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ツトム・ヤマシタさん GO

2010-07-22 06:29:58 | 70's J-プログレ
 70年代から世界舞台で活躍されているパーカッショニストの<ツトム・ヤマシタさん>。ヤマシタさんは5歳のときからピアノを習い始め、8歳から打楽器も始めたそうです。学生時代には地元の楽団で演奏され、1964年、17歳のときにアメリカに渡ってニューヨークのジュリアード音楽院で学び、67年からはボストンのバークレー音楽院へ。そしてシカゴ管弦楽団と共演されたそうです。
 71年に1stアルバム「ツトム・ヤマシタ」を発表。その後、映画やバレエ音楽も手がけられたそうです。そして76年に今回紹介させていただくアルバム「Go」を発表されます。
 ヤマシタさんはかねてから“ジャイアント・ポップ・クラシックを作るんだ。そこには壁はなにもないはずだ”と語っておられたそうです。これまでにヤマシタさんが追求してこられたダンスやマイムや電子エフェクトなどの実験をベースに、ロック・ジャズ・クラシックなど様々なジャンルを取り込み、さらにストーリーを持ったシアトリカルなコンセプトアルバムとしてアート性の高いアルバムを目指したそうです。
 アルバム「Go」のテーマは“変化”で、生と死・ファンタジーと現実など正反対のものへと変わっていく様を表現されています。
 このアルバムの構想を元トラフィックのSteve Winwoodさんと、元サンタナ・バンドのMichael Shrieveさんに持ちかけたそうです。WinwoodさんもShrieveさんもちょうど新たな音楽の方向性を探っていたところだったこともあって快諾されたそうで。さらにはタンジェリン・ドリーム等で活躍されている“シンセの魔術師”<Klaus Schulzeさん>や、凄腕ギタリスト<Al Dimeolaさん>も参加されるという超豪華な布陣に。
 ヤマシタさんはレコーディング前にメンバーにNASAの宇宙映画を見てもらって、みんなでその作品の概念について話し合い、それぞれのセクションに合ったムードを模索されたそうで。さらにはこれほどの凄腕ミュージシャンが揃ったわけですから、個々のインプロも盛り込み、ミュージシャン同士の相互作用や駆け引きによる化学反応やMagicも目論んだそうで。
 このアルバムはレコードでいうB面からはじまります。なのでCDでは7曲目の「Space Theme」から宇宙の彼方へ出発します。荘厳なスペーシーシンセサウンドからゆったりとはじまって、時折電子音や宇宙のうねりのような音が聞こえてきて。中盤からは叙情的なしっとりとしたシンセのメロディが奏でられます。
 8曲目は「Space Requiem」。シンセの早いパッセージリフがフェードインしてきて、そしてシンセの重厚で壮大なサウンドがゆったりと響いて。
 9曲目は「Space Song」。ダークでミステリアスなリフとベースリズムからはじまって、そしてキーボードのゆったりとした叙情的な音色がしっとりながれて。バックでは流れ星のようなスペーシーサウンドも。中盤からはパーカッションのミドルテンポの力強いリズムがはいって、そして宇宙のうねりようなダイナミックなサウンドや爆発音がいっぱいに響きわたって。
 10曲目は「Carnival」。アップテンポのティンパニ&パーカッションのパワフルな激しい打撃音からはじまって、ホーンセクションのヒステリックなサウンドが鳴りわたって。中盤になると打撃音が少し落ち着いて今度はストリングセクションのスライド音が響き、そして再び叩きまくりの嵐のようなドラムサウンドが。
 11曲目は「Ghost Machine」。ここで一転アップテンポのファンキーなロックサウンドに。力強いリズミカルなベースとパワフルなヴォーカル、そしてアグレッシブなハードギターが炸裂!ドラムもパーカッションもグイグイ引っ張っていってドライブ感満点で、ギターもベースもノリノリで弾きまくりです。
 12曲目は「Surfspin」。一転静かになって暗闇のなかにパーカッションのクリスタルな金属音が飛び交って。幻想的でミステリアスな雰囲気が漂っています。中盤からはオルガンのたおやかなメロディがゆったりとながれて、そこにストリングスも加わって。
 13曲目は「Time is Here」。ミドルテンポのドラム&パーカッションのちょっぴりファンキーなリズムとオーケストラのリフからはじまって、力強いヴォーカルがレゲエグルーヴでながれて。ギターのさりげないリフもいい味だしてますね。後半では弾きまくってます。
 14曲目は「Winner/Loser」。ミドルテンポのパーカッションリズムとピアノの綺麗なリフからゆったりとはじまって、メロウなヴォーカルが。とっても素敵な心地よいポップソングですね。オーケストラサウンドとギターが曲を盛り上げてます。 
 そしてレコードでいうA面へ。1曲目は「Solitude」。スペーシーなサウンドが静かにフェードインしてきます。
 2曲目は「Nature」。オーケストラとピアノの美しいメロディがゆったりと静かにながれ、ピアノリフをバックにオーボエの素朴な音色がしっとりと響き、そしてストリングスの重厚なサウンドが響きわたって。中盤からはドラムとともにしっとりとした情感たっぷりのヴォーカルがはいって、そしてストリングスが盛り上げるなか歌い上げます。叙情的な美しいバラードです。間奏ではオーボエのゆったりとしたメロウなソロも。  3曲目は「Air Over」。幻想的でスペーシーなサウンドがゆったりと響いて。
 4曲目は「Crossing The Line」。ダークなシンセサウンドがゆったりとながれ、そして徐々に壮大でダイナミックなサウンドに。そして力強いティンパニとドラムがはいって、美しい女性コーラスも響き渡って。その後情感あふれるメロウなヴォーカルがはいって、そしてサビでは歌い上げます。とってもドラマティックなバラードですね。間奏ではギターのエモーショナルかつテクニカルなソロが。オーケストラとの掛け合いもあり、後半には泣きのギターも。ラストは劇的に盛り上がってFin。
 5曲目は「Man of Leo」。いきなり力強い雄たけびからはじまってアップテンポのファンキーなリズムが。それにのって女性コーラスとヴォーカルの掛け合いも。とっても楽しいノリノリの曲ですね。後半はキーボードソロ、そしてテクニカルなギターソロがたっぷりと。バックのベースも弾きまくってますね。時折なぜかお寺の鐘の音が響いて。
 6曲目は「Stellar」。鐘の音が鳴り響いたあと、スペーシーなサウンドが幻想的にうねり響いてFin。 
 ヤマシタさんの構想に賛同した凄腕ミュージシャンが、ジャンルを超えて個々のポテンシャルを存分に発揮した、聴き応えのある素敵なアルバムですね。

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