サウンドが綺麗に響き、シンセのパワフルなリフから詩の朗読がはいって。そしてスペーシ-なシンセサウンドが響き、宗教の説法のような詩の朗読が。中盤ではシンセのダイナミックなリフが盛大にながれ、パーカッションのフィルからユニゾンでのリズミカルなリフが盛り上がっていって。終盤ではヴァイオリンのテクニカルなリフからシンセがのびやかにミステリアスに奏で、詩の朗読がはいって、ラストはシンセのスペーシーサウンドが響いて。
 4曲目は「Beautiful Song」。アコギのリズミカルなリフからシンセがゆったりとほのぼのと奏で、ピアノのリズミカルなリフから明るく爽やかなコーラスがリズミカルに。”春”を感じさせますね。リズミカルなコーラスとパワフルなリフが交互にながれ、コーラスが力強くのびやかに。
 5曲目は「愛」。コーラスがしっとりとのびやかにながれ、ピアノの綺麗なフィルからヴァイオリンがゆったりと哀しげに奏でて。
 6曲目は「Meditation」。スペーシーなシンセサウンドが響き、それが鮮烈に華やかに奏でられ、のびやかなコーラスがはいって。そしてパワフルなリフがリズミカルに攻撃的に、まるでSF映画のオープニングのようにかっこよく元気よく盛大にながれて。それが止まるとシンセがのびやかにゆったりと奏で、詩の朗読が。中盤ではミドルテンポのシーケンスリズムからシンセのコミカルなリフがリズミカルに。その後シンセがのびやかに奏で、朗読がはいって。終盤ではアップテンポのリズミカルなリフがロック調でかっこよくテクニカルに。そしてブレイクからシンセとアコギがゆったりと奏で、コーラスがのびやかに力強く。
 7曲目は「海」。ピアノのゆったりとした音色が響き、しっとりとしたコーラスがながれ、ピアノのリズミカルなリフからロック調のギターとベースのパワフルなリフがはいって、ヴォーカルがリズミカルに。その後一旦止まってからしっとりとしたコータスからピアノとシンセがゆったりとしっとりと。
 最初の2曲は、なんフォークっぽいなって思ったんですけど、3曲目はお待ちかねのプログレ。そして4曲目は明るく爽やかなPOP。5曲目はしっとりと、6曲目はドンドンスリリングに展開していくプログレ。ラストは静かにはじまるも中盤盛り上がり、とアルバム通して楽しめる素敵なアルバムですね。

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